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君にほんの少しの救済を  作者: 海月
恋愛編
13/13

12.愛の形

「センパイ、今日このあと飲みに行きません?」


休憩室でシュガーサンドを頬張っていると、綾真がこちらに寄ってきた。


綾真は毎日のように飲みに誘ってくるが、ほとんど誘いに乗ったことはない。


「…無理」


綾真ももう慣れっこらしい。動じない。


「えぇ〜。センパイ、前に酔って帰れなくなったとき以来、絶対飲みに来てくれないじゃないですかぁ。」


刹那はとにかく酒に弱かった。というより、一度飲むと止まらなくなってしまう。


「…普段はかっこいいセンパイなのに、お酒飲むとあんなになっちゃうんだもんな〜。」


綾真はニヤニヤしながら刹那のお酒事情を言いふらしていく。


「………今日は金曜日だから、特別に行ってあげる。ただし、私の醜態は口外禁止!OK?」


刹那はこれ以上酒に弱いことを周りに知られたくなかった。


「ふふ、や〜っと来る気になったんですね。ずっと誘い続けた甲斐がありました」


綾真は綺麗な顔で笑い、休憩室を出て行った。


(…今日は絶対、一杯しか飲まない!)



「……もう一杯…」


完全敗北だった。


「…センパイ?センパーイ?もしもーし?」


綾真はとりあえず刹那を起こそうとしたが、刹那は寝てしまっていた。


「…しょうがないなぁ、お持ち帰り、しますか」


綾真は会計を済ませて、タクシーを呼び自宅へ刹那を運んだ。


「センパイ。水、飲んでください。ほら、溢さないで、ゆっくりゆっくり」


刹那の意識は無いも同然。


「俺、シャワー浴びてくるので、ここでゆっくりしててください。」


綾真がその場を立つと、刹那は綾真の足を掴んだ。


「…いかないで」


酔っていて刹那の顔は赤く、あまりにも無防備だった。


「せ、センパイ…駄目だって…。」


綾真の中で何かがプツりと切れた。


綾真は刹那に勝てなかった。


(意識ないのを襲うのは避けたかったけど…無理そうだ)



カーテンの隙間から日が差し、刹那は目を覚ました。


「…何、これ」


急いでシャワーを浴び、服を探し、綾真を叩き起こした。


「…センパイ、今日土曜日ですよ……ぐう…」


刹那の怒りは絶頂に達していた。


「…この状況、説明してくれる?」


刹那は鬼の形相で綾真を睨んだ。


「…すいませんでした。」


ことをすべて説明され、軽く説教をした。


「だって〜、センパイあんまりにも可愛いんですもん」


綾真の頭を引っ叩き、刹那は家に帰った。



月曜日、出社すると早々にカウンセリング依頼を受けた。


「十六夜、次の相手は女だ。慣れてないだろうが、頼めるか」


資料に目を通す。


『名前:近藤 寧々(コンドウ ネネ)、性別:女性、年齢:22歳、配偶者:なし、罪状:殺人罪(刑法199条)、判決:死刑』


「…彼氏の浮気を目撃して、行為中を狙って背中からバールをぶっ刺したらしい。浮気相手もろとも串刺しってところだ」


少し金曜日のことを思い出したのと、犯人に同情してしまったのもあり、刹那は複雑な心境だった。


「分かりました。カウンセリングは来週ですね」


「ああ。頼んだ」


刹那がデスクに戻ろうとした時、望月が言った。


「恋愛ってのはなかなか大変なもんだな…。十六夜も、白鐘となんかあったんだろ?様子でバレバレだぞ。」


刹那は朝から綾真を避けていた。


「あんまり俺が言うとセクハラになっちまうから触れないが…お前たちの関係が良好であることを願ってるよ…」


望月はそう言うとパソコンに向き直った。


(世の中、恋愛においても一筋縄じゃいかねぇんだな…)


望月は自分には関係のないことだと思いながらもそんなことを考えていた。

















お久しぶりです、海月です。

本日、高校の期末テストが終了いたしました!

久しぶりに小説を書いたので、自分が以前どのように書いていたかをすっかり忘れてしまっていて、書くのにとても時間がかかりました…。(そしてネタ切れ気味です)

さて、続編を楽しみにしてくださっていた方々、長らくお待たせいたしました!

これからも、まだまだ全力で執筆を続けていくつもりですので、拙い文章ですが読んでいただけると幸いです。

コメント、リアクションなど頂けると、作者のモチベが上がります。

これからも、『君にほんの少しの救済を』をお楽しみください!

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