親子の再会
ロラット達は爽やかな野原を歩き続けた。どこかでは鳥の鳴き声が聞こえ、辺りでは蝶が飛んでいた。爽やかな風は花の匂いを連れてロラット達に吹いた。
夕暮れ頃に村が見えた。
「あの村ですかね?」
「きっとそうだろう。早く行こう。」
ロラット達は村に入った。すると1人の老人がロラット達の前に現れた。
「わしは村の村長です。どちら様でしょうか?」
「ロラットと言います。こちらの方はパテイさんです。」
「そうですか。ようこそ、イニシャ村へ。狭い村ですけど、ゆっくりしてください。今日はもう遅いですから、宿へ案内しましょう。」
「ありがとうこざいます。」
宿に入ると1人の男性が働いていた。
「宿にお泊まりですか?」
ロラット達は頷いた。
男性は紙を持って来た。
「そちらの紙にお名前を記入してください。」
ロラットとパテイは名前を書き、男性に渡した。
男性は紙を受け取り、確認した。
男性は恐る恐る声を出した。
「ロラットさんはどちらでしょうか?」
ロラットは手を挙げた。
男性は紙に書かれた名前とロラットを何度も見て、奥の部屋へ行った。
少しして、男性とその妻を連れて来た。
妻は震えた声で尋ねた。
「あなたがロラットね?歳は?」
「17歳です。」
「うん、間違いない。ロラット、僕たちは君の生みの親だ。13年前、ロラットが4歳の時だった。この村も魔物に襲われた。魔物がロラットとロラットの姉を攫った。姉は4年前この村に帰って来た。まさかお前まで帰ってくるとは。本当に良かった。」
ロラットは口を開けていたが、言葉は出なかった。けど確かな喜びはあった。
「少しでもいいから話をしよう。パテイさんも一緒にどうですか?」
ロラットの父が誘った。続けてロラットの母とロラットもパテイを誘った。
「そうね。2人の旅の話も聞きたいわ。」
「折角だから話しましょう、パテイさん。」
「そうするか。」
ロラット達は奥の部屋へ行き話し合った。
パテイはロラットの両親へ質問した。
「どちらが勇者の血を継いでいるんですか?」
「僕が継いでいます。」
ロラットの父が話した。
「なぜ勇者の血を引くあなたが宿で働いているんですか?」
「僕も立派な戦士になれるよう修行をしていたんです。亡き父からも幼い頃から、お前は立派な勇者になれると言われていたんです。ですが13年前、魔王が引き連れた魔物はこの村にもやってきたんです。父は戦死しました。僕も戦いましたが歯が立たなかった。子供も取られ、父を亡くし、村も守れなかった私は自信を無くし、こうしている訳です。」
「そうでしたか。」
気まずい沈黙が流れた後、部屋に女性が現れた。
「…」
女性は何も話さず、どこか行ってしまった。
「すみません、あの子はロラットの姉でして、名前はユウネです。」
「そうですか。ロラット、お前に姉がいたんだな。」
「自分でもびっくりしてます。」
「ははは、まあそうだろう。ロラットとパテイさん、そろそろ寝ましょうか。」
「そうですね、今日はありがとうこざいました。」
ロラット達は各自の部屋に戻り、眠りについた。
深夜…
ロラットの部屋に近づく何者かの足音が、廊下に鳴り響いた…
~ここは西の大陸のどこか~
魔王から手紙を受け取った✕✕は早速、中身を確認した。
「魔王様、怒ってんのかな…はぁ、帰ろうと思えば帰れるけど、今帰ると面倒なんだよな。とりあえず、事情を説明して分かって貰えたらいいな。」
✕✕は手紙を素早く書き、書き終えた物をスモールドラゴンに渡した…
読んでくれた方、ありがとうございます! 次回も気が向いたら公開します。




