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第一話 序の舞
魂は廻る
そこに、数多の血塗られた記憶を孕ませて
宿命という名の必然性に導かれた魂達が
やがて一つとなる時
歯車は動き出す
道が繋がる
彼の地へと――――。
***
あぁ…また、あの夢だ。
温もりに触れながら、ゆっくりと、まるで、水の中に落ちていくかのように、意識が沈んでいく。流れ込んでくる悲痛な叫びも、縋るかのように抱き締めてくる力強い腕も、この決定を覆す事は叶わない。
これは、死の瞬間なのだ、と。
誰かの死の記憶なのだと、理由もなく、悟る。
頬を打つ冷たい雫は、誰かの為に流された誰かの涙だろうか。それとも、死に逝くこの身を嘆く誰かに対する罪悪の涙だろうか。
あぁ…だって、残してしまう。
ごめんなさい。
謝罪の言葉が零れると同時に、全ては闇に閉ざされる。
***