1話 プロローグ
こんばんは。
本日から新連載をスタートさせていただきます。
初日は3話連続投稿としますので、是非是非読んでみてください!
これから何卒宜しくお願い申し上げます。
ここはとある世界のとある街。
ベルティカ王国の北西に位置する、活気に溢れた中枢都市”アストラ”。
その人口は王国全体の約3割ほどにも達し、国内だけにとどまらず、世界各国から大きな注目を集めているとても栄えた街だ。
レンガを基調とした建物が並ぶその街中には、セルリアンブルーの澄んだ川が流れ、その景観を一目見ようと、たくさんの地域から観光客が集ってくる。
青く広がる天地に挟まれながらの優雅な川下りは、ここアストラでの一番の観光名物であり、この街が世界に誇る最高のおもてなしの一つでもあるのだ。
さらにアストラは、ベルティカ城が置かれている王都。
人だけではなく、物の流通も非常に盛んな街だ。
貴重な薬草やここでしか手に入らない調度品。
この街一番の商店街に一度足を運べば、なかなかお目にかかることができない珍しい発見に、幾度となく巡り会えることだろう。
ちなみにこれは噂で聞いた話なのだが、この街の外から来た商人や業者は、軽い散歩で商店街をふらりと歩っているだけで腰を抜かしてしまうらしい。
どうやら次々と珍しいものに居合わせるせいで、精神が持たないんだとか。
まあこれはあくまでも噂でしかないのだが。
それくらいに珍しいものが、この街に存在しているというのは事実だ。
別名を”流通の街”だなんて、万人に呼ばれているぐらいではあるだろう。
とはいえ。
ここはベルティカ王国の王都。
国王が暮らしている上に、商業にそれだけの秀逸性があれば、この街が栄えるのも納得のいく話だ。
実際この街での流通がもたらす利益は、街全体のおよそ4割ほど。
商人や業者を本職としている割合も、住人の3割ほどとかなり大きい。
流通がこの街の経済を支えている、といっても過言ではないだろう。
しかしだ——。
ここアストラには商業とは別に、もう一つ世界に誇れる文化がある。
それは観光や物流とは少し違う、世界でも稀に見る職業の存在だ。
その職に就く者たちはこの街の守り神とも呼ばれ、街中だけではなく、この辺り一帯に住む者たちからもとても厚い信頼を受けている。
彼らはこの世界のため、そして己自身のさらなる成長のために働き、”戦い”という命の奪い合いを持って、利益を上げることを生業としている。
そしてそれは多くの民に必要とされ、今では街に住む若者のほとんどがその職に就くとまで言われているのだ。
では——。
果たしてその職業とは。
それはここ”王都アストラ”が全土に誇る、モンスターと戦う者たちのこと。
それが”冒険者”と呼ばれる者たちである。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
次回投稿は日付が変わった0時10分ごろです。
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