修行の完成
パテイは勇者の書記を持って、ロラットの元へ向かった。
「さっきはすみません。パテイさん。スキルについて分からない怒りをぶつけてしまって。」
ロラットは先程のことを反省していた。そんなロラットに対し、パテイは、
「別に気にしてないよ。それに書記も見つかったし、修行に入ろう。」と答えた。
ロラットは笑顔で「はい!」と答えた。
「書記にはこう書かれている。カプセルは対象の物体をバラバラにし、完全な球体にする。」とパテイは説明した。
「バラバラ?」ロラットはその部分が引っかかる。パテイに尋ねた。
「バラバラってのは、えっーと…多分、葉っぱの場合は葉を1度ちぎって、球体にするってことじゃないかな。」パテイは不安そうに答える。
「まぁ、1回やってみよう。」
ロラットとパテイは外に出た。
「試しに、この石ころを球体にしてみよう。」
パテイは手のひらくらいの石を持ってきた。
ロラットは手を前に出し、願った。だが、石はビクともしない。
「どうやるんだ…」
ロラットとパテイは困り果てている。
パテイは再び先程の書記を持ってきた。
「すまん、言葉が足りなかった。やり方は両手を前に出し、手で球を作る。おにぎりを握る時の手の形に近いな。」
ロラットは早速、手を前に出し、手で球を作る。すると突然、石はグラグラと揺れ、数秒後に石はバラバラに砕けた。砕けた石がひとつに集まり、球体になった。
ロラットとパテイは目を丸くしている。パテイは丸くなった石を持ち上げ、観察した。
不思議なことに球体となった石は砕けたはずなのに、傷ひとつない。
「すっげ。お前、本当に勇者だったのか。」
「疑ってたんですか?」
ロラットが少し笑いながら答える。
「疑ってたよ。スキルのことも知らないし、体力なかったし。」
「確かに勇者を名乗るのは早かったですね。」
「でも今は立派な勇者だ。これからは頑張れよ。まぁ修行はもうちょっと続くけど。」
そう言うとパテイは1本の木に指を指した。
「あれを球体にしろ。出来たら修行の終わりだ。」
ロラットは早速、手で球を作ろうとした。だが、石ころとは違いかなりの力がいる。両手を近づけるたびに重くなっている。
「厳しいようだな。あと数日はあるし、基本の修行をしよう。」
ロラットは数日間、前よりもより激しい修行を続けた。
数日が経ち、再び両手を近づける。前よりかは力が増しているので少しは楽だった。それでも、やっとの思いで両手を球にすることに成功した。
すると木はバキッという音が何回も続き、やがて球体となった。
「おおー!やったな!ついに成功だ!それでは今からセンカ王国に向かうぞ。とその前に忘れてた。スキルを使った物体の戻し方を教える。」
パテイは針を手に持った。
「スキルを使った物体を戻せるのは使用者にしか戻せない。戻し方は使用者の血を1滴、物体に垂らすこと。やってみろ。」
パテイはロラットに針を渡した。
ロラットはやりたくない顔を出しながらも、目をつぶり、腕に針を軽く刺した。血を球体の木に垂らすと、折れてぐちゃぐちゃになった木に戻った。
「そんな感じだよ。それじゃ今度こそセンカ王国に行くぞ!」
パテイが笑顔で言う。
「おー!」
とロラットも大きな声で返す。
ロラットもパテイも腕を空に上げた。
ロラットはリンベにスキルを解除してもらい、センカ王国に向かった。
~ここは西の大陸のどこか~
「ギャウッ!」
✕✕はスモールドラゴンから魔王からの返事を受け取った。
手紙には『ご苦労、✕✕よ。すまないが、勇者は見つけても殺すことはしないでくれ。実は…なのだ。気が済んだらこっちに戻ってこい。』
「なんだよ〜もう!まぁ魔王様の理由も一理ある。けどせっかくこの大陸に来たんだ。この国の強い奴を殺しとくか。」
✕✕は林を抜け、近くにある国へ向かった…
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