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10 紅葉学園では八月に文化祭があるらしい

――文化祭

 私たちの学園では八月にある行事だ。

 紅葉学園は私立なので夏休みに登校して、三日間やる。

 しかし中等部は出し物をしなくていいので自由登校であるが……。(その代わり来る時は制服でこなくてはいけない)

 私は今まで一回も参加したことはない。もちろん今回も参加しないつもりだ。


「そういえばさ、この学校って文化祭八月にあるんだよね?」


 声がしたほうを向くとやっぱり天だった。

 もう馴染んでいるにやけ顔。そしてこのにやけ顔は私によくない事が起こる前兆だ。


「じゃあ、文化祭いこうか?」


 やっぱり……。もう反論しても無駄だ。どうせ結局は行くことになるんだから。


「分かったよ……」

「今日はやけに素直だね~。大丈夫、きっと翼にとっていいことなはずだから」


 いいことって何だろう? それよりも


「文化祭、いつ行く?」


 文化祭は三日間あるのだ。

 八月一日~八月三日の間。


「えっと、ちょっとまって」


 そういって天はぎゅっと目をつぶる。最近気付いたがこれは天の考えるときの癖だ。


「初日かな」


 つまり一日か。どうせ予定はないからいいけど。


「友達いないもんね……」


 天が哀れみの視線を向けてきた。

 う、うるさい! 別に友達いるし。

 って、このやり取り前もしたような……。


「気のせい、気のせい。じゃあ、予定空けておいてね~。まあ、入る事はないんだろうけど」

「それは私に友達いないと言いたいの?」

「うん――じゃなくてソンナコトナイヨー」


 普通にうんって言っているし、フォローも棒読みだよ?


「気のせい、気のせい」


 絶対気のせいじゃない。

 でも今はそれを言っている暇はない。

 天と言い合ったらきりがないし。


「じゃあ、早速予定を立てるか。早く帰るよ~。ついでに真琴も誘っとく」

「うん、じゃあ先行っているね」

「いや、翼が誘って来るんだよ? 私はここで待ってるから」


 あれ? おかしいなあ。

 さっきの口ぶりだと天がいくって言う意味だよね。

 何で私が行く事になっているの? しかも一人で?


「無理、一人は無理っ。私は人見知りなんだからっ」

「しょうがない、じゃあ私も行ってあげるよ」


 なんか私が悪いっていう口ぶりだけどおかしいよね?

 そんなこんなでなんとか真琴を誘い家に帰った。


    *     *     *


「文化祭に行きたいのか? まあ僕はどうせ行かなくてはいけないが」

「大丈夫! 初日だけだから」

「だが、初日が分担になったら行けないぞ?」

「じゃあ、初日にならないように魔法かけとく」


 当たり前のように魔法を使う天。

 魔法といっても呪文をつぶやいているようにしか見えない。

 そんな彼女を横目に見た後、真琴に向き直り


「真琴はなんかできないの? 魔法とか」

「僕? 一応出来るが……。天使や悪魔は基本なんかの魔法が使えるからな」

「どんなの?」

「例えば心が読めるとか、物を動かせるとか……。まあ物は無機物に限るが」


 意外だ。堕悪魔だと思ったのに……。


「堕悪魔っていうなっ。僕は普通の悪魔だっ!」


 そっか、心が読めたから分かったのか。まあわざとだけど。


「分かっていたならいうなよっ。これでも僕傷ついているんだから」


 それは、ごめん……。


「まあ、あやまってくれればいいけど」


 じゃあ、文化祭について話し合うか。


「急に話題変えようとしたなあ、今! 僕が許したからってなかったことにしようとしたよなっ」

「という訳で天、どうするの? どこまわる」

「僕を無視するなっ! はあ、どうせ僕なんか……」


 本格的に真琴が落ち込んでしまったので一応フォローしておこう。


「ごめん、ごめん。真琴の反応が面白くてついつい意地悪なこと言っちゃった。大丈夫だよ、堕悪魔以外は全部嘘だから」

「堕悪魔は本当ってことなのか……」


 余計落ち込んでしまった。天に助けを求めよう。

 そう思い天を見ると、天は分かったというように頷いた。


「そう、堕悪魔が本当って言うのは賛成だよっ。後は反対だけど……」

「そうか、そうなのか……。僕はだめな奴なのか」


 天はやっちゃった、みたいな顔をしているが絶対わざとだ。

 はじめて見た人は天が悪魔で真琴が天使に見えるだろう。


「なんかいっ――」

「本当かっ!? 僕、天使に見えるのか!?」


 天の言葉をさえぎって真琴は食いついた。


「うん、これは本当だけど……」

「そうなのか……。よかったよかった」


 急に笑顔になった。これなら文化祭の話進められる。


「ちなみにプランはもう考えたから今日は終わりっ」


 どうやらもう終わったようだ。

 私の部屋に来た意味ある?


「うん、まあね」


 天は照れくさそうに微笑んだ。珍しいな、天がこんな表情見せるなんて。


「じゃあ、文化祭まであと一週間あるからそれまではゆっくりしといてね」


 そういって自分の部屋に戻っていった。真琴と一緒に。

 ちなみに天と真琴はもうほとんど使っていない部屋に二人で使っているらしい。机とか、ベッドとかは魔法で出していると天がいっていた。

 とりあえず、一週間後のためにゆっくり休んどこう。

 私は大きく伸びをした。

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