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17 山下真琴は実はすごい悪魔らしい

「なんで!? せっかく告白のチャンスだったのにっ」


 私が帰宅し、天にさっきのことを話すと天はいきなり怒り出した。


「だって、聞いちゃったんだもん。……天使のルール」


 天は驚いたように目を見開き、


「何のルール?」


 ときいてきた。


「天使は、告白して成功したら消えちゃうんでしょ? 聞いたんだよ、ある人に」

「確かにそうだけど……そっちのほうが翼はいいでしょ? 私がいなくなったほうがいいでしょ?」


 天は淡々とした表情で言った。

 確かに、最初はそう思っていた。

 天なんかいないほうがいいって。

 けれど、今は違う。私は天にここにいてほしいと思う。


「だって、天がいなくなるの、寂しいもん」


 私は小さな声で言う。


「とにかく、今すぐ告白してきてっ」


 もしかして、天は私のことが嫌いなのだろうか?

 私と暮らすのは、いやなんだろうか?


「天は私のこと、嫌いなの?」


 不意に出てしまったその言葉。

 言わなきゃよかったと後悔するが出てしまった言葉はもう戻せない。


「私は翼の事、嫌いじゃないよ」


 返ってきたのは優しい言葉。

 普段見たことがないような優しい表情で天は続ける。


「私は、翼のこと友達……ううん親友だと思ってる。親友の恋愛を応援するのは当たり前でしょ? たとえ私が消えても、翼の恋は叶って欲しいから」


 でも私は天に消えて欲しくなんかない。


「なんかいい方法はないの?」


 天が消えず、私が告白できる方法。

 すると天はさも名案を思いついたとばかりに顔を輝かせた。


「そうだっ! 真琴だ。真琴に頼めばいいんだ!」


 真琴?

 何で真琴に頼めばいいんだろう。


「とにかく任せて!」


 天が安心してというように胸をたたくとどこかに電話し始めた。

 きっと真琴だろう。


     *     *     *


 夕飯の時、真琴はいなかった。


「真琴、どこにいるの」


 と天に尋ねると


「こことは別の世界だよっ」


 と返ってきた。

 どうやら天と真琴が生まれた世界らしい。


「そういえば真琴になに頼んだの」


 私は疑問に思っていた事を訊く。


「うーん、教えてもいいのかな? まあいいか。真琴はね」


 そこで一度止めていたずらをする時のような顔をした。

 つまり、悪い事なんだろうな……。


「天使のルールを改定するように頼みに行ってもらったんだよっ」


 天使のルールを改定?

 つまり、天の個人的な意見で全体の意見を改定してもらうってことだよね。

 ……いいのかなあ。

 そんな私の心を読んでか天は補足説明をしてくれた。


「まあ、ちょっと違うけど。改定じゃなくて私達だけ特例にしてもらおうかと」


 それは認められないでしょ。


「大丈夫だよ。真琴の力があれば、ね」


 「真琴の力」を強調して言った。

 真琴の力は確か物を動かせるとかそんな感じだったはず。

 それが役に立つ?


「違うよ。真琴の生い立ちと言ったほうが正しいかな」


 真琴の生い立ちかあ。

 そういえば全然知らない。


「ねえ、真琴の生い立ちって聞いてみたい!」


 私の言葉に天は


「真琴に許可とってからね」


 といいつつも話したくてたまらない様子で真琴に電話をかけた。

 数分ほど話すのを待っている間も私は少しソワソワしていた。


「オッケーもらったよ!」


 天がそういって話し出したのはこんな話だった。


     *     *     *


 真琴は、はじめは普通の天使だった。

 ところがある時、天使の国で一番大きなテロが起こった。

 そのテロは大変たくさんの人が参加しており、その人達は皆倒されて終焉を迎えた。

 真琴の両親もそのテロに参加していた。

 天使の長は真琴や、真琴のような両親どちらもがテロに参加していた子供を危険と判断し、悪魔界に送る事にした。

 それにより真琴は悪魔となったのである。


     *     *     *


 つまり、真琴は元天使……?


「うん、そういうことになるね」


 あっけらかんと天は言う。

 私は意外と重い話に言葉が出てこない。

 しかし、最初の疑問が解消されてないことに気づき、質問した。


「そういえばさ、何で真琴が天使の国に行ったの? もしかして真琴の力と関係があるの」

「ああ、そのこと。あのね、天使の長はこういった子供たちを怖がってるんだっ。またテロを起こされたくないからね!」


 それっておどしじゃないの?


「そんな細かい事はいーの。それに規則を破るならそれなりの覚悟できてるよっ」


 いや、だめだろう。人間的に。


「それに、あの規則は守らない人結構多いよ? 私はただ許可取りに行っただけだし」


 まあ、このまま勝負をしても勝てないだろうし黙っとこう。

 そのまま数分が過ぎると、私の部屋のドアが開いた。

 そこから顔を出したのは真琴だった。


「おかえり、真琴。返事どうだった?」

「おかえりっ。返事もちろん、イエスだよね?」


 私、天の順番に声をかけると真琴は、


「ちょっとここじゃ話せないから天、外に散歩に行かないか?」


 どうやらここで話せない事情があるらしいので、外に散歩に行くらしい。

 じゃあ、私はここで待ってるか。


「いってらっしゃい」


 その言葉と共に二人は散歩に行った。

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