表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/28

20 空は昔翼に会ったことがあるらしい(空視点・過去編)

 僕がはじめて彼女にあったのは、小学六年生の頃。

 お母さんの実家に帰った時、いとこと一緒に公園へ遊びにいった。

 遊具を取り合って喧嘩していとこは先に帰ってしまった。

 ほとんど来ない町なので、どっちに行ったらいいか分からない。

 心細くなり、呆然と立っていた時、彼女にあった。

 彼女は恐る恐るといった感じで話しかけてきた。


「あの、どうしたの……?」


 彼女はすぐに僕のことを迷子だと分かったらしく、案内してくれた。


「あの家なら有名だよ。すっごく大きい家だもん」


 いとこの名前を言うと、その子はすぐに分かったようで案内してくれた。

 家に帰ると、いとこは泣きそうな顔で謝ってくれた。

 おばさんは、僕と彼女の姿を見て、


「ありがとね、もしかして同じ町内の小池さんの子?」

「はい、小池翼です」


 そうハキハキと名乗った彼女の瞳はとてもきれいだなと思ったのを今でも覚えている。


「では、私もう帰りますね」


 そういって走り去っていった彼女を見送り僕は家の中に入った。


 その二年後、僕は彼女とあった。

 今回は立場は逆だったけど。

 しかし彼女は僕のことを覚えていなかったようだ。

 でも、いい。

 元々同じ学園に入るとは思ってなかったし、予想外の幸せだ。

 ここは私立だし、そこそこお金がかかる。

 彼女は普通の家らしいし、中学は公立に行くと思っていたから。

 しかもあそこから紅葉学園は3駅かかる。

 もしかしたらあの後引っ越したのかもしれないけど。

 だから、彼女がここに来たのは奇跡といってもいいだろう。


 廊下でしかすれ違うことはなかったが、いつも彼女は友達と笑っていた。

 委員会や部活は入ってないようだが、ボランティアをたくさんして表彰されていた。

 声はかけられないけれど、そんな姿を見て満たされた思いになる。


 いつか、もう少し仲良くなったら、伝えたい。

 あの時のお礼と――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ