第一話 異世界転生
ショタコン
それはこの世界のほぼ全員が患っている症状だと思う。かくいう私もその一人
ショタとは一般的に7~14歳の男の子だ
とまあ、ショタの説明を脳内でしていたら
「誰ですかあなたたちは?」
如何にもナンパ男A、Bという感じの、金髪で千円くらいのネックレスを付けた男たちが話しかけてきた。
「おい姉ちゃん、俺たちと遊ばねえ?」
はあ、面倒くさいなぁと思いつつ
「二度と呼吸すんじゃねえホテルのことしか頭に無ぇ人類の癌が。二酸化炭素吸って酸素吐いてろ」
と睨みつけて言ってその場を立ち去った。後ろから
「あんな美人な姉ちゃんからごみを見る目であんなこと言われるとかゾクゾクすんなぁ」
となんだか危ない発言が聞こえたような気がしたがおそらく気のせいだろう。
私はどんなイケメンからナンパされようが何されようがついていく気はない、そう、私はショタ意外には微塵も興味がないかなり重度のショタコンであった。
そしてさっきナンパされたことにため息をついていると声がした。
「おい!あぶねえぞ!」
「え?」
と、振り返った時にはもう遅かった。
バンッ!
おそらく赤信号で渡ってしまってトラックにでも撥ねられたんだろう。
何も感じないけど血が大量にあって体が動かない。さっきのナンパ男のせいだ一生恨んでやる。まあその一生がもうちょっとで終わる訳だが...
「おい!誰か救急車を!」
こういうセリフを聞いたとき毎回思うのだが、何で誰かなんだよ。お前が呼べよ。
というかなぜ私はこんなにも落ち着いているのだろう。今死にかけてるんだぞ?
まあもう死ぬしいいや
こういう時、体が冷たくなるとか本当だったんだなぁと思いつつ意識が遠のいて行く。
そして彼女、改め相澤瑞希は命を落とす。
一方その頃、天界
「あーららー、このお姉さん死んじゃったぁ」
と日本司る神、改めピトが面倒くさそうにまた仕事が増えちゃうや、と言った。
「お前は相変わらず人の死に無頓着だな」
と全く別の世界を担当している神、フェルが言った。
「だってさフェル~、人が死んじゃったら僕の仕事が増えるんだよ?迷惑ったらありゃしないよ」
と心底面倒くさそうにため息をつくピト。
「ならばその人間は僕が担当してもいいか?」
「え?!いいの?!」
と心底嬉しそうなピト
「まあ僕の世界に来たがる人は少ないからね。人口がピンチなのさ」
と困った顔をするフェル
「まあフェルの世界は危険だからねぇ~。ま、あとは任せたよ☆」
「あぁ、任された」
満面の笑みのピトに苦笑を浮かべるフェル
因みに彼らの容姿はピトは、茶髪パーマの13歳ほどの少年のような見た目で、フェルは。青髪の高校生ほどの好青年といった感じだ。
ご察しの通り瑞希からしたら、ピトに対応してほしかっただろう。
「やあ、気分はどうかな相澤瑞希さん?」
といきなり玉座のようなものに座った妙な服装の青髪の高校生みたいな人が笑顔で訪ねてくる。
高校生が玉座とは生意気な、ストライクゾーンじゃないがお姉さんが体で分からせてやろうかなどと考えると
「僕はフェルというのですが、あのう...僕であまり妙なことを考えないでもらえると助かるのですが...」
と青髪の高校生改め、フェルが困ったような顔で言ってきた。
心が読めるのかなどと感心しているとフェルが唐突に聞いてきた
「相澤瑞希さん、貴方は特例で記憶を持ったまま日本とは別の世界に転生してもらうのですが、こっちの都合でいきなりそう決めたせめてもの償いと思い、あなたの願いを一つ叶えて差し上げようと思ったのですが、どのような願いがいいですか?」
「男にしてください」
即答だった
当然である。ショタは好きだが手を出したら犯罪になってしまう、ならば自分自身がショタになればいい。
「あ、あと顔は美形で体の成長は14あたりで止めて下さい」
これを忘れてはならない、男になってもやがてぶすのおっさんになってしまっては元も子もない。
「ひ、ひとつに絞っていただけるとありがたいのですが...」
と困り顔で聞いてくるがそんなの知ったこっちゃない。
「そっちの都合で別の世界で転生させるんだからこれくらい叶えてもらわなきゃ困る。もし無理というなら転生した瞬間に自殺してやる」
とフェルは本気で困った顔しながら
「う、うぅ...分かりました...後で怒られちゃうよぉ...」
と言って私は満足して満面の笑みで、
「ん、じゃあさっそくよろしく!」
そしてピトはどっかの誰かさんと目の前の彼女が似てると思いつつ手をかざし
「じゃあ転生させますよ。」
フェルがそういうと、私の視界は白い光に包まれた。
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