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第一章 承の舞・6

「え…?」

 零れた声は、自分でも間の抜けたものだと思った。ならば、動かされた深緑の双眸に映るのもまた、馬鹿面であろう。

「何故、私が北方の一部にしか伝わっていない神話を知っているのか、不思議に思ったのでしょう?」

 雰囲気が物語っていましたよと、困ったような微笑を浮かべる凪に、橋聖は疲れたような溜め息をついて無意識のうちに強張ってしまった体から力を抜いた。

 民俗学者。

 成る程。各地に伝わる民話や神話を己の身で見聞きし研究する旅人ならば、局地の伝承を知っていても何ら不思議はない。

 そして、苗字がない理由も。

「詞深神話は、一年程前、孤龍(こりゅう)大陸を旅していた時に地元の方から聞きました」

「孤龍…」

 懐かしい響きだ。

 神海(しんかい)に浮かぶ、首都陽蘭(ようらん)のある神鳥(しんちょう)大陸より遥か北、北海に浮かぶ小さな大陸、孤龍大陸が橋聖の出身大陸だった。橋聖の育った神撫(かんな)村は、その大陸の更に北に位置する。

 気候は寒冷に属していた為に作物はあまり育たないが、その代わりに良質の金が採れるので経済的には豊かな大陸であった。

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