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初恋とヘンテコなお婆さん  作者: 神崎朔弥
初恋とヘンテコなお婆さん
3/11

その2の2


-


彼は、有名なミュージシャンだ。私はただのファンだった。


今思えば、キセキのようだった。


それは、ファンミーティングに参加したときだった。


数名限定で、メンバーと握手できるという、当たりが入っているというくじを引くと、まさかの当たりくじだった。


私は、見つからないように隠した。


いつも、画面からや遠くからしか見えていない彼が、目の前にいた。


あまりの感動に、涙が止まらなかった。


彼は回りに隠して、あるカードを差し出してくれて、「ありがとう」と言われた。


私は、くしゃくしゃになった顔で、「大好き」と伝えた。


カードには、いくつかの個人情報が書かれていた。


私は、ウソや他の人にも渡していると思い、特になにもしなかった。


それからすぐにライブがあり、チケットは入手できた。


また、彼に会えるんだと思い、ワクワクしていた。


ライブ当日、会場に入ると、前回とは違う雰囲気を感じた。


誰かを探しているようだった。


まぁ、私には関係ないと思っていると、一人の警備員に声をかけられた。


そうすると、前回のファンミーティングに参加しましたか?握手券を当てて、誰かと握手しましたか?と謎の質問をうけて、答えると、「やっと会えました」と警備員さんは興奮していた。


よく分からずにいると、落ち着きを取り戻して、「こちらに来てください」と言われ、会場の裏側に連れてこられた。


すると、彼の名前が書かれた部屋の前にたち、警備員がノックすると、彼の声が聞こえてきた。


そして、、警備員が扉を開けると、そこにはセット前の彼がいた。


「部屋に入ってくれ。」



そう言われ、ドキドキが最高潮で動く事が困難になりそうだった。


そうすると彼が腕を掴み、強制的に部屋に入れられた。


そうすると、彼は警備員に出ていくように話をした。


私は彼に抱きしめられながら、あたふたしていると、


「何で、何の連絡先にも連絡しないんだよ。俺はずっと待ったんだぞ。」


彼の目からは真剣さが伝わってきた。


「遊ばれているのかや、各地方に彼女がいるのではないかと思ってしまい、勇気が出ませんでした。」


私はそう言うしかできなかった。


彼は、私の発言を聞いて、頭が下がっていた。


「そうか。それで、俺に連絡が来なかったのか。」


シュンとした彼は、残念がっていた。彼は、切り替え、私に携帯を出すように言うと、連絡先を入力し始めた。


「これで、連絡できると思う。」


そう言って、満足そうにしていた。


私は、どうしてそこまで、連絡先を知りたかったのか分からずにいると、


「俺がどうして、連絡先を交換したかったか分からずにいたんだろう。それは、お前の事を知りたかったんだ。俺たちがまだ、インディーズ時代からファンでいてくれた。そして、メジャーになってからも、変わらずにファンでいてくれた。そして、俺のタイプなんだよ。」


確かに、このバンドの初期からのファン。


最初はファンが数人しかいなかった。


私は、ファンクラブも一桁なのである。


このバンドは、方向性を決めて、それからぶれないのが、私が長年ファンをしている理由だったりした。


私は気がついてしまった。


最高の言葉に。


私の事がタイプなんて、死にそうになった。


「お前は、はじめてのライブから居てくれた。そして、とても楽しそうにしてれた。本当にうれしかった。そうしたら、お前の事しか考えられなくなった。恋愛感情でいっぱいになった。そして、この前のくじで俺に当たり、大好きと言ってくれた。もう、連絡先を交換したかったんだよ。」


そう言う彼は、とても照れていた。


私も照れていた。

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