第11話 デミトラード
(−−−夢−−−)
「またここか…;」
と、俺は、塔の最下層にいた。
ただし、一人で。
「やあ、雪嘉くん、待っていたよ」
「あんたは…?」
と、俺の目の前に現れたのは、俺だった!?
その姿は、まさかに、鏡で見る俺の姿…?
「俺は、デミトラード、またの名を、鏡の虎」
「デミトラード…?」
「そそ、そして、ここに君がいることは、他の人たちは知らない…なぜならば、今ここにこれ
るのは、君だけだからだ」
何を言っているのかわからない…。
解釈すれば、するほど、深い。
「つまり、‘夢を見れない‘のだ」
「…ほぉ、で俺に何の用だ?」
なぜか、風が流れ、砂が舞う。
そして、二人の姿が、砂煙に消えると、なぜか、中心に魔法陣が現れる
「正統なる戦いの場を設けよう、ゴースト・キャッスルレベル一!!!」
ゴゴゴッッッ
と、大きい音が、周囲に響き渡り、二人の間に、どでかく、雲で見えなくなるぐらいの城がたつ。
そして、その城は、一瞬にして、消え、雲となり、二人を包む。
黒雲となり、二人以外近づけぬ世界となった。
そして、雪嘉の手に、二丁拳銃が現れる。
「さあ、始めよう!!!」
と、デミトラードが言った瞬間、彼は、雲に消えた。
「ッ…」
「そこっ!」
パキンッ!
と、音がする、そして、続いて
キンッキンッカキッンッキンキンッ
と、何度も何度も、はじく音や、こすれ合わさる音が鳴る。
「二丁拳銃をそこまで使いこなすか雪嘉くん」
「…あんたの武器、それじゃないんだろ?」
キンッキンッ
二人は、激しい拳銃の攻防を続ける。
ただし、一度も打っていない。
「それじゃあ、見せてあげよう、これが俺の武器だ 弾!」
そうデミトラードが言うと、彼の周囲に、何かが集まり、黒雲が、渦を巻く。
そして、その何かは、明らかとなった。
デミトラードの体を、何かがつつみ、さらに、黒雲が、その周りを囲むように渦を巻いた。
「…エネルギー充填!」
と、雪嘉が言うと、二丁拳銃は、周囲の大気を吸い込み、エネルギーを高め、光りだす。
そして、雪嘉は、デミトラードに総攻撃を仕掛けようと、ダッシュで、突っ込んだ。
まるで、その速さは、刹那のごとき速さだった。
だが、あと、一歩のところで、デミトラードに届かない。
彼を囲む黒雲が邪魔をしているのだ。
黒雲は、雪嘉を、デミトラードに身を近づけさせないと、跳ね返すように、雪嘉に攻撃を仕掛けてきた。
「くそっ、なんだこれっ」
黒雲は、雪嘉を包み込むと、持ち上げ、さらに、吹っ飛ばす。
その姿は、まさしく、巨人の手。
守護者にして、鉄壁の守りを誇っていた。
「これぐらいじゃないぞ?」
と、飛ばされた雪嘉の目の前に、眼にもとまらぬ速さで、デミトラードが近づいた。
そして、雪嘉は、ほぼバク宙状態で、拳銃のエネルギーで、ソードを作り、デミトラードに切りつける。
それを、よける動作せず、デミトラードが、近づいてくる。
普通なら、これで、首から上が、切れていたはずだった。
だが、雪嘉のソードは、彼の首から、‘弾かれた‘
「んなっ…」
と、雪嘉の目の前にデミトラードの手が近づいた。
そして、空撃が、雪嘉に襲いかかる。
「そこまでにしてもらいましょうか、デミトラード」
と、デミトラードの手が、雪嘉に触れる前に、その言葉で、ピタッと彼の手が止まる。
まさに、間一髪だ。
「…潤野 績か…」
「潤野 績!?」
突如現れた、その人物は、一躍有名人の、潤野 績だった!?




