その5
そんな時、学君が前世の地に行きたいいと言い出した。
私の事も連れていきたいといつものカフェで言い出した。
私と新君は、ポカンとしてしまった。
「サキのお墓参りにもいきたいし、色々巡って行きたいんだ。もちろん、彩歌が嫌であれば、僕は一人でも行ってくるよ。」
自分のお墓参りかぁ。気が進まない。けれど、旦那さんのお墓参りもできるのか。私は迷ってしまった。すると、
「迷っているなら、学と一緒に行ってこい。」
そう、真君が言ってくれた。
「これから、俺たちは就職なんだりを考えていいかなきゃいけないんだ。行くなら今何じゃないのか?」
いつもチャラけしている真君が真剣に、そう伝えてきた。私も、同様の事をに考えられるようになり、
「学君、一緒に行こう!」
と、伝えた。
「ありがとう。僕のわがままのために。」
学君は、本当に嬉しそうだった。
旅行に行く日程は直ぐに決まった。外せない講義を考えるとその日しかなかった。
そうして今日、私の前世の町についた。そして、墓地につくと、大きな墓石があった。そこには、世界戦争で民間兵士として出兵した人々の慰霊のために造られたと書いてあった。そこには、ロンの名前も刻まれていた。私は前世の記憶を思い出し、泣いていた。次に私の墓を探した。
すると、サキ・アロンと書かれた墓があった。それを見て、学君は泣いていた。
「ありがとう。ずっと僕の妻でいてくれたんだな。」
「そうだよ。失礼だな。」
そう言って笑っていると、
「アランの家の墓で何を笑っている。
」
と、高齢の女性に言われた。
「すみません。サキが結婚しないで、一生をとげているなんて、思っていなかったんですよ。」
すると急に
「これを作った、サキという女性は、あなたなのか?」
そう言って、あるものを渡してきた。それは、私がロンのために作ったお守りだった。
「前世で、旦那のために作りました。前世はサキでした。」
そう言うと、高齢の女性は、泣き出した。
「これは、代々アラン家の女性が持つことになっていたんです。このお守りは夫婦円満の秘訣になったんです。私も、幸せな結婚生活を送っていましたよ。今度、孫が結婚するので、渡しますよ。」
そう言って、高齢の女性は帰って行った。
帰る途中、あのヘンテコなお婆さんにお礼をしなきゃね。
そう言った。