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2 私の家には天使と悪魔が引っ越してくるらしい

「ただいまー」


 いつもどおり、玄関の扉を開けつぶやいた言葉は自分の耳にむなしく聞こえるだけで反応はない。なぜならこの家には今、私しかいないはずだからだ。しかし、


「おお、来たね。翼! 今日から住むことになった天使だよっ」

「翼さん、また天使が迷惑かけてすみません……」


 声が聞こえてきた。あれ? この声どこかで聞いたことがあるような……。


「だーかーらー。天使だよっ。あの泉にいた!」


 そう、たしか天使と悪魔の2人組みだったような……。


「って、何でここにいるの?」

「んー? 何でって言われても……。恋を応援するため?」

「何で疑問系!? それにここにいても意味ないよね?」


 好きな人とは接点が学校くらいしかない。

 塾は私が行ってないし、学年が違うからもちろんクラスも別だ。

 前までは廊下ですれ違っていたが、相手は高等部に進学し、校舎も別のため学校ですらあまり会えない。


「だいじょーぶ! 私たちも翼と一緒の学校に転校するからっ」


 何の疑問もないような自信満々な態度で言った。


「いやいや、無理でしょ!? 大体手続きはどうやったの」

「そこらへんは天使の力で。よゆーだったよ」


 どうやら天使の力はこんな事もできてしまうらしい。もうしょうがない。しかし制服はいいとして、名前はどうするんだろうか。さすがに天使と悪魔じゃあやしまれるだろう。


「だいじょーぶだよ! 名前はもう決めているから」


 どうやらそこらへんも大丈夫らしい。どんな名前だろう?


「それはね、後でのお楽しみっ」


 ちょっと気になるが、まあいいだろう。


「あのさ、天使。私のクラスに入るの?」

「私は翼のクラスだよ。でも悪魔は高校の方。ちなみに悪魔の名前は先に言っておくよ。悪魔の名前はね」

「悪魔の名前は?」

「山下亜久真だよっ」

「それ、完全にアウトでしょっ。今すぐ変えなさい! 天使もそんな名前?」


 もしかしたら天使も天志とか天子とかかも……。


「まあ、教えてあげるよ。私は谷口天思だよ」

「天使も変えなさい! 名前」


 思わずびっくりしてしまった。ただの当て字じゃないか。


 結局天使の名前は谷口天。悪魔の名前は山下真琴になった。

 こんなんで学校、大丈夫だろうか……。

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