第一章 神様登場
第一章です なんて言いますか、文章拙くてすいません。徐々に改良していこうと思っております。頑張ります。
「暇だ…」俺、上坂シュウは暇だった。
現在、俺は高校一年生の夏休みで、一週間既目に入ろうとしている。
学校での宿題などはたくさんあったが、俺は嫌いな事は早く終わらせたいから、
3日程で全ての宿題を終わらせた。
おかげで、やるべき事を終わらせた充実感はあったが、趣味であるゲーム等も全てクリアした。おかげで、特に他にやりたいこともなく、本当に暇なのであった。
自室にて、ベットに寝そべりながら、何とも無しに無機質な天井を眺めていた。
そしてふと、頭の中で、小説の世界のファンタジーな光景が浮かんだ。
「何か、異世界でも行って楽しい事でも出来たらな…」
気つけば俺は、ぽつりと呟いていた。
その時、いつの間にか、天井に少女が居た。というか、浮いていた。
なんの手品かは全く分からない。
それは、天使の翼をはやしたコスプレっぽい女の子。
しかも、それは現実離れした可愛い少女。髪は白銀、目鼻立ちは良く、不適な笑みを浮かべている。
不法侵入とか、そういう次元のレベルを超しているので、why?どうして?なんでここに?と疑問がいくつも浮かぶもの、口はパクパクと動くだけで何も言葉にならなかった。
その少女は、笑顔で「今、異世界に行きたいっていいましたよね?」と言いながら、いつの間にか、俺の体の上に覆いかぶさるようにして、訪ねてきた。
色々と少女の柔らかい部分がプにプにと俺に当たってすんごい嬉し――と感触を楽しんでいるわけにはいかず、心の中でドキドキしつつ、少女をベットの隣に降ろしながら訪ねた。
「あ、ああ、まあ、それは言ったけど、君は一体なにものなんだ!?っていうかどこから入って来た!?」
すると、思い出したように少女は、
「あー自己紹介がまだでしたね!私は異世界の神、正確に言うと、とある小説の世界の神をやっています、名前は、人語で言うと、ニャミラルと言います」
と端的に言ったのだ。
「あ、どうも、上坂シュウ、高校一年生です」思わず、条件反射で俺も自己紹介をしてしまったが、今、なんていったのだこの少女は。
「え~と今さ、君は異世界、それも小説の神様って言ったのか?」
「はい、私は、小説の神様です!」
その白銀美少女は、ものすごいドヤ顔に満ち溢れていた。私は神様だと言われたその時の俺の心境は、夢ということで落ち着いた。
そう、これは夢だから、 神様があらわれてもしょうがないとむしろ開き直った。
現実逃避とも言うけども。改めこの美少女、自称神様のニャミラルに向き合う。
「えーと…それで、神様のニャミラルさんはどうして、俺の家に?」
「はい、先程異世界に行きたいと、シュウさんは言いましたでしょ、だから、私がシュウさんを異世界に行かせてあげる代わりに、その世界の神様になって頂きまして、その世界の秩序を守って頂きたいのですよ!」
「これ…笑う所?」
思わず、某文庫の主人公の台詞が飛び出てしまった。
フロイト先生も爆笑だ。
「いえ、私は至極真面目な話をしてるのですよ、これが」
「全然そうには見えないんですけど…」
突然出てきた正体不明の自称美少女神様をいきなり信じろと、言うのが俺には到底無理だったのだ。
「ん~説明するのも、面倒なので、とりあえず行ってみますか!」
「へ?行くってどこに?」
ニャミラルは、目の前に手を何ごとかを呟くと、何かの異空間への入り口、つまり某○えモンのゲートのような空間が出現した。
「え?え?」
「そんじゃまあ、異空間に出ーーー発!」
そして、戸惑っている俺を強引に引っ張りながら、その穴へと繰り出す。
「え、ちょまあああああてえええええ!?なんじゃこりゃあああ!?」
この中は、何か空洞になっているらしく、空中で下へ下へと落ちていく感じがした。それは、目の前がぐるんぐるんと目を回った。
小さい時に、よく体を自分で回転して遊んで頭が痛くなった、あの時と同じような感覚が一分ほど続いた。
そして、いつの間にか、そのゲートはどこかへの空間へと続いていることがなんとか分かった。
「はーい、到着しました!」
その穴は、やはりどこかの所に繋がっていたらしく、
から途中で放り出されたそこは、何もない空間であった。
ゲームでいうところチュートリアルの真っ白な箱のような空間だろうか。
先ほどから頭がぐるぐるしているので、頭を擦りつつ、周りを確かめる。
「ここは一体…それに君は何者だ?」
「もう、先ほどから言っているじゃないですか、私は異世界の、小説の中の神様、そんでもってここは、亜空間です」
そう、今までの現象をどう説明したらいいのだろうか、夢にしては余りに現実味があり過ぎたのだ。
俺が体験しているこれは、夢じゃない?
「夢じゃないのか、これは…」
「いやー残念ながら現実なのですよ、これがね」とニャミラルはニッコリと笑顔で、そう言った。
俺は、その笑顔を見てこれが夢じゃないのだと、確信した。
何故だかは、分からない。
例え夢でも、退屈な平凡な高校生活を送らなくて済むのならば、俺は楽しみだ。
生憎、友達も現実世界では少なく、家族も義理の妹なんてのもいないし、父親が一人単身赴任中の寂しい家庭だ。
だから、今の世界は特に俺にとって心残りはなかった。
「そうか、分かった」
「ふむ、えらい、顔つきが変わりましたね?もう少し混乱されるかな~と思ったのですが」
「確かに、混乱はしたさ、でも…」「でも?」
「何故か分からないけど、俺は今凄い、わくわくしてるんだ!」
「ほむ、わくわくですか、ワクワクは良い事ですよ、某イルカさんもワクワクを思い出せとおっと…これは禁則事項でした」
「?良く分からないが、とにかく、一体俺はどうしたらいいんだ?」
「シュウさんの決意は良~~く分かりました、これから一から説明させて頂きますので!」
ごほん、と一呼吸置いてから、ニャミラルは空間にコルクボードの様なものを取り出して、説明を開始した。
「ではまず!この世界は、異世界、通称「グレジア」という世界なのです、で、今、我々が居る空間は、シュウさんが居た世界と異世界「グレジア」との空間に穴をあけまして、そこに私が空間を作っているのですよ」
「なるほど…じゃあ、俺達が今いる空間は、ニャミラルの力によって作られている…ということか?」
「おーう、中々鋭いですね、そういうことですね!私は神様なので!ある程度の事はなんでも出来ちゃうのですよ!」ニャミラルは胸を誇らしげに張り、フフンと鼻を鳴らす。
「何でも出来る?ってそれは本当なのか?」
「ええ、例えば、目の前に物凄いでかい城を建てるとか、物質返還、生命創造はお手の物、地形も想像可能、パラメータ数値変更も可能です、ただ一つ出来ない事が…」今まで、誇らしげに説明をしていたニャミラルであったが、ここにきて声のトーンが大幅に落ちる。
それは重大なことなのだろうか。
「出来ない事ってのは、神様にもあるのか?」
「はい、それは、矛盾を造らないことです」
「矛盾?」ええ、とニャミラルは頷く。
「例えばですね、ファンタジーの小説があるとするじゃないですか、それで、ファンタジーの小説なのに、いきなり空から機鋼戦士ガソンダムが振ってきたりすると、世界観が壊れるじゃないですか」
「ああ、そりゃあまあ確かにな」魔法を使うのを想像してる読者が、いきなりロボットが戦うシーンを見るような感じか…想像するとシュールだな。
「それで、物語に矛盾を最低限起こさないようにするわけです、なのです!」
「もしも、矛盾が発生したら最悪の場合どうなるんだ?」
「世界が破滅、つまり崩壊し無くなります」
「え?つまり、死ぬ?」
「死ぬという表現は正しくないです、なかった事になるんです、その世界が初めから、存在自体が無かったことになるのです」存在が、消える!?そんな重大な責任があったのか。
「あ~…そんな難しい顔しないで下さいよ~!あくまで、最悪の場合です、滅多には起きません!それを防ぐために、私達神様が、一世界に一人ずつ、神様がいるのですから!」
いつの間にか、しおらしい顔をしていたのだろう、ニャミラルが励ましてくれたのだ。
「そうか、分かった、ありがとうニャミラル」
「ちょ、なんですかいきなり!?私を呼び捨てって、べ、別に嬉しくなんかないんですからね!」何故にツンデレなんだよ。
「あ、質問なんだけど、一ついいか?」
「なんでしょう?お気軽にどうぞです!」
「それじゃあ、その世界ってさ、小説が元になってるんだよな?」
「はい、そうですよ~、小説を元に世界が一つ構築されるわけです」
「それじゃあ、物語に登場するキャラクター、例えば冒頭で死ぬキャラクターを助けたりしたら、物語は変わって世界は破滅したりしないのか?」
「いや~人を一人助けたところで、全然大丈夫問題ナッシングですよ!歴史は、対して変わりません。だから、例えば女の子を助けまくったら、ハーレムも可能なのですよ!!良かったですね、男の夢でしょう!」
「あははは、それはともかく、教えてくれてありがとう」
「これくらい、お安い御用です」
「それでは時間も押してることですし、そろそろ始めますね!」何が?とは無粋な事は言わない。
「これより、あなた、上坂シュウを、これより、この世界「グレジア」の神様に正式に任命します、受領しますか?」
この世界の神様になりますか?YES/NO との選択肢が俺の目の前に表示される。
「勿論、受けるさ」
すると、体に変化が見受けられた。この世界グレジアの情報、世界、歴史、地理などが全て瞬時に分かったことが、理解出来たのだ。
これから、俺はこの世界「グレジア」を守っていかなければならないのだ。
すると、何かがニャミラルの体から抜け落ちていく気がした。
一体これは…!?
「じゃあね、楽しかったですよ…バイバイ!シュウさん!」ニャミラルの体が消えていく…!?そんな!?
「にゃ、ニャミラル―ー!?な、何を言ってるんだ!?」
「この世界に、神様は一人、そう言ったじゃないですか…だから、私は」
「ま、待て君は…!」
「離れていても、ずっと…一緒ですよ!」
「にゃ、ニャミラルうウウウウウウうううう!!」
そして、目の前が真っ暗になった。
どれぐらい気を失っていたのだろうか、周囲は、どうやら森のようだ。
深い草の茂みに覆われ、空が見えない。空気がおいしい。
これは、瞬間的に理解した、ここは天然の森、樹海の様だ。
そして、俺はニャミラルの分も懸命に、神様としての職務を果たすのだ。
すると、何かの声が聞こえた気がした。幻聴だろうか、鳥のさえずりでもなく、風の音でもない。
「やはろー!」どこからか、おなじみの声が聞こえた。
「やはろー!シュウさん!」今度は確かに聞こえた。
声がどこからか、近付いてくる。そう、ドンドンドン近付いて、ついにはこちらにやってきた。
「えと、どうしてニャミラルがここにいるんだ?あの時、消えた筈じゃ!?」
「やだですもー、勝手に私を殺した設定にしないでください」
「は?じゃあ、あの時消えたのは…?」
「あれはですね~、神様をシュウさんに譲渡した後、シュウさんとの妻に設定したのですよ!どうです!嬉しいでしょう!」確かに、ニャミラルが生きていて俺は大変嬉しい、だが、なんだろうこの、言い表せない、感じは…!
「俺の感動を返せ!」「いやです!」
俺は、どうやら、元神様のニャミラルと一緒に行動することになりそうであった。
はたして、俺に神様が務まるのだろうか。前途多難な予感がすることだけは確かであった。