その3
過去夢を見たあとは、涙が止まらなかった。
どちらも、夫や旦那を愛していたことがわかる。
そうして、私も愛していることが分かった。
そして、もう一度会いたいと思ってしまった。
でも、現実では死んでいるため、会うことができない。
そして、また泣いてしまった。
そして、日曜日になり、また暇を持て余していると、また
「来週の日曜日、丘の大きな木の下で待っていろ。運命の相手がやってくるぞ。」
と、ヘンテコな姿のお婆さんに、また変なことを言われてしまった。
「10時だからな。」
また、念を押すように話しかけてきた。
そして、次の瞬間にはいなくなってしまった。
ヘンテコなお婆さんが指定した、日曜日の10時に、丘の大きな木の下で待っていた。
絶対に誰も来ないでしょうなんて思っていたら、若い男性二人がやって来た。
二人は私の姿を見て、
「ヘンテコなお婆さんにでも言われたのか?」
と、一人の男性が聞いてきた。
「そうですよ。半信半疑だったんですけど、まさか本当に、来るとは思っていなかったんです。」
そう言うと、
「私もそうですよ。彼が一緒に行くか?と聞いてきたので、一緒に来たんです。」
と、優しそうに話した。
少しほのぼのしたときだった。
「3人とも、集まってもらったわけを聞かせよう。」
突然、ヘンテコなお婆さんが現れた。そして、
「お前たち3人には、それなりに共通点があるのだよ。最近、過去夢を見るようになっただろう?そうして、私に会って、このような場所に来たんだろう。」
私は、その通りだと思った。
でも、彼らも同じようだったのか、不思議だった。
そうすると、彼らはハッとした表情になった。
「彩歌、この二人が、過去夢で見た、旦那と夫だよ。」
私はその話を聞いて、ハッとした。
そして、涙があふれてきた。
どちらかが、ロン・アロンで、シン・ロードなんだと。
「ロンとシンなの?」
私は涙を流しながら聞くと、
「俺が、シン・ロード。シンだ。」
「私が、ロン・アロン。ロンです。」
と、二人とも涙目になっていた。
「私は、サキだよ。」
そう言うと、3人で抱き締めあっていた。
過去夢では、共通して「サキ」という名前だった。
「この出会いが、良い出会いになるといいのだけどな。」
そう言って、ヘンテコなお婆さんは消えていった。
私たちは、お互いに連絡先を交換しあった。
そして、友人としてやっていこうと話し合った。
彼らの名前は、ロンが学君で、シンが真君だった。
どちらも大学生らしい。
私が高校3年生だということを二人ともビックリしていた。