表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球連邦戦記  作者: かたな
第二章 太陽系防衛編
18/18

2章 第1話・フィル公女、地球へ~前編~

フィル公女、地球へ~前編~


 西暦2280年 9月10日 午前14時30分 第8居住惑星管区 惑星ローレンス エイト・フロンティア市近郊 連邦軍管区防衛軍司令部ローレンス基地宇宙港


 ここにコーネリア公国公女であるフィル・ナ・コーネリアを地球まで護送する任務のために派遣された連邦宇宙軍第7航宙艦隊の艦艇が停泊していた。


 第7航宙艦隊は、所属する第4戦隊の旗艦である航宙母艦ホウショウをフィル公女の乗艦に指定し、本隊は惑星ローレンスの軌道上で待機、第4戦隊のみローレンスの宇宙港へと降下し、フィル公女のホウショウへの歓迎式典の準備等で乗組員がせわしなく動き回っていた。


 そんな状況下ではあったが、その責任者であるジョン・レイスナー准将と、参謀とともにローレンスへ降りてきていた第7航宙艦隊司令ダック・アンデルセン中将等は基地の会議室にてフィル公女やコーネリア公国軍近衛艦隊の生き残った艦長などの指揮官級の軍人たち、そして管区防衛軍幹部達とのフィル公女の地球への移送日程や第8居住惑星管区周辺の詳細な状況の聞き取り、難民の宇宙船団の取り扱いについての打合せを行っていた。


 基地の会議室の長方形に円を書くように並べられたテーブルの中央に、宇宙空間の航路図の映像が表示されている。


 それを確認しながら航路の設定などを担う第7航宙艦隊の参謀が日程について説明している。


 「では航路日程の説明をいたします。明日14時、フィル公女殿下を乗せたわが艦隊は、予定では7日後に第36ワープステーションへ到着、その後はステーションのワープゲートを使用し第3居住惑星管区の第15ワープステーションまでワープします。一気にこのまま地球へと行きたいところですが、この第15ワープステーションでは地球までの直通のワープゲートによるワープができませんので、1日この第15ワープステーションで休息をとることとなります。その翌日に第1居住惑星管区の第7ワープステーションへワープ、その日の夕方には地球連邦本国のある太陽系の近郊にある第1中継ワープステーションへ到着、そこから太陽系の冥王星基地にて太陽系への歓迎式典の参加のため2日間停泊、その後は4日ほどで地球へ到着の予定です。ここまでで何か質問はありますか?」


 そこで手を上げたのはコーネリア公国の近衛艦隊巡洋艦サーラ艦長、アセム・ルー中佐であった。


 「この日程はわがコーネリア公国近衛艦隊と避難民の船団も同行が前提の航路と考えて良いですか?また航路の治安についても聞かせてほしい」


 その質問は特に変なものではなかったが、艦隊参謀は若干苦虫を嚙んだような表情を見せる。


 そして回答をしようとしてためらう様子もあり、コーネリア公国側の面々は困惑した表情となる。


 参謀の様子を見て、見かねたレイスナー准将は艦隊司令とアイコンタクトを取り、司令が頷いたことで彼が代わりに回答を行った。


 「その件については私から、現在航路の安全に関しては、主に最初に向かう予定の第36中継ワープステーションについては問題はありません。現在第36中継ワープステーション周辺にはエベロラ帝国

に対する警戒強化のため艦隊がいくつか集結しているためです。しかしながら懸念点もあります。これが重要で、警戒拠点となっている第37中継ワープステーションに集結し警戒強化にあたっている警備部隊から、不審な反応をここ何日かで複数確認しており、注意するよう通達がありました。あとは第7ワープステーション周辺においては、宇宙海賊の出没が報告されており、警戒が必要であるとの報告が来ております。日程についてはコーネリア艦隊と避難民の船団も考慮し、幾分余裕を持たせて設定しております」



 「ありがとうございます。私からはこれ以上懸念点はありません」


 他には?と再度聞かれると、それまで話をおとなしく聞いていたフィル公女がおずおずと言った感じで控えめに手を上げていた。


 進行役がその姿をほほえましく思いつつ、フィル公女に質問を促す。


 「あの、この日程にある歓迎式典ってなに?」


 かわいらしく若干首を傾げ質問してくるフィル公女


 この場にいる軍人たちはむさくるしい集団(一応女性士官もいるが、どう見てもゴリ・・・何でもない)の中にあって少女のそのかわいらしい姿に癒されつつ、その歓迎式典についての詳細を知る担当の士官に目を向ける。


 広報部から同行していた若い士官が端末を操作しながら回答する。


 「ええ、回答します。歓迎式典はフィル公女以下コーネリア公国の方々を地球連邦市民に受け入れてもらうことと、直近の危機に関して市民にもその危機感を共有してもらうこと、後はフィル殿下が我が地球連邦の広報部に許可してくれた写真を公開したところ、我が連邦のSMSという民間向け通信ネットワークの交流などで爆発的な人気になっておりまして、そこからの様々な要望もあり、企画されております。コメントもいくつか出しますね」



=異星の公女殿下を歓迎するスレ=


1:日本地区在住名無しの地球人 ID478718782

 

 連邦政府から公表された内容理解できた奴いる?某宇宙戦艦に出てくるような侵略国家が迫ってるってりかいでOK?そんで公開された異星人の女の子、公女殿下?かわいい、こんなかわいい子の故郷滅ぼすなんてエベロラってやつ許せねーな!


2:日本地区在住名無しの地球人 ID24115105


 俺は女の子が可愛すぎて政府の話ほぼ聞いてなかったわw

 ところで連邦軍への入隊すれば公女殿下に会えますか?

 

3:日本地区在住名無しの地球人 ID15152525


 2≫お前みたいなのが連邦軍に入れるわけないだろ、というわけでコーネリア公国軍には入れますか?公女殿下のおみ足に===検閲済み===


4:北米地区在住名無しの地球人 ID11451419


 ↑なんで日本地区在住のやつらはこんな奴らばかりなんだ・・・公女殿下が見て外交問題になったらどうするんだ全く。

コーネリアの公女殿下、地球人はこんな変態ばかりではありませんよ、安心してください。

 

5:日本地区在住名無しの地球人 ID56485644


 4≫そういうお前も===検閲済み===で===検閲済み===だろうう?


6:北米地区在住名無しの地球人 ID11455564


 5≫否定はしない


7:真の地球人 ID47475353


 ===検閲済み===


8:日本地区在住名無しの地球人 ID13132524


 7≫うわ出た、通報通報、

 フィル殿下地球に来るらしいね、大歓迎だよ!生の声が聴いてみたい、ただ、アレな奴らからはシッカリと守ってほしい、連邦警察と連邦軍の警護に期待。


 え?大統領府警護庁の警護もつく予定?・・・まあ・・・今度はがんばれ


9:日本地区在住名無しの地球人 ID13578945


 7≫消えろ

 8≫公式発表とか報道の番組とかの動画配信で我慢しろよ?あと、あの事件は仕方ないやろ


10:台湾在住名無しの地球人 ID78784545


 8≫あれは、警護が逆に大統領(元)に助け出されるという逆転現象で、大統領(元)が悪いよ(思考放棄)


 話それてるな、フィル公女殿下の話だけどさ、辛い目にあってきたんだろうし温かく迎えてあげたい、コーネリアの人たちもね


11:日本地区在住の名無しの地球人 ID65486585


 10≫いいやつだね君、そうだよね、温かく迎えて、いつか故郷に帰れるように手伝いたいね

「という感じでフィル公女殿下は結構人気なんで、世論の心をさらにがっつりつかみましょう」


その言葉に、フィル公女は少し照れている様子であり


「が、がんばる」


そう小さめな声で答え、いかつい軍人たちがさらにほっこりした。

スレの7:真の地球人 ID47475353 の検閲前の原文

連邦政府の発表なんか出まかせ、どうせなんかやましいことがあるんだろ?なんせ中華大陸侵略した奴らの末裔国家だもんな、主権返せ、また隕石とかコロニー落とすぞ


尚、連邦警察により居場所特定、元日本地区議会議員の無職の70代女性、対テロ対策法違反で書類送検

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 かたなさん、こんにちは。 「地球連邦戦記 2章 第1話・フィル公女、地球へ~前編~」拝読致しました。  報告!  更新を確認!  心身を清め、睡眠を十分に取り、居住まいを正して、いざ、拝読!(ん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ