入学前
入学式前
桜道を従者二人と歩く。
ミサにの髪に花びらが絡み、取ってやると、
周りの視線が冷たいものとなってこちらを見る
「よぉ、あんたら、どこの所属の呪術師?」
下劣で見下すような目をした生徒がミサに話しかける
「あ、えっと、伊野家に」
とミサは俺の服をつかみ、おどおどしながら答える
「へぇ、あの最弱に」
ミサがぴくっと反応し、浮かれていた陽介の顔も険しくなる
「俺は、今最大の権力者。園川家の人間だ。そのような、下賤ななんでまだ残っているかわからくていつつぶれるかわからない伊野家なんて出て行って僕の愛人になりなりなよ」
けらけら笑いながら、権力自慢を語るが
ミサの冷たく殺意の持った目に「ひっ」と悲鳴を上げて、目が泳ぐ
「なぁ、君、こんな公衆の面前で所属を明かすのはよくないと思うよ。暗殺されかねない」
と陽介が発した声を紅葉が「やめろ」と静止させた
「行くぞ。」
戸惑う男を横切り、学校へと歩く
「ミサ、よく我慢した。せっかく慕ってくれてるのに、情けないな俺は」
紅葉がミサの頭をなでながら言う
「情けなくなんかありませんよ。紅葉様は私のヒーローですから。」
と俯きながら続いて答える
「でも、私、紅葉様のことを馬鹿にされてたら、多分、耐えられませんでした」
ミサが泣きそうな目をしている
「あいつなんて耐えられずに、言い返したからな」
陽介を指さしながら慰める
「え、いや、あの・・・、すみません。」
陽介が頭をかきながら謝罪する
「冗談だ。あれがなかったら、あれを躱せなかった。感謝している。」
「・・・もーやめてくださいよー。マジで今焦りました。」
陽介が安堵し、しゃがむ
その姿を見て、ミサがプッと笑う
「陽介さんは、忍耐力が足りないんですよ」
ミサが冗談交じりで陽介をいじる
「なにをー、ミサちゃんなんてすごい形相してたくせに。こんな風に」
陽介がミサの真似をして顔を強張らせる
それを見たミサは「私こんな不細工な顔してましたぁ!?」というと
陽介が燃え尽きてしまった
「ハハ、安心しろ。こんな顔じゃなかったぞ」
「よかったぁ」
「ちょ、紅葉様までぇ」
と陽介は嘆いてしまった
「だが、今後は反論禁止だ。何が争いを生むかわからない」
「「了解しました」」
などと、話しながら歩いていると学校についた
「気を引き締めるぞ」