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9 望月空には秘密があるらしい

 カーテンを開けて窓の外を見てみると、雲がほとんどない快晴だった。

 私の気持ちとは正反対だ。

 今日私は望月先輩に訊きにいく。

――なずなさんとは何があったのだと。

 朝ごはんをいつもより早く食べ、


「いってきまーす」


 と天と真琴より先に家を出た。


「あれ? 今日は早いね~」


 と天はのんきに言っている。


「おい、早く天も支度しろ。後10分で僕たちも行かないと遅刻しちゃうぞ」


 と真琴がせかすが天は全く動じない。

 っと、見ている場合じゃなかった。早く行かないと望月先輩にあの事を聞けないじゃないか。


    *     *     *


 いつもより早く学校に着いた私はさっさと必要なものを机に移し高等部へと向かった。

 高等部に行くと真琴もいた。そういえば真琴も望月先輩と同じクラスだったな。

 2人は隣同士からか談笑とまではいかないが、そこそこ楽しそうに話していた。

 ……羨ましいなんて思ってないしっ。

 とりあえず、望月先輩を呼び出さなくては。私は近くにいた先輩に


「あの、望月先輩呼んでくれませんか?」


 と頼んだ。少し緊張したけど。

 その人は少しびっくりしたようだったが望月先輩を呼んできてくれた。


「ちょっとここじゃ話しづらいので」


 そう断って人通りの少ない所に連れ出す。

 ……なんだか告白みたいだと思ってしまったが頭を振って考えを打ち消す。

 もうここら辺なら他の人に聞かれないかなと思ったところで話を再開した。


「望月先輩、あの間違っていたらごめんなさい。なずなさんのことなんですけど……」


 少しためらってしまうもののしっかり言わなくては伝わらない。


「なずなさんと昔何かあったんですか?」


 私の言葉に望月先輩は大きく目を見開いた気がした。


「……なんで、なずなの事、知っている?」


 なんでって前あったからに決まっている。

 あれ? 前会ったっていつの事?

 というかなずなって誰?

 そんな感情が渦を巻き目の前が黒く塗りつぶされていく気がした。


「翼、大丈夫かっ!?」


 この真琴の声が私の意識があるときに聞いた最後の言葉だった。


 目を開けると薄汚れた昔は白かったであろう天井が目に入った。周りを見回して見ると、どうやらここは保健室で私はベッドに寝かされているらしい。


「目、覚めた?」


 そう言ってこちらをカーテンの間から覗くのは天だった。どうやら真琴と望月先輩はいないっぽい。


「なんで、天がここに?」


 私の疑問は


「真琴から連絡あってね。翼ちゃんがもしかしたら告白するかもしれないって言われたもんで急いできちゃった」


 と天が答えてくれたので解消した。


「とりあえず、この薬を飲みなっ。気分悪いのまだ治ってなさそうだし」


 天の手には薬らしきものがあった。


「うん、そうする」


 私は素直に受け取り、薬を飲んだ。

 少ししたら薬の副作用なのか眠くなってきた。

 数秒後、私は深い眠りにとらわれた。


    *     *     *


 何とか翼の記憶も消す事ができた。

 空の記憶を消しても翼から聞いてしまえば思い出してしまうかもしれない。

 なずなの事を口にしたときには肝が冷えたが何とか大丈夫だった様だ。

 しかし、あんなところにあいつらが隠れているとは思わなかった。

 見つからなかった事を幸運に思おう。

 それにしても空の心がどうやら動き始めたようだ。

 しかも、翼のほうに。

 何とかして主のほうに動かさなくては。

 あせる気持ちを抑え私は次の作戦を練った。

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