女子会《パジャマパーティ》2
「それで?あんたはどうなの」
リーリエが考え込んでいる中、手持ち無沙汰になったソフィアがそう聞いてきた。気怠げそうな顔をしつつも、ソフィアも案外恋バナが好きなのだ。
「んー?勘違いかもしれないけど、私最近思うのよ。リアンって私のこと好きなのかもって」
「は?そこから?」
「ソフィア様、《《あの》》アナベル様ですよ。恋愛に関しては、経験なしです。諦めてください」
「ちょっと、まるで私が馬鹿みたいに言わないでよ」
「そこまで言っていません」
相変わらず、アシュリーは毒舌だ。
「この際言っておくけど、普段の態度から見る通り、リアンはあなたが好きななんだよ。いや、あの執着ぶりは、好きじゃ片付けられないね」
「でも、過保護な幼馴染とも考えられるじゃない?」
「普通の幼馴染は、自分の膝の上に乗せたりしません」
「だって…私は顔は綺麗だけど、モテないじゃない?だって生まれてこのかた一度も好意を向けられたことないのよ。まぁ、性格が悪いのは分かってるけど。だから、あのリアンが私なんかを好きななるわけないじゃない」
「うわぁ」
「アナベル様ってリーリエ様の自己肯定感が低いと言いますけど、アナベル様も大概ですよね」
そうなのだ。私は告白とか、ラブレターとかいう類のものを貰ったことがない。自分のこの吊り目が相手に怖い印象を与えるのがわかっているものの、何千年も生きてきて、0回は私に魅力がないんだと思う。
「リアン絶対握り潰してるよね。あたしラブレターを燃やしてるの見たことあるけど、昔からだったんだ…怖!腹黒怖!執着エグい」
「今は、アナベル様に近づいたら宰相閣下に消されるという噂がありますから。消すとまではいかな行くても、脅すぐらいはやってます。多分」
「怖いから、そこらのお化けより怖いから」
なんかソフィアとアシュリーがコソコソなんか話している。なんて言っているのかは聞こえないけれど、何を話しているのだろうか。
(マカロン美味しい〜)
「アナベルさん」
いつの間にか復活したリーリエが、ドーナツに手を伸ばしつつ、呼びかけてきた。
「なに?どうしたの」
「アナベルさんの様子って、あの水晶があればリアン様から見えるんですよね?あれっていつでも見れるんですか?そうだったら、なんかちょっとこわいと」
「遠隔映像の事?確かにあれはうっかりしてたら、どんなところでも見れるけど…私から遮断すれば、何も映らないわよ。ただ、戦闘とか仕事に行く時にリアンが心配だっていうから、その時だけよ」
「そういうことでしたか。ありがとうございます…それにしても、リアンさんは過保護ですね…」
「そうだよ!あの過保護ぶりは以上だよ!」
「アナベル様、危機感薄いですよね。気軽に宰相閣下の部屋に行きますし。今の所無事ですけど、気をつけた方がいいですよ」
何か話していたソフィアとアシュリーが会話に参加してきた。というかアシュリー。さっきからチョコレートクッキーばっかり食べている。チョコレートが好きなのか。
「〜!私の話はもういいのよ!アシュリーは!?なんかいい人いないの?というかカイトは?好きじゃなかったの?」
なんだか恥ずかしくなってきたので、強引い話の矛先をずらす事にした。




