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四話……だと……?
その一撃に啓介の体は腕の中に収まっていたケットシー族の少女、リアンナ・キルトともども宙を舞った。
「ぐおっ……」
「んにゃあ?」
啓介とリアンナは共に身を捻り、危なげなく着地した。
「大丈夫?! アン!」
そこへ緩くウェーブした金髪をツインテールにし、長剣と盾を手にし、胸甲などを身に付けた少女、アリシアナ・アイシスが駆け寄った。
「だ、大丈夫ですアリス」
艶の出ない黒い革鎧を装備し、両腰に短刀を差したリアンナは慌てるように頭を振った。
その姿に、アリシアナは軽く息を吐いた。勢いもあったとはいえ教官の啓介もろともに友人を吹き飛ばしてしまったのだ。
大事無くて安堵したのだろう。
「……あー痛」
一方啓介は赤くなった鼻の頭を擦りながら立ち上がった。
そんな彼にアリシアナがジト目を向ける。