表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/28

13 文化祭の二日目が開催されているらしい

 文化祭二日目。

 今日は主に真琴のクラスの映画を見に行く予定だ。

 しかも真琴が当番の時に。

 本当は昨日だけにするつもりだったけど、天に「真琴を冷やかしに行こうよ!」と提案されたので乗らない手はない。


「文化祭、楽しみだな」


 ついついひとり言がもれてしまう。

 あと少ししたら行く時間だ。


「天ー、そろそろ行くよ?」


 そう天の部屋に向かって呼びかけると


「はいはーい、今行くよ」


 と返ってきた。

 いつもは三人で行くが、真琴はもう学校に行っているので二人でいく。


「楽しみだね。文化祭」


 天はよほど楽しみなのか何回も同じことを言っている。

 まあ、確かに楽しみだが。


     *     *     *


 学校に着くと、天は初日と同じ位嬉しそうな表情を浮かべている。


「翼も私と同じ位頬が緩んでるよ」


 そう指摘されて私は慌てて表情を引き締めた。

 去年は友達は誰も行かなかったので特に興味もなかったが、意外と楽しい。


「それより早く映画館に行こう」


 なんだか少し恥ずかしかったのでごまかして天の手を引っ張り真琴のクラスに急いだ。


     *     *     *


「いらっしゃいませー、って天と翼か」


 真琴のクラスに入ると真琴が接客していた。


「……いらっしゃい」


 あと、空先輩も。


「で、子供二人ね。二百円です」

「はい、これでいい?」


 私は百円玉2枚を真琴に渡す。

 それを確認して


「はい、ちょうど頂きました。では中でお待ちください。あと十分程で上演します」


 私達は軽く黒いカーテンで仕切られた部屋へ案内された。

 なんか、普段の真琴を知っているからか接客モードの彼女は何だか面白い。


「だって、この口調で接客するわけにもいかないだろう」


 真琴は心を読んだのか小声で突っ込んできた。

 確かにそうだ。


 中はスクリーンと椅子が何脚か並べられていた。

 意外と本格的だなあ。


「すごいね、翼」


 天も感心しながら周りを見回している。


「では、そろそろ上演いたします。上演中はお静かにお願いします」


 というアナウンスが流れ私達は素直に席に着き映画を観た。


     *     *     *


「あれ? もしかして凛?」


 急に天がそんな言葉をつぶやいたのは映画館から出てすぐの事だった。

 凛と呼ばれた少女は


「あ、天。お久しぶり。元気にしてた?」


 とよそよそしい笑顔を浮かべる。


「うん、凛も元気そうで何よりだよっ」


 天はそんなのお構いなしに笑った。


「ごめん、天。実はアタシ、用があるんだ。だからこの人間の子と文化祭楽しんで」


 人間の子? ここには人間しかいないはずじゃ。

 そんな私の思いを読み取ってか天は


「実は凛は天使だよっ。しかも私みたいに人の恋を叶えるための天使」


 へえ。天使ってそういうもんなのか。


「そういえば凛の主って誰? 私は隣にいる翼だけど」


 天が質問すると


「それは秘密」

「そういえば凛は昔から秘密すきだよね~。分かった、じゃあまたね」


 と返ってきたので天は案外あっさり引いて校舎内から出た。


     *     *     *


 凛さんと別れてから私達はおなかがすいたので何か食べる事にした。


「ねえ、たこ焼き食べたい!」


 急に天がそう言い、近くにあった屋台へダッシュしたその時

――ドスッ

 と誰かにぶつかった。


「痛いなあ」


 とぶつぶつ言いながらも立ち上がった天。

 と言うか天が走ったから悪いでしょ。

 相手は普通に歩いていたよ。


「まったく、自己チューなのはいつまでたっても変わらないんだな」


 ぶつかった相手が口を開く。

 この口ぶりは天のことをよく知っているとでも言いたげである。

 言葉はきついが、表情は怒っているわけではなさそうだ。


「あれ? 蘭じゃん」


 どうやら知人らしい。


「ねえ、この人誰?」


 不審に思った私が訊くと天は


「蘭だよっ。この子も天使。私と同じ類のね」


 つまり主がいるってことか。


「そうそう」


 私の心を勝手に読み、頷いている天。


「ところであんたらも今からご飯か? 私と一緒に食べないか?」

「おお、うんそうしよう。じゃあ、たこ焼き買ってくるっ」


 どうやら勝手にことを進め、たこ焼きをすごいスピードで買いにいった。

 周りの人はすごいびっくりしている。

 また、ぶつからないといいけど。


 天がたこ焼きを買ってきたので、私達はベンチに座りたこ焼きや焼きそばを食べた。


「そういえばさあ、さっき凛にもあったんだよね。この学園には恋をしている人が多いのかなあ」


 たこ焼きをたこと衣に分けて食べる天。どんだけ器用なんだ……。


「さあな。まあこの文化祭に主が来ているからいるって可能性も捨てられないが」


 蘭さんは焼きそばを一本ずつ器用に左手でつかんでいる。……天使には器用な人が多いのかな?


「確かにそれもありそうですね」


 私は普通にたこ焼きをガブッと噛み付いてから答えた。


「ところで翼ちゃん、変わった食べ方をするんだな。たこ焼きを丸ごと食べるなんて……」


 いや、おかしいのは二人の食べ方だっ!

 そうだよね?

 天使と人間の違いを感じながら私たちはそれぞれの昼食を食べた。


 昼食の後、


「私は用事があるから」


 と言う蘭さんと別れ、また二人になった。


「翼、今日はそろそろ帰ろうか」


 まだ時間は残っている。けれどもう疲れた。


「そうだね、帰ろうか」


 こうして私たちの文化祭は終わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ