刀剣炎武-(自称)学園を操る者たち-
「決闘よ!」
赤髪の少女は険しい眼差しで目の前の少年を睨み付け、帯剣を抜き出した。
すると、先ほどまで苦笑しながらこの場を乗り切ろうとしていた少年の顔色が一転する。
「俺は……たとえ、女でも手加減はしない」
少年は腰に携えていた刀を鞘から取り出す。真剣そうな少年の眼差しを見て、少女は微笑を浮かべた。
「思っていたよりも、意外とやる気なのね。だけど、その思いだけでは絶対に勝てないわ」
少女の周囲の景色が揺らぐ。それは、陽炎。少女を中心として熱波が吹き始める。
紅いその光景……心象具現。人の奥底に眠る心を現実に映し出すその力。個人個人で異なるその力、少女の心象具現は……炎。
「私の名前はアスナ・F・サントラカス。手加減してあげるわ。転入生なんだからね」
アスナの頭上に炎が集まり、槍の形を作り出す。少年は刀を構え、その瞳は微動だにしない。
【速報】日輪の姫様 名の知れない転入生に瞬殺
そんな見出しが、裏会のニュースに流れ出す。ここは、東和の情報が集まるネット掲示板。
ある一定の手順でしか、アクセス出来ず、学園のありとあらゆる情報を手に入れることが出来る。デマも多いが。
『転入生は刀使い。自前の武器を持っていた。フェーズ1で、属性は謎』
『刀使いで、フェーズ1で、姫様撃破とかヤバ過ぎwww』
『姫様フェーズ2まで移行してないんでしょう。ナメプして負けたんじゃない』
『いや、姫様のフェーズ1で並大抵のフェーズ2移行者倒せるから……』
『↑体験者乙』
『↑↑乙乙』
『で、転入生他の情報ないの?』
『えーと、爽やかタイプで結構カッコいい感じ? 日本刀を構えた姿とかギャップ萌え』
『本人降臨か? 戦闘動画見てないんだけど、どっかにあがってないの?』
『ほいよ』
『おっ、サンキュー。ふむふむ、姫様ナメプしてるが、そこまで手加減してるようには……』
『この一件で姫様の順位下がるのか?』
『無いんでしょう。非公式試合だし。てか、何で決闘してんのこの二人?」
『さあ?』
『何か、穢されたとか聞いたけど』
『ガタッ!』
『ガタッ!』
『何か、面白うことあったの? ナニコレー、転入生がランキング上位陣を倒すって何そのラノベ。笑えるんだけどww』
『それは俺も思った。転入生氏ね』
『姫様転入生のハーレム要因第一号か。滑り台確定じゃないか』
『もっと、真面目な事を……』
『そういうのは、戦術板とかでやってんじゃない。あそこのランキング笑えるから』
『そういえば、ランキング表まだこの板に載ってないな』
『まあ、所詮姫様は六位。転入生は運が良かったな俺が相手じゃなくてな』
『同意(笑)』
ここは裏会。(自称)学園を裏から操る者たちが集まる場所。
発掘したら出てきました。少し前に流行った設定を、勢いで書いたみたいです。後悔してません。続きません。