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初恋とヘンテコなお婆さん  作者: 神崎朔弥
初恋とヘンテコなお婆さん
9/11

その6





そして、帰国すると、真君は笑って迎えてくれた。そして、1枚のCD渡してきた。そのとき、真君は真顔だった。


「それを聞いてほしい。」


そう言った後は、いつもの真君に戻っていた。


家に帰り、真君から貰ったCDをさっそく聞こうとすると、


「彩歌、これを聞いて、嫌な思いをさせたら、悪い。」


と、真君の声が最初に入っていった。最初はなんのことかわからなかった。でも、聞いていくうちに、これが、前世で私が死んだ後の夫の様子だった。どんなに酒を飲んでも、最後は、


「サキ、愛している。」


と、悲しく呟いていた。そして、最後には、私が好きだった歌を歌っていた。


私は、途中から聞くこと嫌になっていた。彼のこんな姿を聞きたくなかった。


私は真君に聞いたことを告げると、


「悪かったな。」


と言って、どこかへ行ってしまった。私は、追いかける事ができなかった。数日後、、昔のミュージシャンの歴史を特集する番組が始まった。


トップバッターは、シン・ロードだった。バンド結成の秘密など、細かい情報も公開されていた。そして、私との結婚生活も記録していた。


そして、私が病気になったあたりから、暗い内容が始まった。私が知らないうちから、彼の生活が乱れていった。


そうして、私が死亡してからもっと、乱れていった。


そうして、真君から貰ったCDの映像が流れていった。段々弱っていく彼を見て、私は、涙が止まらなかった。何度も何度も、


「サキ、愛しているよ。」


と、言っていた。


「私も愛しているよ。」


私は、画面を通して言うことしか出来なかった。


 翌日、私は真君を探した。だが、見つからなかった。私は、後悔していた。あの時、引き留めなかった私に対して。


それから数日後、やっと会うことが出来た。


「アメリカに行って、墓参りに行ってきたんだ。お前の命日が近づいてきたからな。」


そう言って、真君は寂しそうな表情をしていた。そうして、


「サキ、愛してる。」


と言って、去ろうとした。ここで引き留めなければ、と思い


「シン、愛してるよ。」


と言えば、真君は私を抱き締めた。


「サキ、何で先に逝っちゃったんだよ。俺、滅茶苦茶寂しかったんだぞ。」


真君は顔を真っ赤にしなかがら泣いていた。


「ごめんね。愛しているよ。」


と、言うしか出来なかった。真君は泣き止むとと、違う意味で、真っ赤になっていた。そこに学君が来て、慌てていた。

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