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勇者の血  作者: 千客万来
11/15

親子の再会

ロラット達は爽やかな野原を歩き続けた。どこかでは鳥の鳴き声が聞こえ、辺りでは蝶が飛んでいた。爽やかな風は花の匂いを連れてロラット達に吹いた。


夕暮れ頃に村が見えた。


「あの村ですかね?」


「きっとそうだろう。早く行こう。」


ロラット達は村に入った。すると1人の老人がロラット達の前に現れた。


「わしは村の村長です。どちら様でしょうか?」


「ロラットと言います。こちらの方はパテイさんです。」


「そうですか。ようこそ、イニシャ村へ。狭い村ですけど、ゆっくりしてください。今日はもう遅いですから、宿へ案内しましょう。」


「ありがとうこざいます。」


宿に入ると1人の男性が働いていた。

「宿にお泊まりですか?」


ロラット達は頷いた。

男性は紙を持って来た。


「そちらの紙にお名前を記入してください。」

ロラットとパテイは名前を書き、男性に渡した。

男性は紙を受け取り、確認した。

男性は恐る恐る声を出した。


「ロラットさんはどちらでしょうか?」


ロラットは手を挙げた。

男性は紙に書かれた名前とロラットを何度も見て、奥の部屋へ行った。


少しして、男性とその妻を連れて来た。

妻は震えた声で尋ねた。

「あなたがロラットね?歳は?」


「17歳です。」


「うん、間違いない。ロラット、僕たちは君の生みの親だ。13年前、ロラットが4歳の時だった。この村も魔物に襲われた。魔物がロラットとロラットの姉を攫った。姉は4年前この村に帰って来た。まさかお前まで帰ってくるとは。本当に良かった。」


ロラットは口を開けていたが、言葉は出なかった。けど確かな喜びはあった。


「少しでもいいから話をしよう。パテイさんも一緒にどうですか?」

ロラットの父が誘った。続けてロラットの母とロラットもパテイを誘った。


「そうね。2人の旅の話も聞きたいわ。」


「折角だから話しましょう、パテイさん。」


「そうするか。」


ロラット達は奥の部屋へ行き話し合った。

パテイはロラットの両親へ質問した。

「どちらが勇者の血を継いでいるんですか?」


「僕が継いでいます。」

ロラットの父が話した。


「なぜ勇者の血を引くあなたが宿で働いているんですか?」


「僕も立派な戦士になれるよう修行をしていたんです。亡き父からも幼い頃から、お前は立派な勇者になれると言われていたんです。ですが13年前、魔王が引き連れた魔物はこの村にもやってきたんです。父は戦死しました。僕も戦いましたが歯が立たなかった。子供も取られ、父を亡くし、村も守れなかった私は自信を無くし、こうしている訳です。」


「そうでしたか。」


気まずい沈黙が流れた後、部屋に女性が現れた。

「…」

女性は何も話さず、どこか行ってしまった。


「すみません、あの子はロラットの姉でして、名前はユウネです。」


「そうですか。ロラット、お前に姉がいたんだな。」


「自分でもびっくりしてます。」


「ははは、まあそうだろう。ロラットとパテイさん、そろそろ寝ましょうか。」


「そうですね、今日はありがとうこざいました。」


ロラット達は各自の部屋に戻り、眠りについた。


深夜…

ロラットの部屋に近づく何者かの足音が、廊下に鳴り響いた…


~ここは西の大陸のどこか~

魔王から手紙を受け取った✕✕は早速、中身を確認した。


「魔王様、怒ってんのかな…はぁ、帰ろうと思えば帰れるけど、今帰ると面倒なんだよな。とりあえず、事情を説明して分かって貰えたらいいな。」


✕✕は手紙を素早く書き、書き終えた物をスモールドラゴンに渡した…










読んでくれた方、ありがとうございます! 次回も気が向いたら公開します。

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