その1
私は今まで恋愛をしたことがない。
仲良くしている男子もいるが、友人の一人としか思ったことがない。
現在18歳で高校生の私は、周りの恋愛話が理解できず、そういう話からは逃げていた。
よく、友人たちに紹介してもらっていたけど、よく分からなかった。
11月になり、周りは受験で忙しそうにしていた。
私は、すでに希望していた大学には合格している。
まぁ、指定校推薦だったために、早く受験していた。
先生からは、よっぽどの事がなければ、合格したも同然と言われていたから、面接は少しだけ余裕があって、スムーズに行うことができた。
数日後、結果がネット上に表示されていた。
もちろん、合格していた。
幼い頃から思っていた職業に一歩前進している。
それがとてもうれしかった。
とある日曜日、私は暇をもて余していた。
外に出て歩いていると、ヘンテコ姿のおばあさんに、
「そこの彼女、もう少しで二人の愛する男性に会うぞ。」
「えっ、それって予言?」
そう言って、お婆さんは笑いながら、どこかに消えてしまった。
その夜から、夢の内容ががらりと変わった。
今までは、あまり夢を見なかったりしていたのに、今日からは、全く違う夢だった。
今までは、物語を見ていると言う感じだったのが、自分が主役となり、行っていると言う感じになっていた。
夢はただの夢ではなかった。
夢には2通りあり、どちらも恋愛の内容だった。
私は急にヘンテコなお婆さんの
「もう少しで二人の愛する男性に会うぞ。」
言葉を思い出していた。
これが、本物の過去夢だと確信した。
なぜなら、偽りではないことを証明する、歴史があった。
そして、私たちのお墓があった。嬉しくなった事があった。
それは誰かが今でも私たちを忘れていないことだ。