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えーぶい
■みんなの談話室
西部の箱舟には幻の談話室がある。
そこには今や珍しい「てれび」とソファが置いてあって、在籍する生徒達がひっきりなしに利用する為、運が悪い生徒は利用できないまま卒業してしまうことも多々あるのだ。
そんな談話室を権威とカリスマで支配した男がいた―――。
「雲雀ぃ」
「なに」
「これなに」
「なんだろうね」
「女の人の裸が写ってるよ。しかもなんか自分で乳もんで、」
「前の人が観てたんでしょ」
「前の人って…奥田?」
「そうだねあのバカだね。橘、これ観る?」
「観ねぇよっ」
「観て勉強したら」
「お前なに言ってんの」
「別に他意はない」
「あるだろ!」
「まあいいから、ほら座って」
「いやあの、なんかマッチョ出てきた。これやばい、やばくね?」
「益々勉強になるんじゃない」
「いやならねぇ!絶対ならねぇ!」
「ちょっと静かにしてて」
「やだよ!なんかあんあん言ってるじゃん!」
「橘も言う?」
「うるせえ!」
「…あ、もうだめだ」
「はい?」
「限界」
「はい?」
「我慢できない」
「はああ?」
そこから半日、談話室は開かずの扉となった…