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魔王山田、誠実に異世界を征服する  作者: nexustide400
第一部《魔王VS勇者》編
48/124

第48話【サイリス、海賊島を制圧する】

潮風が吹き抜ける海辺で、山田とサイリスが海辺に並んで立っている。


「……サイリス、ブルーネの現地総督をやってみないか?」


不意の提案にサイリスが目を丸くする。


「……え? 私が……? どうして……?」


山田は海を見ながら小さく笑う。


「正直に言うとずっと一緒にいたいんだけどね」


「でしたら――!」


山田が軽く手を挙げる。


「聞いて欲しい。サイリスは構わないと言ってくれたけど、やっぱり今のままだと駄目だと思うんだ。それに、サイリスが好きだからこそ存分に力を振るう姿を見てみたい。我が儘かな?」


「そんなこと……」


「ブルーネは今後、ボルドア大陸攻略の最重要拠点になる。俺は大陸を西へ、サイリスは海を東へ。対等なパートナーとして二人で世界を征服しよう」


サイリスは何かを決意したように顔を上げる。


「……わかりました。でも……離れるのは寂しいです」


「俺も寂しいから時間を作って会いに行くよ。仕事を投げ出してでもね」


「駄目ですよ」


山田とサイリスが楽しそうに笑う。


「……いずれ全部話そうと思ってる。でも――時間をくれないか。不本意だと思うけど、今は話すにはリスクが高すぎるんだ」


「わかっています。そのときまで……ずっと待っていますから」


「ありがとう、サイリス」


山田はその場で軽く背伸びをしてからサイリスに向き合う。


「さて、そんなサイリス総督の初仕事として、今回の海賊討伐は完全に任せようと思うんだ。全滅させるなり従わせてこき使うなりサイリスが決めてくれ。俺は後ろで見守ってるよ」


 * * *


海賊島――


島は地獄の様相を呈していた。


「このクソがぁ!!」


海賊たちがサイリスに斬りかかるが、闇の刃が次々と彼らを切り裂いていく。


サイリスは冷静なまま言い放つ。


「早く頭領を呼んできなさい」


ひるむ海賊たちの中へ静かに歩み寄る。


「ひっ……」 恐怖に引きつる海賊たち。


空から山田が降りてくる。


「船で逃げ出さないように優しく脅してきたぞー」


サイリスは山田に軽く会釈する。


「ありがとうございます。わざわざお願いしてしまって」


「遠慮するなって。他にもある?」


「それでしたら……始末した海賊たちを埋めて頂いてもいいでしょうか?」


「お安い御用だ」


山田が地面を操作し、次々と死体を埋めていく。海賊たちは恐慌状態になる。


やがて、海賊たちの後ろから2人の大男が出てくる。


「おい、てめぇら! こんな2人ごときになにやってる!」


「頭……この女、尋常じゃない強さで……」


サイリスが静かに言う。


「あなた達がデクス兄弟ね」


「なんだてめぇは」


「島にいる手下を全員ここに呼びなさい」


「はぁ? 誰に向かって言ってやがる」


サイリスは一歩踏み出して冷たく見据える。


「見せしめに痛めつけてあげるから、かかってきなさい」


「死ねや!」


デクス兄が突進してくる。


その鳩尾に闇の玉が突き刺さり、悶絶して倒れる。


「兄貴! くそったれが!」


デクス弟が魔法を使おうとした瞬間、こちらにも闇の玉が突き刺さる。


二人の身体を闇のオーラが包み、締め上げていく。絶叫が響く。


(魔法で締め上げてるのか。プレス機みたいでおっかねー)


山田は埋めた土を足で均しながら見ている。


「このまま死ぬか、従うか。早く決めなさい」


デクス兄は激しく痙攣し、泡を吹いている。


「兄貴! わかった! 従う!」


「駄目よ。心の底から服従しなさい」


さらに魔力を込めて締め上げる。


「従います! 従いますから! 許して! アアアアアア!」


しばらくしてサイリスが魔法を解除すると、デクス弟は慌てて手下を呼びに走る。


「サイリスは魔法の操作が本当にうまいな。俺なんて道路作るのも四苦八苦してるのに」


「ありがとうございます」


しばらくして――海賊全員が土下座していた。


「あなた達は財貨を船にすべて積んでブルーネまで持ってきなさい」


「はい!」


「余計なことをしたら……」


サイリスがデクス兄を再び魔法で締め上げる。絶叫が響く。


「がっ……た、たすけ……」


「こうなりたくなかったら一刻も早く持ってきなさい」


「すぐにお持ちします!」 失神した兄を見て弟が叫ぶ。


サイリスが山田のところに歩いてくる。


「山田様、終わりました」


「お疲れ。じゃあ、みんな待ってるし帰るか」



【Invocation Protocol: ARIA/Target:YAMADA】

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