表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家族の影  作者: hoku love
11/12

第一部 第九章 直接対決

会社の応接室。午後の光がテーブルに細長い影を落とす。

私は言った。

「あなた、息子より夫が好きなんでしょう?」


美希は一拍置いて微笑む。

「どうしてそう思うんですか?」

「分かるの。あなた、茂に執着してる。

 “お母さん呼ぶわけない”“いい時間を過ごさせてもらった”、あれは私に対する当てつけでしょう?」


美希は小さなため息をつく。

「……隠すつもりはありません」


私は呼吸を忘れた。

「どうして」

彼女は宙を見て言う。

「小さいころから家族に恵まれなかった。だから安心がほしい。

 秀樹は優しいけど頼りない。茂さんは満たしてくれる」


私はやっとの思いで言葉にする。

「あなたは、息子を裏切っているのね」

美希は何も答えなかった。

代わりに小さな笑みを浮かべた。

否定しないのが、答えだ。

私はそう感じた。


部屋を出た廊下で、世界が少し歪んで見えた。

でも私は分かっている。

この真実を秀樹に告げれば、あの子は壊れる。

私は結局耐えるしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ