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月夜譚 【No.101~No.200】

傀儡 【月夜譚No.111】

作者: 夏月七葉

 操り人形のような自分は、生きている価値などあるのだろうか。

 昔からそうだ。両親の決めた学校に進学し、言うなりに従って勉強をして、常に学年トップの成績を修めた。友人も親が駄目だと言えば縁を切り、仲良くしろと言えば笑顔で近づく。だから、心からの友人など自分にはいなかった。

 今は、やはり親が決めた大学で医者になるべく勉学に励んでいる。小さな頃から自分は医者になるのだと言い続けられて、自分でもそれが己の夢だと思っていた。

 けれど、最近思うのだ。自分の夢は何なのか。自分のやりたいことはどれなのか。考えれば考えるほど判らなくなって、でも考えることをやめられない。

 それもこれも、大学に入学して出会った同級生のせいだ。何も知らない笑顔で強引に自分を引っ張り回し、翻弄し、今まで気づかなかったことを気づかせる。

 知りたくなかった。こんなに苦しむのなら、知らない方が良かった。

 自分は両親の操り人形。そんな自分が生きていて良いのか、自分でも判らない。

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