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水球師の日常  作者: 桃花
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そろそろ降り始めるな。全員移動し終わったかな?と思いつつ陣の準備をしていると兄から全員位置に付いた。と連絡が来たので安心する。安心した所で雨がぽつぽつと降り始めたと思ったらすぐにザーッと降り始め数分後には、視界ゼロになる。頭上に準備していた陣を発動する。このくらいの雨脚ならすぐに終わると考えながら足元の水分も調節する。わざわざ数か月かけて馬車で移動しながら調節するのが面倒だから今のうちに出来る事はやっておくのが賢い事だと思う。

頭上に雨水を足元と言うかそこを中心に数十個大地の水をくみ上げる。同じような形状になっているので、色を変えることにする。雨水をいつものように青色。大地の方を藍色にして間違え防止しておく。大地の方は農業用にしか使えないので間違うと大変になってしまう。私のは陣を弄っているので飲み水にしても良いようになっているが、法律上の問題だから何とも言えない。

予想した通り30分後には、雨が上がり始めた。頭上に集中しなくても良いようになったので足元に力を入れる。足元と言っても私がたっているのは、奥にある沼の中央だ。水の上を立てるように陣を工夫しているから良いが、普通はボートに乗ってとなるだろう。これを見ている関係者がなんか言いそうだから陣を公開した方が良いのか?今度兄貴に聞いてみよ。そこら辺は本家や兄がしっかりしているから好きなような工夫を出来るから本家大好き

沼は直径5キロになっている。これだと農業に差支えが出るので半分くらいにしないといけない。乾季になるとこの沼が農業用のため池にするので人が通れる場所を作らないといけないから周りをしっかり水抜きをして歩きやすいようにして置く。水汲み場を作りやすいようにして、避難後すぐに工事に入って貰えればいいだろう。沼自体は山から水が流れてきているので水が切れることがないしちょっと離れているから馬鹿みたいに水を汲まなきゃ枯れることはない。ぐるぐると足元を中心に回る脱水をかけていく陣。雨が完全にやむまで待機していないとだめなので余った時間に奥の調整に充てる。出張は此処の確認をして微調整をして完了だな。仕事が早く終わってよかった。ホクホクしながら集合場所に行って転送する。

 兄に無事に終わったことを説明して他の場所がどうだったか確認するとやはり山間は、山津波つまりは土砂災害が起きそうになったそうだ。雨が降り始める前に気づいて調整したので問題なかったそうだが。

「やっぱり用意してよかったね。それから明日でいいから避難を解除してもらっていいよ。一日様子を見ないと何か有ったら困るから」

「わかった。他に何かあるかい」報告所を作っている兄が聞いてくるので奥の沼を調節したことを報告すると

「そうか。お疲れ様。調節で得た水球はどうする?」自分で保管する人と庁舎で保管する人が居る。自分で保管するなら好きな時に使えるが、保管するのが面倒。

「庁舎でお願いします。面倒だから。水球は買い取ってもらうかな?どのくらいなのかな」レートはどうなのかな?考えていると入ってきた明華さんが教えてくれる

「今は中級レベルなら1個20くらいですよ。それによって違うみたいですけど。鑑定してみますか?」鑑定士の免許を持っているのでお願いした。

じっと水球を見ている明華さん。協会でも鑑定待ちのこの瞬間が一番嫌いだ。ドキドキしながら待っていると

「これなら1個30か40で買い取ってもらえますね。でも、そんなにお金を貯めてどうするんですか?」そういえば今は役人さんだっけ?でも

「名前だけなんだよね。当主と言っても飾り。実際、仕事しているのは兄だし契約していないからね。契約上はただの調節師なんだよね」笑って説明するとあら。と驚いている明華さん

「表に出たくないからそういう風にお願いしたんだ。縛りなんて少ない方が良い。余った時間は好きなことをするんだ」そう言うと納得している明華さん。

「私が居るから文官は問題ないだろ?飾りを優希にお願いして私も文官を集中させてもらう。それに、表の交渉事は本家にお願いしているから本当に出ないといけない所にしか顔を出さなくても良いからね。少ないストレスで収まるだろう」

「それでも私にしてみれば、かなりのストレスになるんだけど」顔を売りに行くのが面倒だと安易に言うと笑われてしまう。

「最低限にしておいたから我慢してね。ちょっと顔を出したらすぐに本家にバトンタッチしていいのにね。体調が思わしくないとか言ってすぐに引っ込んでくるんだろ?」そう聞いてくるので頷く。

「当たり前でしょ。面倒事も人の目も嫌いです。遊びに行くなら図書館と採取がベスト。ふらふらしながら採取するのも目的を持って採取するのも大好き。それを調合して好きなものを作るのも大好き」宣言すると笑われた。

「そうそう。ギルド(協会)から発注が来ていたよ」書類を出してきたのを受け取り目を通してみる。化粧水の発注が入っている。試供品を配った先輩と受付のお姉さん分だな。

「これなら材料があれば数日で出来るけど材料がな。休日になったら採取しに行こうかな。次の休みっていつだっけ?」

「自分の休みを把握してください。2日後ですよ」呆れながら教えてくれる明華さん。あれ?今回の分の休みはなしなのかしら?

「今回の件での処理に明日も出てきてもらいますが、今日はこのまま休みに入ってください」そう言い渡されたけど休みなしですか。半ブラック企業か!

「聞くと凄い事になっているけど、書類を作成するだけだから出てきて寝てたらいいのだから問題ないだろ?一応トップが出てこないとできない書類があるんだよ」兄が説明してくれる。

「お前ように当主部屋を改造して昼寝とか漫画大会出来るようにしているからゆっくり休んでいいよ。私は書類仕事に集中できるから優希が当主になってくれて大変楽だな」ニコニコしている。

「当主の仕事何するの?書類を作成するために何かするの?」一応確認する

「別に。庁舎に居ればいいだけだよ。いないと発行できなからね。理屈はどうかわからないけど」兄が教えてくれる

「要ればいいの?」再度聞いてみると

「要ればいいの。いるだけで勝手に書類を発行できるようになっている。ちょっと魔力をとられるけど水球を作るだけ取られないからね。ほんのちょこっとだから大丈夫だろ?」

「なら兄がやっても問題無いのでは?」聞いてみると渋い顔をしながら

「ちょっとずつ魔力をとられると書類作っていると集中力が切れるんだよ。面倒だから嫌なんだ」そう言う兄。書類作っているときの集中力が半端ないですもんね。わかります

「そうか。いいところで邪魔されるとイライラするよね。わかる」同意すると頷いている

「じゃ。明日はゴロゴロしながら魔力をとられていればいいのね。すぐに終わったらフィールとで材料採取してもいい?」聞いてみると

「いいよ」兄が許可してくれる。これで問題なく遊びに行ける。よかった。よかったと宿に戻りゆっくり寝ることにした

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