回想フラグ的なもの
結果からすると、何か怪しい組織や人たちに追われたり、未確認な危険生物に襲われたり、美少女に出会うなど、そんな波乱万丈なイベントは無かった。起きなかった・・・・・・。
ぶっちゃけると結構期待していたので秋翔は少し落ち込んでしまった。
「・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・マジここはどこなんだ? 人居るの? というか何所に行けばいいんだ?」
秋翔は軽く1時間ぐらいは川の辺を歩いていた。
時折、のどが渇くこともあったが幸い川の水が綺麗だったので秋翔は喉の渇きを潤す事ができた。
川の中にも当然のように生き物がいた。
しかし、魚のような形をした――たぶん魚だと思う――生き物は不思議な事にウロコが七色に光っていた。秋翔は魚の事など何も知らないが、この光は普通ではないと直感できた。水の透明度は、限りなく川の底を見渡せるほど綺麗なものだった。しかし、そのウロコの光はどこか暖かくなにか力強い力を感じた。
「・・・・・・あの光だってなんなんだ?」
やっぱり夢の中なのだろうと秋翔は思った。
色とりどりの花や、7色に光る魚などは実在しないだろう。秋翔はそう思った。
「・・・・・・そういえば、さっきの蝶や花だって、なにかキラキラ光っていたよな・・・・・・。」
と、秋翔は考える。
あのように見えるのは、太陽の光が眩しいからだと錯覚してしまったが。今考えると、あれも不思議な現象のようだった。
「ホント、なんなんだ?」
そんな事を考えつつも、秋翔は始まりは何だったのかを思い出そうとしていた。
俺は何故こんな夢を見ているのかを。
そしてこの「夢」はあの事が関係しているのかもしれない。ということを。