第6話 スケット登場
「月夜君...大丈夫かな・・・。」
と、弓音が言うが、それは、俺らも心配していたことだった。
それに、残ったメンバーのことも気になりつつあった。
「…。おい…。あれ…。」
と、縷々川が言った…。
その先にあったのは、大きく血で書かれた字だった
‘‘潤野 績は、捕獲した。‘‘
さらに、壁には、先ほど、足止めをしていた、潤野さんたち、日下部、そして、月夜君が倒れていた。
「ちょっと待てよ…。みんな、壁を作られて、ここにこれなかったにも関わらず、俺らよりも早くここについたってのかよ・・・。」
ふと考えてみればそうだ。
ここに、この4人が存在していることがおかしいのだ。
外からこちらに来れば、襲撃を受ける、さらに、日下部は、内部にいたはずで、外からは、入れないはずなのだ。
その時だった。脳に響き渡る音を俺は、感知した。
いや、他のみんなもそうだろう。
なぜなら、耳を塞いで、その音が何かを掴もうとしていたからだ。
((やあ、諸君。我は、ティリュウ。この城の主だ。))
((さて、この城は、ある一定時間を経過するごとに、崩壊していく。なぜなら、君たちが、‘病原菌‘を持ってきてしまったからだ。))
病原菌とは、何のことなのだろうと、みんなキョトンとする
((ローズ病の病原菌は、潤野 績だ。そいつが、この世に、魔法という不規則物質を人間に組み込んだ。そして、魔法が使えるようになっていった。しかし、それは、‘病気にかかった‘という意味である。だから、その病原菌を、除菌する。))
つまり、推測だが、潤野 績が、なったローズ病が、各地に広まった。そして、そのローズ病というのも、人間に誤作動を及ぼし、魔法を使えるようになった…と。
そして、病原菌を除菌することで、またこの世が元に戻る…と。
((まあ、その中にも一人、こいつと同じ、病原菌がいるだな。))
と、みんなは、俺を見た。
まあ、予想はつく。
潤野 績と関連性が高かったからだろう。
「…それじゃあ、俺が、除菌されれば、みんな救えるのか?」
((救う?何を?我々は、諸君の抵抗をなくすだけだ。))
「くそっそれじゃあ、どうすればいい…。」
((我に、まどえ。))
くそっくそっくそっ...!
これじゃあ…。
その時だった。
かすかに、風の動きが止まり、すぐ隣に気配を、雪嘉は察知した。
「なにやってんだ。」
しかし、そこに現れた姿に、俺は驚いた。
何故なら…。
今、目の前にいるのは…。
殺されたはずの、籠晴校長の姿だったから。




