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君にほんの少しの救済を  作者: 海月
元小学校教師編
2/11

1.面会

「失礼します。心理カウンセラーの十六夜です。」


ドアの前に立って名乗ると、自動でドアが開いた。


ガラス越しには死刑囚。


『名前:上山カミヤマ ケイ、性別:男性、年齢:35歳、配偶者:なし、罪状:児童虐待及び殺害(刑法199条)、判決:死刑』


リストの情報はこれだけ。あとは自分で聞き出すしかない。


「こんにちは、上山さん。はじめまして」


刹那はにっこりと笑い、挨拶をした。


「私は、貴女の心理カウンセラーの十六夜刹那といいます。本日はよろしくお願いします」


すると、上山は口を開いた。


「…俺にはカウンセラーなんていらねぇ。どうせこのあと殺されるんだろう。今カウンセリングなんてしたって、意味ねぇんだよ」


そっけなく返されてしまった。


「貴方が要らないと言っても、これが私の仕事です。」


刹那は優しく言った。


「見た目は若造かもしれませんが、これでも沢山の死刑囚を相手にしてきています。彼らも皆、最初は貴方と同じことを言っていた。または、私に命乞いをしてくる人もいましたね。それでも彼らは、私がこの部屋を出る頃には、すっかり普通の“人”になっていましたよ」


「人は皆、平等です。この世に産み落とされた人間ならば」


刹那は椅子に座って上山と向き合った。


「さて、今日は何をお話ししましょうか」



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