神様からみたら
悪ふざけえび
かみさまがほんとにいたら
「あーやっぱそっち選んじゃったかー」
「折角代わりを用意したのに、なかなかうまくいきませんね」
「俺だったら絶対白い方取るけどなー」
「あの子は美しくなるよう創りましたから」
「だろ?あんま綺麗になりすぎるから視力与えなかったのによー」
「彼女の目が開いて瞳が見えれば、修羅も恋に落ちたんじゃありませんか?」
「えーそんな簡単なもんかよ」
「修羅が選んだあの子だって眼で落としたようなものでしょ
」
「あぁ…まあねぇ。でもやっぱ修羅はあの女を選ぶんだろうなー」
「そうですね。白いあの子じゃ、修羅はきっと孤独のままだったでしょうから」
「あの女選んでも結末はあれだぞ?ひとりになってからも女の頭蓋骨抱いて幽鬼みたいに世界中さ迷って清浄の雨降らすなんて真似しやがって」
「…別に、本人がそう決めたなら構わないのでは?紆余曲折経ましたが、結局あの子達の願いは変わりませんでしたし」
「願いねぇ…」
「もし橘の生殖機能残してたら、結末はまだましだったと思うか?」
「さあ。…ただ、あの子の縫合だらけの体が出産に耐えられるかという新たな問題も出てきたでしょうがね。そして修羅が、危険を伴う彼女の妊娠を許すとは到底思えません」
「だよなあ。結局どう転んでも、あいつらにはお互いしかないってことか」
「ええ。…いいんじゃないですか。どれだけ苦しい環境に置かれても、些細なことで笑えることができるのが人間の逞しいところです。代表格が、あの子でしょう」
「だから修羅もこいにおちたってか」
「さあ、あれが恋などという淡く美しいものかは、私には判断できませんが」
「本人達が幸せならまあ、俺らが口出す問題じゃねーか」
「私達は駒と分岐点と結末を用意することしかできませんから。そこから何を選んでどこに進むかは、あの子達の自由です」
「人間っていいなー楽しそうで」
「では次は、あなたが人間にでもなります?」
「弱っちいからやだ。どうせならさー悪魔とか妖怪とか、そっち系になって人間と禁断の恋をする的な」
「愛がなにかもわかっていないあなたがなにに憧れてるんです。気持ち悪い」
「おま、気持ち悪いはないんじゃねーの?」
ちなみに雲雀が倫子の頭蓋骨連れ回すのは薄暗い感じの執着とか狂ったとかじゃなくて、ただ純粋に一緒にいたいからっていう可愛い理由から。
まあはたから見たら異質な美青年が頭蓋骨愛でてる姿なんて狂気の沙汰以外ないですけどね。
腐った肉も倫子のものならって平気でそのまま腐りきるまで見守ってそうだしね。
あれ…狂ってる…?