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10.あの時の婦人警官

 ナナハルは本当に異世界へいってしまったのか。


 ミオンの意見を聞いて三日たった今も、賢人はまだ迷っていた。


 誰が聞いても口を揃えて作り話だと笑うだろう。


 薫子以外にも、誰か相談できる相手がいないか考えていた。


 この突拍子もない話をまともに聞いてくれる人物。


 そしてある人物の顔が思い浮かんだ。


 行方不明者届を出したとき、対応してくれたマキさんならもしかしたら……


 マキさんは弟の件で、近くの警察署からやって来た、警察官の一人である。


 祖母と賢人に事情聴取をした婦人警官で、制服姿がかっこよかった。


 細身で身長が高く、ショートカットの黒髪に、やや吊り目でキリッとした眉毛、


 丸い鼻だが鼻筋がとおっていて、時折見せる笑顔が素敵な女性だった。


 どことなく薫子に似ていて、何度か会ううちに親近感がわいてきた。


 マキさんが巡回してきたときは、よく話し相手になってくれた。


 家族も元気をもらい、生きる勇気をたくさんもらった。


 せっかく見つけた手がかりを、ここで不意にするのは勿体ない。


 しかしいざスマホを取り出すと、急に緊張してきた。


 何度か深呼吸して心を落ち着かせ、慎重に番号をダイヤルする。


 無事警察署につながると、うわずった声になりながらもマキさんをお願いした。


 待っている間、春を連想させるクラシックのメロディーを聴いて、ひとまずほっとする。


 席を離れているのか、なかなかでない。


 そしてようやくもらった返事に驚いた。


 退職していたのだ。しかも三年も前だという。


 それは知り合って四年後のことになる。依願退職だったらしい。


 あとのやりとりは記憶にないが、通話を終えた途端、自然と涙が溢れ、唇を噛みしめていた。


 あの日見た笑顔の記憶が、だんだんと薄れていく。


 警察官にとっては業務の一環なのだから、家族とは温度差があるにきまっている。


 他にも複数事件を抱えれば、一件に対しての対応も変わってくるだろう、仕方ないんだ。


 気持ちを切り替えようと、あらゆる理由を模索し、そして涙をぬぐった。


 天を仰ぎ、大きく深呼吸する。


 ミオンがくれたこの情報、必ず生かしてみせる。


 そして再びスマホを操作し、薫子に電話した。

■プチっと業務連絡

2022年11月、VOICEVOX(音声合成ソフト)を使って音声化はじめました。ストーリーは変わりませんが、文脈をいじってます。整理できたら随時更新していきます。@siropan33_youで公開中。


▼朗読動画の再生リスト

https://www.youtube.com/playlist?list=PLqiwmhz1-5G0Fm2iWXSjXfi1nXqLHzi_p

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