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水球師の日常  作者: 桃花
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雨の降る間隔が長くなり降水時間や降水量が少なくなってきた。そろそろ雨季が終わり乾季が来る。農業やそのほかの雨季には活動ができない職業が活発に動き出し私たち水球師は暇な時期になる。と言うのは嘘です。稼いでも稼いでも水球師の装備(体一つで出来ません。夜間の場合は寝ないようにするものとか。防寒具とか必要なんですよ)とか作った水球が売れなかったりと言う理由で以前も言った通り副業をしないと火の車になってしまう。

今年は、薬師の免許を初級取得できたので自分で採取した薬草を使って精製するので少し経済的に楽になるのかな?と思ってます。

フィールドに出る時は、用心には用心を重ね無いと大変。去年は軽く見てフィールドにいる一般的なうさぎ(頭に角がありジャンプしてさしてくるという凶悪動物)に囲まれ、波状攻撃にあって大変な目にあった。あれですよ。水圧を弄って金属でも切れる水の刀と脱水を複数展開して倒しても倒しても湧いてくるうさぎ。逃げても・逃げても襲ってくる白い弾丸(一部赤く染まってました)最終的に水球を叩き込んで・脱水して・水の刀を自分を中心として回転させましたよ。一面血の海でうさぎの肉のミンチが出来上がりましたが、一掃できてほっとしました。

ギルドの職員にその後、かなり怒られたが私は悪くないと思ってます。2・3日うなされたし。

と言うことがあるので、下準備を完璧と言っても良いようにしてあげようと思ってます。採取人の基本装備と言うと、軽い皮の胸当て・厚めの生地のズボン。腰には、採取した薬草を入れる袋と採取用のナイフが常識。私の場合は鎖帷子を着て人除けのローブ。ズボンは厚めの生地のズボンを着用する。今回は、獣除けの効果があるシンボルをローブに縫い付けておく事にした。前回みたいにならないために。後、ナイフは切れるものを用意して小分けに出来る袋も用意する。簡単なものなら自分でも作成できるので、袋用な皮を買ってきて小分け袋を量産する。フィールドに出れば平気で2・3時間帰ってこれないから鮮度が落ちると買い取り価格だって落ちる。自分が使うものを分けないと買い取りカウンター前で迷惑をかけることになるので注意している。

チクチクと針を動かしているのを周りの人はチクチク見てくる。場所が場所だから仕方ないけど、居心地が悪いのは此処の特徴だと思うと気にしなくても良い。時々自分で入れたお茶を啜りながら皮の袋を10個ほど縫い上げる

「いつも思うが、その無関心どうにかならないのか?」横から声をかけてくるのは従妹の一花さん。私のような人間にも優しい人間だ。小さい頃からの仲良しさんなので、作業中の私に声をかけてくる。

「何が?」聞き返しながら紐を袋に通す。ちゃんと袋が閉まらないと中に入れた水が漏れて荷物が大変とかになったら大変としっかりチェックしていると

「だから。目の前で展開されていることについてコメントは?」目の前で展開されていると言われて視線を向けてみる。入ってくるときも思ったが、妹は何故奴隷のしるしであるピアスをしているのでしょう。しかも、夜専門奴隷のピアスである緋色のピアスを。逃げないように捕縛用の術がぐるぐる足元に回っている・・・

「私が居ない間に何をしたのか知らないけど、これが結果なんでしょ。それなら致し方が無いと思うけど?そもそもこの人に甘々な両親が騒がないということはそれ位の事をしたか同じように奴隷に落とされたかでしょ。お父さん・お母さんは魔力が強いから戦闘用奴隷ってところかしら」再び袋作成にいそしもうとすると苦笑している人たちが見える。

「変わらず。だな」そう言って隣に腰を下ろしながら笑っているのは、叔父の弘一さん。

「人間はそう簡単に変わらないですよ」テーブルに置いてあった布を手に取ろうとして弘一さんにどけられる。むーと膨れると針も一花さんに取り上げられてしまう。

「さて、審議を始めたいと思う。知っているとは思うが」と今回の審議開催について説明をしてくれるのは、司会進行兼判事の総一郎さん。貴族では無いが国にある程度の権力を保有する事を許可されている者の血筋だから問題ごとを起こさないのが基本。起こした場合は即刻切り捨てされるか、起こしたものに見合った罰を受けることになる。権力を持つということはそういうことだと小さいころから周りの大人に言い聞かされているので普通は問題を起こさない。起こしても自分で解決する事が躾けられているが、妹は甘々に育てられていたので忘れてしまったのだろう。そう思って説明を聞いていたが本当だったとは・・・・

 何で婚約者候補に名前が挙がっただけで婚約者気取りで周りに接したのでしょうか妹よ。しかも、自分より階級が高い婚約者候補有力者に嫌がらせって・・どこの悪人役ですか?それをして褒められると思っていたんですか?それを知って放置とかお父さんたちも。甘すぎません?ちゃんと考えて行動を制限してくださいよ。面倒くさいことになって一族皆に迷惑をかけるとか考えなかったのですか?私が同じような事をしようと素振りでも見せたらそのまま座敷牢にぶち込む癖に。

「何考えてるんだか」ぼっそっと呟いたのを聞いたように

「本当にそうだと思うが。今回は姫野様の方から被害者並びに周りの関係者に謝罪をしたうえでそれを奴隷として当家で管理するなら無かったことにする。と寛大なお言葉をくださった」そう説明する総一郎さん。それで奴隷落ちしたんだ。しかも一族管理なら軽いな。夜用の奴隷に落として他国。特に妹の様なかわいい容姿の人をひどく扱うようなとこに売りに出せ。とか言う人もいるのにね。よかったね良い人で。で、なんで審議に徴集れたのかしら?処置が決まっているのならば審議などする必要性がないだろう?

「それと。代わりの婚約者候補を挙げるようにと指示をいただいた。今回のようなことが無いようにしっかりした人選をしたいと思うがどうだろう」総一郎さんが皆に聞いているけどさ

「そもそも何故?今回のようなことがあったら普通は関係もなかったことに。となるはずですが」私と同じような疑問を抱いた人が尋ねると

「どの候補者も血が濃すぎる。との返答だ」総一郎さんの言葉に納得がいく。

見合った階級の者たちとあらから婚儀を結んでいるため血が濃すぎてしまっているのだろう。近すぎる血は後世に悪影響をもたらすことがあるから一度も混ぜたことが無い所をと言う思惑か。確か、姫野様の長男って兄ちゃんと同じ年だから25歳か。それならと血族の中で同じような年齢の人たちを思い浮かべていると

「優希はどうだ?」の声で意識を審議に戻す。

「どうだ?とは」聞いてきた総一郎さんに聞き返す。私はまだ20歳ですよ?世間的に言えば婚期を逃がしているかもしれませんが、水球師として仕事しているし。家に縛られてた婚儀は望んでません。つか、今回の件で呼び出されるとは思ってもいませんでしたし。

「だから。婚約者候補としてあがるつもりはないのかと聞いている」やれやれ。そういった風に再度聞いてくる総一郎さん。

「無理。興味ない。と言うか水球師になったから家のしがらみから解放されたと思ってたし。うちのことは兄さんにすべて任せて放置がベストが私の見解。先ほどから気になっていたんだけど。兄貴はどうしました?普通は家族の長が出るもんですよね?審議って」聞き返すと。ああそうだ知らなかったよな。と言った風に隣の弘一さんが

「お前のとこの兄貴な。心労がたたって倒れた。ついでに、家長の座からも降りてもらった」衝撃の事実を暴露してくれる

「は?心労。いや。そこら辺はわかるけど。なんで家長の座から降ろしたのさ。うちの子飼いたちの言うことを聞かせるのは兄貴くらいだよ。それにうちの権限で出来る事をきちんと理解して動かせるのも」何してんの?と抗議すると

「お前が居ない場合だろ。さっさと家長の座に付け」ぎろりと審議の間にいる全員に睨まれました。

「嫌です。婚約者候補に挙がって表舞台のドロドロに巻き込まれるのも。家長になってフィールド管理や国との駆け引きのドロドロに巻き込まれるのも。絶対やりません。あれですよ。弘一さんとこの次男に来てもらって。そこの奴隷の管理しつつ子をなしてもらうとか」いい館じゃないですか。と面倒な権限から逃げようとすると。全員やれやれと言った風に首を振っている。

「それは、血族ではないだろ。弘一のところの次男はまだ16歳だから家長なんかに付けるわけないだろう。そもそもお前のところの子飼いが従うわけないだろう」突っ込んでくるのは東の方のフィールドを管理しているおじいちゃん。

「そうだ。血族でしかも長男の博正に従わないあれらが」馬鹿だろお前。そういう目を向けてくるのは西のフィールドを管理しているおじさん

「そうよ。情報収集と外交は私と弘一さんが手伝うからね。家長の座に付いた方が良いと思うの」優しく進めてくるのは隣の一花さん。

「じゃないと。討伐隊長の博昭と従事長の明華が突撃してくるぞ」聞き捨てならない事を言ってくるのは弘一さん。

「は?なんですかその物騒な予想は。博昭も明華も面倒だから嫌なんですよ。やれ疲れるからとか怪我するからと人を執務室から出そうとしないし。気分転換のために外に行こうとすると力ずくで阻止しようとするし。水球師の免許をとりに行くにも大変だったんですから。絶対嫌ですよ」もうあんな生活したくない!!叫ぶと

「仕方ないだろう。幼い時はひ弱だったのだから。あいつらだって心配なんだろ?」子飼いの典型的な反応だろ。お茶を飲みながらそんな事を言う総一郎さん。

「家長になるか婚約者候補に挙げられるかどちらかにしろ。一年遊んでいたんだから良いだろ。そのうちあいつらだって外に遊びに出るくらいなら許可してくれるだろうから」どうする?そう聞かれても・・究極の選択じゃないですか。きらきらした人たちの前に出て行って駆け引きするか。家長になって面倒な書類整理とか外交とかしないとだめか・・・・

「家を継ぎますが、外交とかは違う人にしてもらっても良いですか?人と接触したくないので。代理と言うかそっち関係に明るい人を引き込んでならやります。書類整理だけなら受け持ちます」項垂れて言うと

「仕方ないな。優希の人嫌いは治らないからそれで手を打つことにしよう。婚約者は東の次女がちょうどいい年齢だろ。それでいくことにする」満足げに総一郎さんが良い審議会は幕が下ろされた。面倒だから水球師になったのに。頭悪いし交渉事も嫌いだから家長にならない方法を選んだに!!とうなだれていると頑張れと皆が肩や頭をポンポンと叩きながら退室していきやがった

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