22 天は帰らないつもりらしい
「ただいま」
「おかえりっ」
「おかえり」
家に帰ると二人は既に家の中にいた。
しかも既に夕飯の準備。
ご飯は赤飯である。
「まあ、空の記憶を覗いた時点で翼に気があるのは分かってたけどねー。それにしてもめでたい!」
「僕もすごく嬉しいぞ! 今日は特別に赤飯だ!」
二人はまるで自分のことのように喜んでくれた。
そのことがすごく嬉しい。
「ありがとう、二人とも」
私はそう言って席に着く。
いつもより少し早いが、どれも真琴が作ってくれた料理がおいしそうで、早めに食べたいと思ってしまった。
真琴って性格は男っぽいけど意外と料理できるよなあ。
「おいっ、何気なく失礼じゃないか! それ!」
あ、ばれた。
「ばれた、じゃない!」
拗ねたように言う真琴。
……ちょっと可愛い。
こう考えると天と真琴って反対だよなあ。
天は女子力高そうに見えるけどほぼ私たちに任せっきりだし。
「二人とも、早く食べよ!」
あれ?
やっぱり違和感。
天、いつもだったらこんなこと考えたら怒るはずなのに……。
「あれ、翼どうしたの?」
不思議そうに首をかしげる天。
もしかして、
「天、もう心読めない?」
私は思ったままのことを口に出す。
「うん、そうなんだよ。規則は変えてもらえたけど、やっぱりそれじゃ不公平だから天使の能力は没収されちゃった。だからしばらくは不便かも」
日常会話の延長戦のように軽く言う。
「でも、翼と一緒って考えるとそんなに苦でもないんだよねー。慣れるのに時間はかかるからめんどくさいとは思うけど、嫌だとは思わないなあ」
特に無理している様子もない。
「というわけでこれからは主従関係ではなく、人間として友達の天ってことでお願いします」
冗談っぽく敬語の天に、
「元々天は友達関係みたいな口調だったよ」
と冗談っぽく返す。
「もちろん、真琴もね」
「あ、ありがとう」
真琴に向って言うと、真琴は照れたように返してきた。
これから始まる生活は今まで以上に楽しくなりそうだ。
私は今日起こったことを思い出して微笑んでしまった。
これで本編終了です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
また、まだ短編も更新する予定なのでもしよければ読んでください。




