鈍感な君のデート
たくさんの人。
みんな同じゲームをしてて、イベントを楽しむために来ている。
コラボイベントのために作られた限定衣装をきたキャラクター達。
それを写真に収めていく。
「鈴花ちゃん、ここだよ!」
聞き覚えのある声。
ああ、絶対にリュウだ。
見てみると、オシャレな私服のリュウがいた。
僕が前まで見ていた私服より似合っている。
きっとデートのために選んだ服なんだろうなと思う。
楽しそうに可愛い女の子と一緒にいる。
彼女も綺麗なスカートを着こなしている。
あの子が木下さんか。
美男美女のカップルとしていろんな人の目線を浴びているが、気にしない様子で話している。
リュウの恋は順調そうだ。
表情的にも、彼は彼女のことを恋人として愛しているようだ。
推しを語るリュウの表情は楽しそうで、いつものように見ていた好きだった顔だ。
「龍司くん、はしゃぎすぎだよ」
彼女の笑った顔は幸せそうで、良い関係のようだ。
本当に、お似合いの2人。
性格もきっと良いんだろうな。
邪魔するのは良くない。
ゲーム関連で来たのだから、リュウは僕を見つけると彼女に僕のことを紹介するかもしれない。
2人のいい雰囲気を邪魔したくはない。
そう思い、別のところへと足を運んだ。
僕の推しが目の前にいて、それを写真に撮りまくって、コラボ商品を買って、それから大好きなコーヒーを飲んでとやっているうちに、リュウの事を忘れ、好きな事で頭がいっぱいになった。
ふとした瞬間に思い出すけれど、消えた恋心はそこまで僕を追い詰めたりしない。
「龍司くん!よくみるこの動物みたいなマスコットみたいなのは何?」
「ああそれはね、ボムポムっていう、キャラ達を強化したりしてくれるサポーターの役割を持つキャラだよ」
「へぇ、だんだん興味わいてきたなぁ。私も入れてみようかな」
「えっほんと⁉︎」
「うん!楽しそうな龍司くん見てると、次第に」
バレないように帽子を深く被る。
2人は近くに来たようだ。
いや、僕がいったのかも。
夢中になりすぎて、わからなかったがここはリュウの推しがいる場所。
彼女にも布教して、好きなんだなと思う。
僕はそろそろ帰ろう。
帰って、ゲームでもしていよう。
幸せそうに笑い合う2人を見ながら、ゆっくりと足を駅まで運んだ。
駅では撮った写真を見返し、SNSに行ったことを報告した。
すぐに相互から羨ましがられたコメントが来たので、ドヤってやった。




