日向家2
「調べることができた。ミサは大浴場で日向家から情報取集。陽介はついてこい」
「「了解」」
閉まりかけのエレベーターに入り込み、五人組の大将が乗ってきた階を押す
チンという音とともにエレベーターから走り出し、奥から二番目の部屋の前で、止まる
「鍵を解除しろ。」
「了解ぃ。しかし、紅葉様もスケベですねぇ。女の子の部屋に入ろうって」
カチカチと鍵をいじりながら、陽介が紅葉に言う
「女の部屋に入るのはまずいのか?」
「いいえ、ふった俺がまずかったです。」
ドアからかちりという音が鳴る。
「じゃ、開けますねぇ。」
「待て、微弱な呪力を感じる。トラップがおそらく仕掛けられている。この手は使いたくなかったが」
呪符を使い、ドアごと呪符に収納する
そして、部屋に入ると同時にドアを戻す
「最初からこれやればよかったんじゃ。」
「馬鹿言うな。呪力で入られたこと悟られてしまう。早急に取り掛かるぞ。アルバムか日記を見つけるんだ。入り込んだのがばれれば、家同士の衝突になりかねないから、できるだけ早く終わらせる」
「了解。でもなんでアルバムなんか」
「後で話す」
呪術の研究書なども携帯で写真に収める
そんなことをしていたら、
「ありました」
陽介がアルバムを発見した
「それは持ち帰るぞ」
「了解。」
俺は、陽介を抱え、窓から飛び出て自分の部屋に身体強化の呪符を使い飛び乗り、
そのアルバムを置いた。
そして、窓を開け飛び降りようとすると
「待ってください、待ってください。自分で降りれますから。そ、そうだ。俺、エレベーターで行きます。エレベーターのある階で不審に思うかもしれませんし」
「それは、エレベーターから降りた瞬間。屋上にエレベーターを行かせたから構わない」
「え、いつ?!」
「それより、時間がない。行くぞ。」
と陽介を抱えたまま、大浴場のある二階へ飛び降りた
「心臓に悪すぎです」
真っ青な顔をしながら、陽介が言う
「よし、卓球やるぞ、21対25からな」
「なんで卓球。そんな中途半端な数字で」
「呪力残してるんだから、風呂に入ってないのばれたらまずいだろ。」
「あの人女だからばれるわけないじゃないですか」
「五人組の大将いるの忘れてるだろお前」
あきれながら、陽介に言う
「あっ、・・・わかりましたよ。」
*
「し、失礼しまーす」
といって、ミサはタオルで体を隠しながら入る。
「あなたは、さっきの・・・さっきはごめんなさいね。いきなり失礼を。」
と湯船につかった日向がミサに気づく
『さっきと、態度全然違うなぁ』
とミサは思う
ミサが「あちち」といいながら、湯船につかる
「あなた、今、さっきと態度違うなって思ったでしょ」
「え、あ、いや」
「いいのよ。私、男の人が苦手なの。」
「そうなんですね。」
日向がミサに近づく
「うん、そっくりね。私の母親とうり二つだわ。あなたの母親の名前何て言うの?」
「・・・私に母親はいません。孤児なんです。紅葉様に拾われて」
「・・・ごめんなさい。変なことを聞いたわね。」
「いいですよ。私には家族がいますから」
「そう。」
にこやかにミサが答える
いわゆる、あごくいを、日向はミサにする
「あなた、かわいいわね。今夜私の部屋に来なさい」
「へ?」
カポーンという音が大浴場に鳴り響く