この世界に生まれ変わったら今世は男に生まれました
前世では女に生まれて恋愛相手は男性のみ。でも膨よかな胸や綺麗な女の子も好きだった。きっと好きになったらどっちが相手でも良かったんだろうなぁって…。
実は生まれ変わるなら悪役令嬢が良いなぁって密かに思っていたけど、今世生まれたら男だったのと不思議と前世の記憶もあるから、きっと男としてはかなりテクニックはあるんじゃないかな…。公爵家に生まれたから生活には困らないし、次男だから家族皆が可愛がってくれる。幸せだなぁ。
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12歳の時、父が連れて行ってくれた領地経営の高級娼館で筆おろししてもらった。この世界では12歳になったら父親が必ず連れて行くらしい。何も知らない童貞は許されないそうだ。男としての行為は、はじめてだったから、達した時は目の前が弾けた感覚だった。初めての感じに気絶寸前だった。
ただ、キスや性行為自体は女の感じる所を知りすぎてると驚かれた。本当に初めてなのか?…と。
キルフォード辺境伯家は元々美男美女が多い一族だが、セルジュは美少女と間違われるほど綺麗な顔をしている。
護衛を常に数人付けないと誘拐などの恐れがあるほどだった。
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19歳になった今、マダムキラーと名を馳せマダム達に可愛がられている。
行為の後の触れ合いも忘れない。
小鳥達がする様な、チュチュと軽くキスをする。
「セルジュは他の男と違って、抱き合った後も素敵なのよねぇ」
前世で女性だった経験上行為の後の時間が大事なのはわかっていた。雑に扱われると、どれだけ好きな相手でも虚しくなるから…。
「これはご褒美よ。
またいつでも来てくれるのを待ってるわ」
「ありがとうございます。
でもこれは僕にとってオマケで、ご褒美は貴方ですよ。愛しい人…」
「…! まぁ! じゃもう一度ご褒美に…」
セルジュの言葉に目が輝く夫人。夫人の手はセルジュの頬を触り唇で唇を塞いでいた。
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「また朝帰りなの? お盛んは良いけど身体には気をつけなさいよ」
セルジュに似た美しい女性が階段から降りてきた。
「姉様、ただいま。 気にしてくれてありがとう。愛してるよ」
美しい姉にウインク。
「あ!兄さん、カメリア夫人から商隊通過時の税の引き下げの契約書と追加でローズヒップの独占契約貰っといたから」
執務室に向かっている兄を見つけ声を掛ける。
「さすがだな!セルジュ!助かるよ!」
やはりセルジュに似た美形な兄が優しく微笑んだ。キルフォード家は昔から美貌を有効活用する為、夜伽のエキスパート家族だった。そんな一家の中で随一がセルジュ。落とせない者はいない程の美貌の持ち主。
そんな一家だが、思い合う相手が出来たら、王族だろうが、奴隷だろが、娼婦でも既婚者だろうが、反対される事なく結婚できる掟がある。だから一族は皆恋愛結婚でラブラブ一族だ。
父と母はラブラブ夫婦だが父は元々はキルフォード家に向けられた刺客だった。
…が、暗殺に来た父と依頼対象だった母が一目で恋に落ち結ばれたし、叔父上のパートナーは男性だ。兄嫁は隣の敵対国の第三王女だった。姉の婚約者は魔導ギルド長。どんな相手でも反対は無い。
俺も弟達もいつか運命の相手を見つけるはすだ。代々愛を貫いた一族と領民の絆は半端ない。実際王都より我が領地の方が栄えている。だからこそ、削り取ろう、奪い取ろうと、暗殺者も日常茶飯事に向けられる。どんな暗殺者が来ようが、キルフォード家の暗部に敵う者はいなかったが…。
「ふぅっ。 やっぱり我が家の風呂は最高!」
この世界、風呂はバスタブで1人人が入るのがやっとなのが一般的だが、我が家の風呂は俺が考えた前世で言う温泉宿風だ。10人は余裕で入れる浴槽に水風呂、サウナもあり、半露天まである。混浴オッケーだから誰でも入れる。二人で入ってイチャイチャしたい者の為に3個の鍵付き家族風呂まで作っている。
この掛け流し風呂が出来たのは姉様の婚約者のアルフのお陰なんだよねぇ。
お願いしたら、魔道具で温泉掘り当ててくれたし。
掛け流し最高!
トイレも温水シャワー付き。
風呂とトイレはマジ大事!!
もちろん各自の部屋には一般的なバスタブ付きシャワールームもある。領民の各家にもお風呂と水洗トイレは必ず無料完備してるし。
我が領地は最高だよな。
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舞踏会は情報収集の場でもある。一晩でも自分のモノにしたいご婦人や御令嬢、男性までもがギラギラした目でセルジュ達をを見ていた。いつもの事だが…。
キルフォード家の者が舞踏会に出席すれば必ず一晩のお情けを欲する者達が輪を作る。セルジュだけではなく、まだ婚約段階の姉、マデリーンも運良ければ奪い取ろうとする者達が多数いた。
それ程美貌にも財産にも魅力があった。
マデリーンの婚約者のアルフはマデリーンを誰にも渡すつもりもなく、余裕で蹴散らしているが…。蹴散らしと言うか、裏で抹殺していると言うか…。
両親や兄夫婦も出席しているが、婚姻した後のキルフォード家の者にちょっかいかけようとする者はいない。
ちょっかいを出せばそれだけで死に直結するから。
社交界での暗黙のルールだった。
「セルジュ様、私とダンスをお願い出来ませんか?」
「私が先よ!」
貴婦人達が、『私が、私を』と言っている間に、一人の婦人が手を差し出した。
その手をセルジュは取りダンスフロアに向かう。真っ赤なマーメイド形のドレスには際どいスリッドが入っている。髪も燃えるような赤毛で姉のマデリーンに負けないほどの美貌とスタイルの持ち主。
王妹であり未亡人のクラウディアだった。
「クラウディア様、お久しぶりです。」
「元気だった? お散歩は楽しかったかしら? 私の元にはいつ来てくれるのかしら?」
「このまま連れ去ってしまっても良いでしょうか?」
「ふふっ…困った子ね。」
困ったと言いながら喜ぶ未亡人はセルジュに腰を引かれながら舌なめずりしていた。舞踏会では男女が楽しめる為に自由に使えるベット付きの部屋が用意されている。その中の一室に二人は消えていった。
「セルジュ?何もしてくれないの?」
部屋に入っても見つめるだけで、動こうとはしないセルジュ。クラウディアはして欲しいのに何もして来ないセルジュに焦れていた。
「どうして欲しいのですか?言ってくれないと分からないですよ」
美しい顔で優しく微笑む。
「貴方程の経験者なら分かるでしょう」
上目遣いに伝えてくる。
「ちゃんと言ってくださらないと分からないし、出来ないですよ。部屋から出ますか?」
セルジュはドアに手を掛けた。
「まって!行かないで!」
さっきまで高圧的だったクラウディアはセルジュに完全に落ちていた。セルジュはクラウディアを優しく抱きしめ、キスをした。
「私を服従させるなんて、貴方くらいよ
ふふっ」
「貴方は素晴らしかったです」
「貴方の奥様になる方はどんな方かしらね… どんな方を選んでも私は生きてる限り貴方の味方でいると誓うわ」
舞踏会場での妖艶な笑みとは変わり、聖女のような微笑みで誓ってくれるクラウディア。
「今、この時は俺は貴方の虜です」
嬉しさで頬に涙が伝う。
その涙を舐め取り、身体中にキスをしていった。二人は一晩中一緒にいた。
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夜更けも近づき馬車で帰路についていた
そんな時馬車が急に止まった。
敵襲か!?身構えたが、馬蹄が馬車の先を指さした。
「黒い物が動いてるんです」
何かわからないモノを見て馬車を動かせないでいた。直ぐに暗部の者が確かめようとしたが、セルジュが止めた。
「俺が確認する」
暗部の者達はセルジュの言葉に従った。
実はセルジュの実力は暗部や騎士団の中でも1、2を争うほどだったからだ。
それ以外にもセルジュはこの世界では稀少な鑑定眼の持ち主だった。
近づき鑑定すると黒い塊は悪意や殺意などない、薄汚れた少女だった。
「連れて帰るぞ」
セルジュは薄汚れた少女を抱き抱え馬車に乗せた。
屋敷に着いたセルジュは執事に簡単な食事の用意と少女の着替えを自室に用意する様に伝え、抱き抱えた少女と家族風呂に向かった。着ているものを全て脱がし、自身も裸になり、少女の頭の先から足先まで洗っていく。少女はされるがまま、一言も発しない。洗い終わった少女は金髪碧眼で痩せていてもふっくらした胸とお尻を持ち、耳は少し尖っていた。
『エルフ族?』
エルフ族の特徴を持っていたがエルフ族が持たないふっくらとした胸が、違うとも思わせた。気にしても仕方ない…。気持ちを切り替えて少女を抱えて湯船に浸かった。
「……!?」
湯船浸かったのが初めてなのか、少女は固まっていた。…が、段々気持ち良くなったようで顔も身体も柔らかくなっていた。
「風呂は気持ち良いか?」
コクンと頷いた。
身体を拭き、大きめのバスタオルで身体を包み自室へ連れて行く。部屋には先程指示した食事と少女用の服一式が用意されていた。下着から着せてやり、器用に髪も結ってやった。
「食べれるか?」
コクンと頷きスープを飲み出した。
飲みながらうつらうつらとして、とうとう椅子にすがりながら寝ていた。
セルジュは少女を自分のベットに寝かせ、自身も隣で眠りについた。
目が覚めると少女はセルジュの髪を結い遊んでいた。
『おはよう』
「…!?」
言葉ではなく、少女の声が頭に響いてきた。
『私、声出ない…私の心の声聞こえる?』
「聞こえるよ」
返事を貰えたのにびっくりしたのか、目を見開いた。
『助けてくれてありがとう。お風呂も食事もベットもありがとう』
「どういたしまして。名前聞いても良いかな?」
『名前、無い… 皆からはオマエとか欠陥品って呼ばれてた…』
「…!?…だったら俺が名前をつけても良いか?」
『本当?名前つけてくれるの?私に名前が出来るの?嬉しい!』
「ルナ…はどうかな?月って意味だよ」
『ルナ… 私はルナ!』
極上の笑顔でルナは喜んだ。
「両親は?」
『私が小さい時にととさまもかかさまも死んだって。ととさまは人族でかかさまはエルフ族だったから私はエルフ族に面倒見てもらった』
ハーフだったのか…。
『私欠陥品なんだって皆が言ってた。
人でもエルフでも無いから要らないって…もう一人で生きていけって…追い出された…行くとこ何処もない…』
碧眼の瞳に涙が溢れ出していた。
「大丈夫。ここに居たら良いよ。
ここはルナを嫌がる者は居ないから。安心して良いよ。ルナは自分の年は分かる?」
ルナを抱きしめながら、頭を撫でる。
『16歳…だと思う 成人したから出て行けって言われたから…』
満足に食べていなかったのだろう。腕も足も体全てが、細かった。胸だけは何故かふっくらとしていたが…。セルジュはルナの服を着替えさせ、自身も身なりを整えてルナを抱き抱え食堂に向かった。
「セルジュおはよう」
姉のマデリーンが声をかけた。
「そちらのお嬢さんは?」
続いて母が聞いてくる。
「ルナです。今朝、拾ました。
今日から我が家で暮らすのでよろしくお願いします」
「ルナよろしくね」
「困った事があったら言ってね」
二人とも驚いた様子も無く、セルジュの言葉に納得していた。拾ったと言う言葉は別段問題なかった。屋敷で暮らすという事は危険など無く問題ないという事だから。
『よろしくお願いします』
ルナは声が出なくても、相手に聞こえなくても、挨拶やお礼や返事はする事に決めていた。
「ルナは喋れないので、何かあったら俺に言ってください」
「あら、ちゃんと聞こえたわよ。ルナちゃんの声」
母の声に一度振り向いた。
ルナの声はセルジュと母のセレネにだけ聞こえていた。
「きっと名前が近いからルナちゃんの声が聞こえるのかしら?
セルジュがいない時に困ったら私に言ったら良いわよ」
母と言うより姉に近い見かけの母が柔らかく笑った。母の隣にいる父はルナの頭を優しく撫でた。
ルナは生まれて初めての温かさを感じ涙が溢れていた。
心の中で、
『夢なら覚めないで…』
と願っていた。
セルジュに拾われた事でルナの日常は一変した。エルフ族といた時はお腹いっぱいに食べた事もふかふかのベットに寝た事も綺麗で暖かな服を着た事もなかった。生きている幸せをはじめて味わった。
「ルナの部屋はここだよ。
俺の部屋にも母の部屋にも近いから安心して。」
「ルナ様、私がルナ様の担当侍女になるフェリスです。
何でも言ってくださいね」
フェリスは膝をつきルナの手を取り挨拶した。年齢はフェリスが、少し下くらいか。
ルナは言葉の代わりに精一杯の笑顔を返した。
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「またか…」
セルジュが目を覚ますと隣にはルナが寝ていた。
夫婦以外の男女は一緒に寝てはいけないと教えても、目が覚めるといつもルナがいる。
朝帰りの時もルナはセルジュのベットで寝ている。
屋敷の者も家族も慣れてしまっていたが…。
『セルジュ、おはよう』
「起きたかい?おはようルナ」
『今日のセルジュは赤薔薇の匂いがするね』
「そうかい?」
昨夜の相手の令嬢の匂いかもしれない。
風呂に入ってもルナは何故か相手の残り香を言い当てる。
エルフは鼻が良いのか?
そんな事を考えていたらルナが呟いた。
『私の匂いは付かないね…何でかな?
私ね、セルジュの匂い好き。でもセルジュに付いた匂いは嫌い…』
笑って誤魔化すしか無かった。
ルナは少しずつ食べる量も増えて、少しふっくらしてきた。
「ルナちゃんはどんどん可愛くなるわね
今日は新しい服を買いに行きましょうね」
母と姉はルナの世話をやくのが楽しみだった。
「セルジュ、今日の買い物は付き合いなさいよ。荷物持ちしなさい」
「分かりましたよ」
前世では女性だったから、実は買い物は好きだった。
お供でもなければ、女性の店には入る事もないので、チャンスではある。
持って帰る既製品の服とオーダーメイドのドレスを注文し、小物や靴を母と姉が吟味している。
ルナはアクセサリーコーナーの商品を見つめていた。
大きめな月の形ネックレスだった。
金にサファイヤが付いている。
「気に入った?」
『セルジュの髪と瞳の色だね。綺麗ね…。』
「欲しい?」
『ううん。沢山買ってもらったから、大丈夫』
ルナは母に呼ばれて、その場を立ち去った。
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部屋に戻ったルナはサイドテーブルの上にある小箱に目が止まり、開けてみた。
『……!?これ!……セルジュ…。』
昼間ルナが見ていたネックレスだった。ネックレスを手に取った瞬間涙がでた。
胸が熱くなった。
自分はセルジュが好きなのだと気がついた瞬間だった。
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「ルナは我が家から嫁に出すんだから、良い男を見つけないとな」
食事中のセルジュからの思いがけない一言にルナの瞳から涙が溢れた。
「ルナちゃん?大丈夫?」
セレナが心配して声を掛けた。
マデリーンは
「わた、しは、セルジュがす、き。 すてな、いで…ひとりしな、いで。 すき…あ、あいして、るから……」
ルナは涙をいっぱい溜めながら一生懸命声を出した。
「…!?」
セルジュはルナをそっと抱きしめた。
「俺で良いのか?」
「セルジュが良いの!」
お互いの意思を通じ合い唇を重ねた。
セルジュはこの世界で男性に生まれたのはルナに出会う為だと感じていた。
「ルナちゃんが私の娘になってずっと一緒に暮らせるのね。お母さんは嬉しいわ」
キルフォード一族はセルジュとルナの事を喜び、ルナはキルフォード家の一員になり笑顔の絶えない人生を送りました。
この作品を読んで頂きありがとうございました。
今まで書いた作品と少し違う感じの作品ですが、気に入って頂けたら幸いです。
良かったら評価頂けたら嬉しいのでよろしくお願い致します




