4/6
雲雀はね
「雲雀先輩っ、これ、読んでください!」
「なに」
「あっ、あの、先日収容された者で…」
「それなに」
「あ、これ、ら、ラブレター、ですっ」
「ああ、要らない」
「え、」
「なに言ってんの。貰ってやんなよ」
「絶対いや」
「雲雀!」
「橘がなんと言おうといや。一枚貰ったらきりがない」
「そういう問題じゃねぇえ!」
「あ、あの、っいいんです!読んでもらわなくたって、」
「健気!」
「叫ばないで、橘」
「あ、あの、ありがとうございま、す!」
「…あ、ちょっと!」
「…部屋戻るよ」
「行っちゃったし」
「どうでもいい」
「お前さあ、そういうこと言うのやめたら。つめてぇじゃん」
「僕は冷たいんだよ」
「嘘つけ。優しいくせに」
「…寝言は寝て言ったら」
「ま、別にいいけど」
「…なんか腹立たしい」
(橘の前でラブレターなんて持ってこないで欲しいのに。傷付いたらどうしてくれるの)
「雲雀先輩は優しいもんな」
…バレてます、雲雀先輩!