頭お花畑ビッチヒロイン風のキャラに転生してしまったので、悪役令嬢を味方につけて、ざまぁルートは全力で回避します!
「いっけな~い! 遅刻遅刻~!」
私は男爵令嬢のオリヴィア・ブライトン!
花も恥じらう16歳!
今日から王立学園に通うことになったんだけど、登校初日から寝坊しちゃって、下宿先の宿屋の女将さんからもらったパンを齧りながら、こうして全力疾走してるってワケ。
でも、あの細い角を曲がれば、王立学園はすぐそこ――。
「ヒヒーン」
「ぐべらっ!?」
が、角を曲がったその刹那、豪奢な馬車に轢かれ、パンと共に宙を舞う私。
――この瞬間、前世の記憶が蘇った。
――あ、これ、異世界転生じゃない?
なんか小説で読んだことある!
ピンク髪男爵令嬢で、ドジっ子っぽいムーブをしている私……コレはきっと、最終的にざまぁされてしまうのがお約束のキャラだわ!
このままではマズい……!
何とかしなくては……!
「がふっ!?」
と、そこまで考えたところで、万有引力の法則により頭から地面に激突した私は、気を失ってしまったのだった――。
「……ん、うん」
「ああ、よかった。目が覚めましたね」
目を覚ました私は、道端ではなく、フワフワのベッドに寝かされていた。
しかもベッドのすぐ横には、金髪縦ロールの絶世の美女。
こ、この人は――!?
「ああ、まだあまりご無理はなさらないで。私はブレイクリー公爵家の長女、カトリーナと申しますわ」
「公爵家の……!」
間違いない。
公爵令嬢、金髪縦ロール、そしてこの鋭いながらも凛々しい目つき――!
――この人、悪役令嬢的なポジションの人だ!!
そして昨今の風潮として、この人も十中八九転生者。
つまり真の主人公はこの悪役令嬢であるカトリーナで、私はカトリーナの婚約者を寝取るざまぁ担当キャラ!
あまりにも整いすぎている、場が!(倒置法)
なんでもカトリーナの乗っていた馬車が私を轢いてしまい、急いでこのブレイクリー家に運び、医者にも診せてくれたそう。
「それはありがとうございました……」
むしろどちらかというと私のほうから馬車に激突したといったほうが正確。こうして介抱してもらえただけありがたい。
とはいえ、それはそれとして、これは非常にマズい状態だわ……!
このままでは、ざまぁルート一直線……!
――斯くなる上は。
「あ、あの、カトリーナ様ッ!」
私はベッドの上で、カトリーナに向かって土下座をした。
「実は私も、『転生者』なんです! でも、私は『イケメンを寝取って逆ハーだわっしょい!』とか考えてませんので! 前世も庶民でしたし、今世も慎ましく生きていくつもりですので、どうかざまぁだけはご勘弁を!」
私はベッドに頭を擦りつけて、全身全霊で媚びた。
「……お顔を上げてくださいまし。あなたの言い分は信じますわ」
「ほ、本当ですか!?」
慌てて顔を上げる私。
カトリーナは依然として扇で口許を隠しながら、私を綺麗な蒼い瞳でじっと見据えている。
「ただし、私は『転生者』ではありませんわ」
そんなバカな……!?
転生者でもないのに、こんな荒唐無稽な話、すぐに信じられるはずが……。
「私は『ある人』から、転生の話を事前に聞いていたのです」
「『ある人』……?」
とは……?
「その人から、あなたが転生者である可能性が高いと言われ、確認のためにあなたのところに馬車で向かう途中でした。その結果、ああしてあなたを轢いてしまうことになったのは、誤算でしたが……」
「……!」
そうか。
だからあんな狭い道を、上級貴族の馬車が走ってたのか。
「これが、『ある人』の書いたメモですわ」
「……!?」
カトリーナは私に、一枚の紙を差し出した。
おずおずと広げる私。
――そこには日本語で、こう書かれていた。
・・━━・・━━・・━━・・━━・・
ここは、【スキルを育てて成り上がっちゃお♡】という触れ込みの『成り上がり聖女 ~スキスキ♡スキルサバイバー~』(通称『スキサバ』)というゲームの世界に酷似した世界だ。
『スキサバ』は乙女ゲーム風の育成パズルゲーム。
乙女ゲーム風なだけで、乙女ゲームではない。
『スキサバ』はパズルゲームをクリアしてスキルレベルを上げ、聖女として国を救うというのが概要になっている。
イケメン達は出てくるも、彼等は教官でありステージボス。最終ステージで主人公は、瘴気に侵され目覚めし邪竜を浄化する(勿論パズルでだ)。
ゲームと同様に邪竜が復活してしまう未来は変えられそうもない。
・・━━・・━━・・━━・・━━・・
「何故我々がこうしてオリヴィアさんに話を聞こうとしたかというと、何としてもあなたに邪竜を倒してもらう必要があるからですわ。 それに──」
仮に『乙女ゲーム転生』などと勘違いしていた場合、私の人生が危ないと『ある人』は心配してくれたらしい。
ここはあくまでも貴族社会。
スキル上げのためであれ、傍から見たら男爵令嬢の私が上級貴族イケメンに近付く様は、よく思われないそう。
振る舞い次第では、社会的に死ぬことも有り得るのだとか。
「邪竜を倒した後も人生は続くというのに、世界を救った英雄の末路がそれでは、あまりにも不憫……と『ある人』から相談をされたのです」
なので、公爵令嬢であるカトリーナが、イケメンたちの婚約者令嬢を都度説得し、イケメン達とは適切な距離感を保つ手筈になっているらしい。
貴族社会的にいうところの『後ろ盾』というやつだ。
これなら確かに私が社会的に死ぬこともなくなる。
「あの、カトリーナ様、『ある人』というのは?」
「それは……申し訳ございませんが、まだお教えすることはできないのです」
当然『ある人』も、私同様転生者なんだろうが。
このメモも、日本語で書かれてるし。
「そうですか……、うん、状況はよくわかりました」
「それは何よりですわ。では、今日からあなたには、我が家に寝泊まりしていただきますわね」
「えっ!?」
私が、この家に……!?
「今後は、私があなたの教育係として、公私共にあなたをサポートいたしますわ。邪竜討伐のためにスキルレベルを上げることはもちろん、聖女の称号を授与された後は、我々と同じく上級貴族としての振る舞いを求められることになるのですから、淑女教育も必須です。僭越ながら、あなたはほとんどその手の教育は受けられていないのでは?」
「あ、はい……。その通りです……」
なにしろ令嬢なのにパン咥えて走るくらいだ。
カーテシーですら、一度も習ったことがない。
「ですから私が、その辺も含めて、一から十まで教えて差し上げますわ。よろしいですわね?」
「あ、は、はい! よろしくお願いします!」
私はカトリーナに、深く頭を下げた。
私はこう見えて見栄っ張りなほうなので、上級貴族になることが決まっている以上、相応の教養は身に付けておきたいという気持ちはある。
そういう意味では、カトリーナのこの提案は、渡りに船と言えるだろう。
「では早速、これからスキルのレベル上げに参りますわよ! 王立学園には、話はつけてありますので!」
「え!?」
こ、これから……!?
こうしてブレイクリー公爵家の裏庭に移動した、私とカトリーナ。
「では、スキルの説明をさせていただきますわね」
「は、はい! よろしくお願いします!」
裏庭とはいえ、地平線まで鬱蒼とした森で覆われており、この見える範囲全てが、ブレイクリー公爵家の敷地だそうだ。
異世界の金持ちの規模感半端ねーな。
「その前にまず、魔法を使う際の手順をお見せいたしますわ――パズルオープン」
「っ!?」
カトリーナがそう言うと、カトリーナの目の前に、ゲームの画面みたいなものが現れた。
ふおっ!?
画面の左側には、6×6、計36のマス目があり、右側には、赤、青、黄色、緑に色分けされた、正方形がいくつか連結されたパズルのピースのようなものが置かれている。
「この右側のピースを、こうして左側のマス目に全て埋めて、パズルを完成させます」
ふむふむ。
「すると、同じ色で隣接しているピースは、このように一つに合体します」
あ、ホントだ、合体した。
この辺は、如何にもパズルゲームって感じだな。
「そして一番面積が大きい色のピースに該当する魔法を、発動できるのですわ。面積が大きければ大きいほど、より強力な魔法が使えます。今回は赤が一番大きいので、炎魔法ですわね」
「っ!」
カトリーナの右手の先に、炎の玉が出現した。
うおおおおおおお!!!
「――【ファイアボール】」
「うわっ!?」
カトリーナが右手を前にかざすと、その炎の玉が飛び出し、前方にあった木を一瞬で焼き払った。
SUGEEEEEE!!!!
「これが魔法発動の一連の手順ですわ。あなたがこの手順を今まで知らなかったのも無理はありません。本来ならこれは、王立学園で習うことですから」
なるほどね。
どうりで私の記憶にはないはずだ。
まあ、その王立学園での一連の授業が、原作の『スキサバ』のプレイヤーへのチュートリアルも兼ねてるんだろうな。
「では、次はあなたもやってみてくださいませ」
「は、はい!」
よおし、テンション上がってきたああああ。
「――パズルオープン!」
私が叫ぶと、先ほど同様、目の前にゲーム画面が現れた。
よしよし、後はこれを、左のマス目に埋めればいいのね。
「ちょっとお待ちくださいませ」
「え?」
何?
「ここでスキルの説明をさせていただきますわ。あなたが現状覚えているスキルは、初級の【チェンジカラー】のみですから、それを使ってみましょう」
【チェンジカラー】……?
「【チェンジカラー】は、ピースを一つだけ、任意の色に変えられるのです」
「――!」
なるほど!
それでより面積を増やせば、強い魔法が発動できるってワケね!
よしよし、じゃあどの色に変えよっかなぁ。
うん、今回は明らかに青が多いから、青にしよう。
そんで、現状一番ブロック数が多い、この緑のブロックを青に変えよう。
「――【チェンジカラー】」
おお!
マジで色が青に変わったよ!
じゃあ、後はこれをマス目に埋めて、と。
これで半分近くが青になったぞ!
「お見事ですわ。飲み込みが早いですわね」
「え、えへへ、そうですか」
こんな美女に褒められたら、悪い気はしないね。
相変わらず扇で口許を隠してるから、表情は読めないけど……。
「では、魔法を発動してごらんなさいまし! 青は水魔法ですわ!」
私の右手の先に、水の塊が出現した。
なるほど、赤が炎で、青が水ね。
わかりやすいね。
てことは、黄色が雷で、緑が風、とかかな?
「水の初級魔法は、【ウォーターカッター】ですわ!」
「はい! いっけえええええ!!! ――【ウォーターカッター】!!!」
私が少年漫画の主人公風に叫びながら右手を前にかざすと、水がカッター状に変化し、前方の木を真っ二つに斬り裂いた。
うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
「うふふふ、うふふふふふ、アーッハッハッハッハッハッ!!!」
「カ、カトリーナ様……!?」
どうした急に!?
「やはりあなたこそが、救国の聖女ですわ! さあ、次はいよいよ実戦ですわよ!」
「じ、実戦!?」
もう!?
てかカトリーナって、やっぱりバトルマニアなのでは……?
「ここから出ると、この先は魔獣がひしめく危険地帯ですわ」
「……!」
裏庭の森を暫く進むと、透明な結界みたいなものの境界があった。
なるほど、ここまでは結界が張られてたから、安全地帯だったのか。
ゲームでよくあるやつや。
「さあ、レッツレベル上げですわ!」
「カ、カトリーナ様!?」
躊躇なく、ずんずん結界の先に進んでしまうカトリーナ。
こんな危機感の低い人が公爵令嬢で、この国は大丈夫なの!?
「ま、待ってくださいよぉ!」
慌てて私も、カトリーナの後を追った。
「オリヴィアさん、早速現れたようですわ」
「――!」
少し進むと、前方に青くて半透明な、楕円形のブヨブヨした生き物が現れた。
あ、これは――。
「あれは、スライムですわ」
ですよね。
やっぱゲームにおける最弱モンスターといえば、スライムだよね。
如何にも弱そうな見た目してるし。
「あの見た目に騙されると、痛い目を見ますわよ」
「え?」
というと?
「ぷぎぃ!!」
「――っ!!?」
その時だった。
スライムが体液のようなものを吐き出してきた。
「う、うわっ!?」
思わずそれを避けると――。
「なっ!?」
体液が掛かった箇所は、ジュワッと嫌な音を立てながら溶けてしまったのだ。
ヒエッ……!?
「あの体液を喰らうと、タダじゃ済みませんわよ。あれを避けつつ、さっきと同じ要領で魔法でスライムを倒すのです!」
「そんな無茶な!?」
冷静に考えたら、こうやってリアルタイムで戦いながらパズルを解くのってドチャクソ大変じゃない!?
もしかしたら原作の『スキサバ』のほうじゃ、ターン制バトルでゆっくり考える時間があるのかもしれないけどさ!
それに、ゲームだったら、HPが1でも残ってたら元気に戦えるけど、現実じゃ足の骨が折れただけでも、実質戦闘不能になる。
しかも一度でも死んだら二度とコンティニューはできないんだから、とんだエクストラハードモードだよこれッ!!
「さあさあオリヴィアさん! どうするのです!? このままではやられてしまいますわよ!」
カトリーナの目がガンギマってる!?
もう怖いよこの人!!
――クッ。
「――パズルオープン!」
こうなったらもう、やられる前にやるしかない!
「スライムは水属性ですので、黄色の雷魔法が弱点ですわ!」
なるほど、敵にも属性があるわけね。
今回のパズルピースで一番多い色は緑だけど、ここは【チェンジカラー】で緑のピースを黄色に変えよう。
「――【チェンジカラー】」
「ぷぎぃ!!」
「――っ!!?」
その時だった。
パズルに夢中になっていたせいで、スライムが体液を吐いたのを見落としていた――!
マ、マズい、避けられない――!
「オリヴィアさん!」
「っ!?」
が、間一髪のところで、カトリーナが私をお姫様抱っこして、助けてくれたのだった。
ふおっ!?
「お怪我はありませんか、オリヴィアさん!?」
「あ、はい、私は大丈夫ですけど。カ、カトリーナ様のドレスが……」
スライムの体液がカトリーナのドレスのスカートに掛かってしまい、スカートの一部が溶けてしまっていた。
う、うわぁ、このドレス、多分平民の年収分くらいはするやつだよ……!
「あなたが無事ならそれでよいのです。ドレスの代わりはいくらでもありますが、あなたの代わりはいないのですから」
「カ、カトリーナ様……!」
あ、ヤバい。
私に百合属性はないはずなのに、カトリーナのあまりのイケメンぷりに、ちょっとだけときめいてしまったわ――!
それに、やっと扇がなくなって、ちゃんと素顔が見れた。
口元にほくろが一つあって、何ともセクシーだぜ――。
「さあ、今度はスライムも警戒しつつ、パズルを完成させてくださいまし」
カトリーナはそっと、私を地面に下ろしてくれた。
「は、はい!」
よし、スライムに目線は向けつつ、迅速且つスピーディーにパズルを完成させて、と。
「雷の初級魔法は、【サンダーボルト】ですわ!」
「はい! いっけえええええ!!! ――【サンダーボルト】!!!」
「ぷぎぃいいいいい!!!!」
私が例によって少年漫画の主人公風に叫びながら右手を前にかざすと、そこから雷が放出され、スライムを一瞬で蒸発させたのだった。
勝ったッ! 第3部完!(迫真)
「うふふふ、うふふふふふ、アーッハッハッハッハッハッ!!!」
「……!?」
またカトリーナの様子が……!?
「素晴らしい……!! 素晴らしいですわ……!! あなたは私の想像以上のお人です! さあ、この調子で、あと30匹は狩りますわよ!」
「さ、30……!?」
今ので確信した。
完全にカトリーナは、バトルマニアだわ……。
「お疲れ様でございました。見事ノルマ達成ですわね」
「ど、どうも……」
あれからガチで私は一人でヒーヒー言いながら30匹もスライムと戦わされ、やっと終わって屋敷に帰ったら、既に時刻は15時を過ぎていた。
ちなみにお昼ご飯は、スライムを倒してる合間に、カトリーナが自ら作ったというサンドイッチをいただいた。
疲れていたこともあり、これがまた実に美味かった。
でも、上級貴族なのに自分で料理もするなんて、意外と庶民的なところもあるんだな。
いったい今日だけで、いくつカトリーナの意外な一面を見たか、数え切れないぜ。
「それにしても、やはりオリヴィアさんは逸材ですわ。たったスライムを30匹倒しただけで、これだけスキルレベルが上がったのですから」
「そ、そうですかね?」
確かに今日一日だけで、私のスキルレベルは25にまでアップしていた。
これがどのくらい凄いことなのかは何とも言えないが、まあ、カトリーナがこれだけ褒めてくれるんだから、多分相当なことなんだろう。
大分使えるスキルも増えてきたしな。
流石主人公といったところか。
ちなみにスキルレベルが上がると、私自身の身体能力も上がる仕組みらしく、今の私はスライムの体液くらいなら、楽勝で避けられるようになっていた。
まあ、最終的には一人で邪竜を倒せるようにならなきゃいけないんだから、このくらいは当然かもしれない。
「さて、汗をかいたことでしょうし、一旦お風呂にいたしましょう。お前たち!」
「「「「「はい、お嬢様」」」」」
「――!?」
カトリーナがパンパンと手を叩くと、どこからともなく五人のメイドさんが現れた。
ふおっ!?
「「「「「失礼いたします」」」」」
「にゃっ!?」
そして私は、五人のメイドさんに神輿のように担がれ、運ばれて行ったのだった。
あーーーれーーーー。
「お湯加減はいかがでしたか?」
「あ、はい! とってもよかったです」
お風呂から出た私を、カトリーナが出迎えてくれた。
カトリーナはスライムに溶かされてしまったドレスから、部屋着に着替えていた(これまた豪華で、如何にも高そうだが)。
だが、今は扇を仕舞っており、素顔を露わにしている。
……あれ?
何だろう、カトリーナの顔、どこか違和感があるな……。
「私の顔に、何か付いていますか?」
「い、いえ!? 何でもないです!」
「そうですか。では、まだ夕食までは少し時間がございますので、オリヴィアさんさえよろしければ、このまま淑女教育に移らせていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
「……!」
あ、そういえば、そんなのもあったね。
「今日はもうお疲れでしょうし、無理にとは申しませんが」
「いや、やれます! むしろお願いします!」
私としては、レベル上げよりも、淑女教育のほうが不安だしな。
なーに、こちとら前世はブラック企業で、土日休みもなく連日連夜、8時から24時まで働いてたんでい!
この程度、屁でもねーぜ!
「ふふ、承知いたしました。ではどうぞこちらへ」
「はい!」
淑女教育かぁ。
どんな感じなのかなぁ。
「はい、そのまま真っ直ぐ! 1、2、3、4!」
「う、うおおおおぉぉ……!」
そうしてだだっ広いダンスホールみたいなところに移動させられた私は、頭に辞書みたいな分厚い本を置かれ、そのままひたすら歩かされているのだった。
これ、漫画でしか見たことなかったけど、マジでやるんだ!?
「姿勢が曲がってますわよ! もっと背筋を伸ばして!」
「は、はいぃ!」
うひいいぃ!
淑女ってたいへーん!!
「やっているね」
「っ!?」
その時だった。
口元をマスクで隠した、一人のイケメンがダンスホールに入って来た。
その顔を見て、思わず私は頭の本を落としてしまった。
カトリーナと顔が瓜二つだったからだ――。
こ、これは――!?
「ああ、ローランド兄様。オリヴィアさん、ご紹介しますわ、こちらが私の双子の兄の、ローランド兄様ですわ」
双子!?
これまたコテコテの設定だな。
流石ゲーム。
「どうも、オリヴィアさん、ローランドです。事情は妹から聞いています。如何せん風邪気味なもので、こうしてマスクをしたままでの挨拶になることをお許しください」
「ああ、いえいえ! どうかお気になさらず!」
「恐れ入ります。――この世界の命運は、あなたに懸かっています。そのためにはブレイクリー家は、全力であなたをサポートさせていただく所存ですので、どうかお困りのことがありましたら、何でもお申し付けください」
「あ、はい! きょ、恐縮です!」
「……では、僕はこれで失礼いたします」
「ど、どうも」
ローランドは私に軽く頭を下げると、颯爽とダンスホールから出て行った。
ビビったぁ……。
あんな二次元並みのイケメン(実際二次元のキャラだが)が急に現れたから、ドキドキしちゃったぜ。
カトリーナは長女だって言ってたから、上に兄弟はいないのかと思ってたら、まさか双子の兄がいたとはね。
……でも、何故だろう?
不思議と初めて会ったような気がしないのは?
「……オリヴィアさん、どうかされましたか?」
「あ、いえ、何でもありません!」
「そうですか。では、もう一度いきますわよ!」
「はい!」
私は落ちた本を取り頭に乗せ、背筋をピンと伸ばした。
「さあオリヴィアさん! これで最後ですわ!」
「はい! カトリーナ様!」
「ゴガアアアアアアアアアアアアアアア」
あれから3ヶ月。
カトリーナの献身的なサポートのお陰もあって、ステージボスイケメン達を適切な距離を取りつつ攻略(恋愛的な意味ではなく)した私は、遂にラスボスである、邪竜と対峙していた。
邪竜は全身が漆黒の鱗で覆われており、田舎のパチンコ屋並みに巨大な体躯をしている。
これぞラスボスの風格って感じだわ――。
「これこそが、邪竜アブソリュートヘルフレイムドラゴンですわ!」
アブソリュートヘルフレイムドラゴン……!
随分御大層な名前じゃない。
でも、長いから私はアブゴンと呼ぶことにするぜ。
「ゴガアアアアアアアアアアアアアアア」
「オリヴィアさんッ!」
「――!」
その時だった。
アブゴンがデカい口を開けて、紅蓮の炎を吐き出してきた。
あー、こりゃ、当たったら無事では済まないだろうな。
でも――。
「大丈夫ですよ、カトリーナ様」
「――!」
私はその炎を、瞬間移動で避けた。
いや、正確にはただ速く走っただけなんだけど、私の動きがあまりにも速すぎて、傍目には瞬間移動したようにしか見えないだろう。
――この3ヶ月の修業ですっかりスキルレベルをカンストさせた私の身体能力は、今や超人の域にまで達していた。
今の私だったら、頑張れば素手でもアブゴンを倒せるかもしれない。
まあでも、せっかく苦労してスキルをここまで育てたんだから、最後はド派手な魔法でシメたいよね!
「――パズルオープン」
このパズル画面を出すのも、これで最後かと思うと、感慨深いぜ。
「オリヴィアさん! アブソリュートヘルフレイムドラゴンの属性は炎ですわ!」
「了解です! カトリーナ様!」
てことは、弱点は水ね。
思えば私が最初に発動させた魔法も、初級水魔法の【ウォーターカッター】だったっけ。
つーわけで最後は、最上級水魔法で幕引きといきますか!
「――【ワンカラー】」
私はスキルレベルカンスト時に習得した、究極スキルを使った。
【ワンカラー】はその名の通り、パズルピースを全て任意の一色に変えるという、文字通りのチートスキルだ。
これによって、私は全てのピースを青に変えた。
後はこれを、ササッと嵌めて、と。
よし!
36マス、全ての青いピースが一つに合体した!
これで最上級魔法が使えるぜええええええ!!!
「うおおおおお!!! いっけえええええ!!! ――【メイルシュトローム】!!!」
「ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ……」
私の右手から超巨大な渦潮が噴射され、それがアブゴンの全身を飲み込んだ。
これによりアブゴンは浄化され、光の粒になって霧散した――。
FOOOOOO!!!!
コングラチュレイショオオオオンズ!!!
勝利のポーズ……決めっ!(迫真)
「お見事ですわ、オリヴィアさん。――これにて世界は平和になりました。あなたこそが、救国の聖女ですわ。改めて、お礼申し上げます」
「カ、カトリーナ様……!」
爆美女のカトリーナから真っ直ぐに褒められ、私の心臓がトクンと一つ跳ねる。
相変わらず扇で口元は隠してるので、ちゃんと表情は読めないけど……。
――こうして世界を救った私は、国から正式に聖女の称号を授与された。
晴れて私も、上級貴族の仲間入りとなったわけだ。
やれやれ、平民同然の男爵令嬢だった私が、今や聖女とはね。
「で、オリヴィアさん、早速ですが、あなたには婚約していただきますわ」
「……え?」
聖女の称号の授与式が終わってブレイクリー家に帰って来て早々、カトリーナがそんなことを言ってきた(ちなみに今のカトリーナは、扇で口元を隠していない)。
「いや、だから私は誰も選びませんよ。婚約者がいる相手を寝取ったら私が社会的に死んでしまうのは、よくご存知でしょ?」
「もちろん婚約者がいる相手を選ぶのは論外ですが、かといって上級貴族となったあなたがいつまでも独り身というわけにはいかないのも、よくおわかりでしょう? 我が公爵家が後見となったのには、あなたに然るべき相手を用意するためでもあるのですわ」
「ぐっ……!?」
それを言われると、痛いな……。
私もこの3ヶ月の淑女教育で、所謂ノブレス・オブリージュってやつが多少はわかってきた。
人の上に立つ人間は、ただ自由に生きていればいいというわけではないのだ。
実際カトリーナも、子どもの頃から王太子の婚約者として、日々自分を磨いてたみたいだし(ちなみにその王太子は、周りが引くくらいカトリーナを溺愛している)。
「ローランド兄様」
「……ああ」
「――!」
カトリーナが声を掛けると、ローランドが私の前に立った。
ヌッ……!?
「もしオリヴィアさんさえよろしければお相手には、このローランド兄様はいかがかと思いまして」
「――!?」
えーーー!?!?!?
そんなわけで、まずは二人でゆっくり話してみてはというカトリーナの提案により、中庭の東屋に移動した私とローランド。
「……い、いい天気ですね、オリヴィアさん」
「……そ、そうですね、ローランド様」
急に二人きりにされ、何とも気まずい空気が流れている。
私は当然前世でもお見合いなんてしたことはないけど、もししたらこんな感じなのかもしれない。
それにしても、今日もローランドは、マスクで口元を隠している。
この3ヶ月、私はローランドがマスクを取ったところを、一度も見たことがない。
初めて会った時は風邪気味だからと言っていたけど、流石にこれは……。
「えーと、ローランド様、あまりご無理はなさらないで大丈夫ですよ」
「え?」
私がそう言うと、ローランドはキョトンとした。
「もし同情で、私を無理して娶ろうとされてるんだとしたら、お気遣いは無用だと言いたいのです。ローランド様は、どうかご自分の人生を大事になさってください」
「オ、オリヴィアさん……! ……いえ、決して同情などではありません。――ただ、その前に、あなたに一つ、お話ししておきたいことがあるのです」
「……!」
ローランドはおもむろに、マスクを外した。
――その顔を見た瞬間、私の中で全ての点と点が繋がった感覚がした。
「……やっぱり。あなたが私に日本語であのメモを書いた、『ある人』だったんですね?」
「……ああ、その通りだ」
途端、ローランドは態度を崩し、口調も砕けたものになった。
これが素のキャラなんだろう。
「君も、今後はタメ口で話してくれると助かる」
「わかったわ」
「いつから気付いてたんだい? 俺が『ある人』だって」
「そうね。最初に変だなと思ったのは、私がこの屋敷に来た初日に、お風呂から出てカトリーナの顔を見た時よ。何か違和感があったのよね。今思えば、カトリーナの口元のほくろの位置が、微妙に変わっていたの。スライムの体液から私を助けてくれた時に見えた位置よりも」
「……なるほど、流石の観察力だ」
ローランドは感心したように、うんうんと頷く。
「私が最初にこの屋敷で目覚めた時に、私の相手をしてくれたカトリーナは、あなただったんでしょ、ローランド?」
「……ああ、そうだ」
ローランドの口元にあるほくろの位置は、スライムの体液から私を助けてくれた時に見えた位置とまったく同じ。
つまりあの時のカトリーナは本物ではなく、ローランドがカツラを被って女装した姿だったんだ。
双子だから、カツラを被れば顔は瓜二つだからね。
ただ、ほくろの位置だけは微妙にズレてるので、それを隠すために、女装時のローランドは、常に扇で口元を隠してたってわけだ。
そうやって、私のスキルのレベル上げサポート担当はローランドで、淑女教育の担当はカトリーナに、役割分担してたんだろう。
サポート担当時のカトリーナは妙に庶民的だったのも、転生者だからと考えると、辻褄が合う。
「どうしてそんな、回りくどいやり方を?」
「……ああ、順を追って説明するよ」
ローランドはふうと深く息を吐いてから、語り出した――。
「俺は物心付いた時から、この世界に違和感を持っていた。
だってそうだろ?
魔法が存在するのはまだしも、魔法を発動させる際に、いちいちパズルを解く必要があるなんて、どう考えたっておかしいじゃないか。
この世界じゃ当たり前のことなんだろうが、どうしても俺はそれが不思議でならなかった。
で、今から半年ほど前のことだ。
ある日俺は高熱を出して寝込んだんだが、その際に思い出したのさ、前世の記憶を」
――彼の前世はプログラマーで、『スキサバ』の開発スタッフの一人だったらしい。
でも、『スキサバ』の開発はそれはそれは難航。というのも、プロデューサーとディレクターで、意見が真っ向から対立していたそう。
「まあ、ゲーム開発業界じゃよくある話さ」
こうして開発スケジュールは押しに押して、そっから先は連日連夜徹夜三昧。
「俺もほとんど家には帰らず、会社で寝泊まりする日々だったよ。
そんで完成まであと少しというところまできたある日。
『スキサバ』をテストプレイしていた俺は、突如胸に激しい痛みを感じ、そのまま死んでしまった――。
そして今のこの世界に、ローランドとして転生したってわけだ。
多分君は最初に俺のメモで『スキサバ』の名前を見た時に、そんなゲームあったかなと思っただろ?
そりゃそうさ。
まだ発売してないんだから、一般人は知らなくて当然だ。
前世の記憶を思い出した俺は、差し当たり妹であるカトリーナにこのことを相談してみたんだが、思いの外カトリーナは俺が転生者であることをすんなり信じてくれた。
何でもカトリーナはカトリーナで、俺の言動や価値観に、昔から違和感を抱いていたらしい。
もしかしたら自分の兄は、この世界の人間ではないのかもしれないと、薄々気付いていたんだ。
俺が頑なに婚約者を作らず、恋愛結婚にこだわっていたことも、理由の一つかもしれないが……。
我が妹ながら、聡い女だよ。
こうしてカトリーナという心強い味方を得た俺の一番の懸念は、この世界の主人公である君、オリヴィアのことだった。
原作のオリヴィアはそういう仕様だから仕方ないとはいえ、婚約者がいる相手だろうがお構いなしに親密になる運命にある。
それだとオリヴィアはこの世界では、社会的に死ぬ。
俺もテストプレイでずっとオリヴィアを操作してきたので、オリヴィアには思い入れもある。
何とかオリヴィアが社会的に死ぬルートだけは回避したかった。
だからまずは公爵家の力を使って、この世界のオリヴィアが転生者かどうかを調べることにしたんだ。
転生者か否かで、こちらの対応も変わってくるからな。
だが、俺が調べた限りだと、オリヴィアが転生者である可能性は低いように感じた。
ただ、『スキサバ』の物語は、あくまでオリヴィアの王立学園の入学式から始まる。
今の時点では転生者ではなくとも、王立学園の入学式のタイミングで、俺みたいに前世の記憶を思い出す可能性は十二分にある。
そこで入学式当日、直接様子を見に行くために、馬車でカトリーナと君のところに向かう途中で、君が馬車に激突して来たってわけさ。
この時、俺は咄嗟に確信した。
多分今の衝撃で、オリヴィアは前世の記憶を思い出したに違いない。
こういう頭に強い衝撃を受けたことがキッカケで、前世を思い出すのはあるあるだからな。
とりあえず気絶した君をブレイクリー家に運びながら、どうしたものか思案していると、カトリーナがおもむろに、俺が女装してカトリーナのフリをしながら、直接君に話を聞いてはどうかと提案してきたんだ。
悪役令嬢であるカトリーナが直接話したほうが、オリヴィアが転生者だった場合、動揺してボロを出すんじゃないかと踏んだらしい。
だったらわざわざ俺が女装しなくとも、カトリーナが自分で話せばいいじゃないかと俺は言ったんだが、俺が話したほうがオリヴィアが転生者かどうか判断しやすいでしょと言われ、頷かざるを得なかった。
……今思えば、カトリーナが単に俺を女装させたかったからという可能性も拭えないが。
あいつああ見えて昔から、女装男子に目がないんだよ。
ここだけの話、あいつ婚約者の王太子にも、時々女装させてるんだぜ?
ここから先は、君がさっき推理した通りだよ。
君のスキルのレベル上げサポートは女装した俺が担当して、淑女教育はカトリーナが担当することになった。
初日でいきなり実戦までさせてしまったことは、今は反省してる……。
本当にすまなかった。
俺も生粋のゲーマーだからさ。
とにかくレベル上げが三度の飯より好きなんだ。
そ、それに、一日でも早く君には強くなってもらいたかったしな……。
そうすれば、もしも君が凶悪な魔獣とかに襲われても、傷付かずに済むだろ?」
ここまで話し終えたところで、急に恥ずかしくなってしまったのか、ローランドは頬を染めながら、そっぽを向いてしまった。
おっとぉ……!
超絶美形女装男子のツンデレ照れ顔とか、グレートですよこいつはァ。
――何を隠そう拙者、女装男子とツンデレ大好き侍。
もっと早く言ってくれれば、長く萌えられたのに……!!
今後はカトリーナとも、女装男子の話題で盛り上がれそうだぜッ!
……でも。
「今日までの経緯はわかったけど、それとあなたが私を娶ろうとするのは、話が繋がらなくない?」
「ハァ……!?」
ローランドは、「マジかコイツ」とでも言いたげな顔で、私を睨んでくる。
んん??
「だって、あなたがオリヴィアを助けたかったのは、あくまで同情心からでしょ? でも、それで私を娶ろうとまでするのは、自己犠牲の心が強すぎるよ。そこまでされたら、却って申し訳なさが勝つというか……」
「……まあ、最初は同情心だったのは事実だよ。でも……」
「?」
でも?
「……今は、それだけじゃ……ない……」
「――!」
ローランドは途端、茹でダコみたいに真っ赤になった。
お、おおおおおお……???
「君と一緒に日々を過ごすうちに、俺の中で、どんどん君への想いが膨らんでいくのを感じた……。ハイテンションで魔法を撃つ君。俺の作ったサンドイッチを、美味い美味いと食べてくれる君。――そして、いつも笑顔で楽しそうにしている君。トドメは、君が聖女の称号を授与されたことだな。いよいよ上級貴族となって婚約者を選ばなきゃいけない状況になった途端、俺は君を他の誰にも渡したくないと思った」
「――!?」
そ、それって……。
「……ここまで言えば、もうわかるだろ? ……いや、やっぱこういうことは、ちゃんと言葉にしとかないとな。――俺は、君が好きだ。どうか俺と、結婚してほしい」
「ロ、ローランド……!」
――この瞬間、私の胸が、かつてなくときめいた。
……嗚呼、今やっとわかった。
私も心のどこかでは、ずっとローランドのことを――。
「……嬉しい。私もローランドのこと、好きよ」
「ほ、本当か!?」
少年みたいに、パァッと華やぐローランド。
ふふ、可愛い。
「ありがとう、オリヴィア。――絶対に、大切にするから」
「――!」
真剣な瞳で手を握られ、私の心臓がバクバクと跳ね上がる。
ふおおおおおおおおおお!?!?!?
「うふふ、おめでとうございますわ、お二人とも」
「「っ!?」」
その時だった。
いつの間にか私たちの横に、カトリーナがニコニコしながら立っていた。
ぬおおおおおおおおおお!!!!!!
「ど、どうも……」
「あ、ありがと……」
咄嗟に手を放し、ドギマギする私とローランド。
は、恥ずうううううううううう。
「これからは、お義姉様と呼ばせていただきますわね! 私のことも、どうかカトリーナと呼び捨てにしてくださいまし!」
「っ!? あ、うん、わ、わかったよ、カトリーナ」
カトリーナにキラキラした瞳で、ギュッと手を握られる。
そうか……!
これからは、こんな超絶美女が、私の義理の妹になるのか……!
ぐへへへへ、こりゃとんだ役得だぜ。
――あっ、そうだ。
「ねえねえカトリーナ! そういえば、私も女装男子大好きなんだ!」
「まあッ!! お義姉様も!? では、今後は女装男子の素晴らしさについて、毎日語り合いましょう!」
「いいねぇ!!」
「……何か、俺からプロポーズされた時より、喜んでない?」
「――!」
ローランドが拗ねてしまった。
そ、そんなことないよ?
……多分。
本作同様、「砂臥 環」さんと共作した、『すぐ頼ってくる妹に婚約者を奪われたら、『炎の貴公子』との婚姻が決まりました ~旦那様は「最早君を愛するしかない!」と宣ってきます。とりあえずかたちから溺愛を始めるそうです~』が、第1回ブシロードワークス小説大賞で短編賞を受賞いたしましました。
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