#2
あー疲れた。そう思いながらギルドから帰宅して布団に潜りこむ。数時間後、目を覚まして窓を見ると山際が徐々にオレンジに綺麗に見える。明日は、晴れるな。晴れたら洗濯を天気干ししよ。やっぱり洗濯ものは、天日干しが一番だよね。そう思いながらシャワーを浴びてさっぱりしていると連絡ツールがピヨピヨしている。連絡ツールがヒヨコ型なので着信があるとピヨピヨ鳴くのである。ヒヨコを持ち上げ着信履歴を読み上げてもらうと(読み上げる場合は、人間の渋い声なのが不思議)お兄ちゃんとギルドからだ。件数が100件とか凄い事になっている原因は、お兄ちゃんなんだが。留守電に伝言が入っているので聞いてみるとギルドからは、起きたらギルドに来てください。との事だっだ。なんでしょう。まあ、行ってみればわかるか。ちょっとドキドキしますが。お兄ちゃんからは、帰宅を促す伝言が入っているが独立している妹に何を言ってらっしゃるのかしら?無視・無視。
ギルドにドキドキしながら行ってみるとホールには先輩方と新人さんが離れた場所に座っている。まあ、ここら辺は当たり前かと思うが、なんで昨日のメンバーが全員集合しているのかしら?疑問に思いながら進んで行くと先輩がよっと言った感じで手を挙げて挨拶してくる。普通は人除け君は、認識されても気づかれずらいように作っているのに何故かわかるしっかり者の先輩。今度、秘訣を教わって完全にばれないようなものを作らなくては!!そんな事を思いつつカウンターに近づく。
「遅くなりました。連絡が入っていましたが何かありましたか?」そう聞いてみると「ああ。今、説明をさせていただきますのでこちらに」カウンターから出てきた職員さんに連れていかれたのは、会議室の1つ。中に入ると別の職員さんが座っている。カウンターさんの声で気付いたらしく資料から顔を上げてこちらへどうぞ。ソファーを進めてくれるので人除け君を脱いでからソファーに座る。
「どうも。初めまして木村さんですよね。私、進級監査員の日暮と言います。ちょっと確認したいことがありまして」そう言いながら出してきた書類には、私の魔方陣が記入されている。何か問題ありましたか?そう聞いてみると
「そうですね。初級の水球師としては、完璧です。と言うかいじれるところはすべて弄っているいますよね。陣だけを見れば上級者のだと言っても遜色ないですが、それは研究しているか研究していないかどうかの話なので問題ありませんが、これは同夕ことですか?」そういって見せてくるのは、魔方陣の収縮して居る映像だ。
「何か問題でも?新人は結構こういうことありますよね」私がそう指摘するとまあ。と言っている。新人さんは、魔力を一定にすることが出来ない事があるので、収縮することが多々ある。そうなると吸収量がまばらになるので、買い取り価格が低くなる。誰でも通る道だから問題ないよね?
「魔力が一定にならなくて。と言う方はよくありますが、あなたの魔方陣は魔力も一定で範囲が伸びている。給水量も増えている。そうですよね」日暮さんが聞いてくる。
「何か問題でも?」水分量が増えるのは使える水球が1つで沢山の水が入っている方が良いんだよね?あれ?間違っている?
「問題ですか。あると言えばありますよ。初級しかない人なのに技術は中級とか問題ですよね。進級テストを受けてください。それと、今回の水球を即座に買い取らせてください」そういってくる日暮さん。テストは納得するけど、買い取りってそんなに急ぐものかしら?いつもなら品質チェックしてから売るから翌日なんだよね。
「別にいいですけど。品質チェックしてないから甘いかもしれませんよ?」私が訪ねてみると「大丈夫でしょ」日暮さんがそう言いながら受け取り皿を出してくる。昨日の昨日のと言いながら水球を入れている袋を探るっていると「何個あるんですか。全部出してください」日暮さんが呆れながら言ってくるので、買い取り拒否された物と昨日のを合わせて20個出す。
「これで全部です」そう言いがら受け取り皿を日暮さんに渡すと渋い顔をしながら「代金あったか?」とつぶやいているが、そんなに高くないはずなんだよね?水の浄化と圧縮をかけているだけだから。そのまま水を出すと飲めるのが魅力的だけど、先輩たちもそこら辺はしっかりやっているだろうし。各水球を確認しながら買い取り金額を出しているが、特殊すぎて私には何を書いているのかわかりません。先輩たちはチラッと見て大体このくらいじゃないか?とわかるみたいだけど、私は未だ把握できない。修業が足りないのかしら?
渋ーい顔をしながら「すべてで300万です。どうしますか?」そう聞いてくる日暮さん。
「え?え?そんなに高く買い取り!1個15万!!」私が驚いていると内訳を教えてくれる。基本的には、水分量が多い物・耐久性が高いものが高く買い取ってくれる。オプションで浄化していると国で浄化しなくても良いのでその分高く買い取ってもらえるらしい。ついでに浄化は中級から上級に進級するときの課題だそうです。あら?
「学校で勉強しているときに、基本で浄化を習いますよね?あとは陣の中に耐久性と水分量・浄化を工夫して入れればいいんじゃないですか?学校時代にこの陣を完成させているので。学生さんは、失敗して・工夫してじゃないですか。遊んでいる暇あるなら研究した方が良いのに」そう言うとそうですね。と疲れたように言っている日暮さん。
「最初から何故中級を受けなかったのですか?」日暮さんが聞いてくる
「は?陣が出来たって、学校で実習を受けていても現場とは違うじゃないですか。いきなり陣が出来ているからと言って中級なんてありえない。体に感覚を叩き込まないと。上手に使えないと意味がないじゃないですか。初級の簡単な依頼から体を慣らしつつコツを掴んでいかないと使い物にならないでしょ?」当たり前のことを聞くとそうですか。とぐったりしながらテーブルと友達になっているのでしょうか?
「貴重な意見ありがとうございます。さて、進級についてなんですが受けなくても良いです。これを見た限り合格してますし。明日から中級を受けてください」そう言いながら日暮さんが手の上にあった水球を仕舞手を出してくるので、ライセンスカードを渡す。いつも思うけど手をかざすだけでなんで進級とかかけるんだろう?見ながら疑問に思っているとすぐに帰ってくる。
「今日は、ありがとうございます」そういいながら早く帰れ。そういう雰囲気を出している日暮さん。大丈夫かしら?色々あるよね。そう思いながら会議室を出てホールに行くと私を確認して先輩たちが近づいてくる。何の用でしょう?
「お前。やっぱり初級じゃないだろ」と食って掛かってくる人が居る。
「はい?今日中級になりましたが何か問題でも?」何でそんな事を言ってくるのかしら?疑問を抱きながら先輩を見るとこいつわかってないな。と顔をしている。説明をください。
「中級が収縮・広域発展。上級が浄化だから。あなた初めから浄化しているからどうして出来るのかな?と思っていたのよ。たまに浄化を組み込んでいる初級もいるけど失敗して断念するから」しっかり者の先輩が教えてくれる。
「そうなんですか?学校にいるときから色々と弄って居たので。失敗するのは学生さんの特権だから色々とやっているうちに今の形になったんですよ。後はカンを実戦で筒物なので初級から始めたんですよ」間違ってます?プロになるからには自分で完璧に出来るものを用意しないとダメですよね?聞いてみると。
「そういう人は少ないな。プロになってから手入れする人たちが多いかな」俺もその口だしと言っている先輩たち。
「私は、学生時代ボッチだったので時間は沢山余ってましたので。試作・実験を何度も繰り返していましたよ。海とかで水分量を調節する訓練とかしてたし。人それぞれですから」では。そういって頭を下げて帰ろうとすると
「待てよ」と言ってくる新人さん。あら?何の用かしら?
「一緒に組んでやっても良いんだぞ」そういっているのは、私が嫌いな感じのお調子者タイプ。お調子ものは嫌いではないですよ。やりすぎを把握しない人が嫌いなんです。嫌がっているのに永遠とやるタイプが嫌いです。
「何様のつもりですか?私、あなたたちとは自己紹介もしていないですよね?いわば、知らない人なのにいきなり上から目線の言い分。基本もわかってないような人間とつるむのも嫌いですし、常識がなってない人も嫌いですので失礼します」きっちり断ってその場を後にしようとするが取り巻き?が
「匠さんが言っているのに。あなた何様のつもりですか?むしろ喜んでとか言うのが正解でしょ」とか「私たちに声をかけられて光栄ですとか言えない田舎者が」とか言ってますが、水球師は社会的地位なんて意味がないんですけど。これだから階級意識を持った者は。新人の癖に上から目線とかすると干される可能性だってあるんだけど・・・・
ま、他人のことだし関係ない。さっさと帰りましょとちょっと嫌な気分になりながら帰宅する。