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4.光音の過去

光ちゃんはカタカナ表記の方がわかりやすかったかもしれませんね。反省。

「ふぃー」


 解けなかった問題を粗方(あらかた)消化して気分がスッキリしたのか、訪問した時より彼女の顔は晴れやかに見える。


「勉強も大事だが、健康も大事だぞ。試験当日に眠くて気合いが入らない、なんてなったら実力の半分も出せなくなるからな」


 賢人はヒカリの事を心配して言ったのだが、本人は頬を膨らませながら反論した。


「なにそれ、変な説教やめてよ。ヒカリだってちゃんと考えてるんだから」


 怒られると立場が弱い賢人は素直に謝る。


「そうか、悪かった」


 ヒカリはニッコリしたが、すぐにため息をついて「やっぱりダメ」と意気消沈。

そんなことはないぞと元気づけたが、浮かない表情で愚痴を続ける。


「先生は、頭がいいから平気なんです。

良い学校に入るには努力と根性だけじゃ、越えられない壁があるんですって。

私にちょっとでも秀才君のような才能があったらよかったのに」


変な名前がでてきたので、話しを聞くと


「同年代で大学に飛び級した男の子がいるんです」


ヒカリと同年代といえば、うちに飛び級してきた子もそうだなと思った。


「ひょっとしてその子、名前がミオンだったりして」


何気なく名前をあげると、ヒカリは驚き、その事に賢人も驚いた。


「え? 先生、ミオン君のこと知ってるんですか?」


賢人は大学名と、編入してやってきたミオンの事を簡単に紹介すると、ヒカリはうれしそうに頷いた。


「あの私、ミオン君とは小学校がずっと同じクラスだったんです。

中学は違ったけど、名門中学を主席で卒業した神童って噂は聞いていて。

そしたらこの前、新聞にミオン君の記事見つけてビックリしちゃって」


 二人は名前が似ていたこともあり、よく遊んでいたそうだ。

 その頃のミオンは、意外にも同級生からは敬遠されていたらしい。

 親たちからは尊敬のまなざしを浴びていたが、比較されることで勉強を強要させられる劣等感のようなものが、彼に、向いてしまったようだ。


「ミオン君は、一人でも全然気にしてなかったよ。それに話が面白くて、私は好きだったんだ」


 魔法、悪魔、精霊。今で言うファンタジーのような世界ではじまる物語。

 飛び級するほどの才能があればこその閃きか、もしくは作家の父親が影響していたのだろう。

 ミオンの意外な一面が聞けてうれしかった。

 何度も読み返して、文章を訂正すると、無駄な部分がそぎ落とされて、結果的にこの長さになってしまう。

 情景描写が少ないので、分かりづらいと思いますが、皆さんの想像する女子高生の部屋で、大学生との二人きりのシーンを思い浮かべて下さい。


■登場人物

賢人けんと:主人公。源家で家庭教師のバイト中

ひかり:女子高生。頭が悪いわけではないが、成績がよくないのは確か。

光音みおん:十八歳だが飛び級して賢人と同じ大学に通う大学生。T研でも活動中。小学生の頃、ヒカリと同級生だった。


■プチっと業務連絡

2022年11月、VOICEVOX(音声合成ソフト)を使って音声化はじめました。ストーリーは変わりませんが、文脈をいじってます。整理できたら随時更新していきます。@siropan33_youで公開中。


▼朗読動画の再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PLqiwmhz1-5G0Fm2iWXSjXfi1nXqLHzi_p

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