表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球連邦戦記  作者: かたな
第二章 太陽系防衛編
17/18

第2章 冒頭~エベロラ帝国という国家にて~

今回の回は地球連邦出てきません、エベロラ帝国の政争とかそんな感じですかね

 エベロラ帝国


 地球の存在する天の川銀河から250万光年の位置に存在するアンドロメダ銀河、そこにエベロラ帝国の本星が存在する。 


 惑星エベロラ 


 そこにあるエベロラ帝国皇帝府にて、傍らにいる複数の秘書官とともに皇帝 カーライル・デイル・エベロライア8世は自身の執務室にて役人や軍の幹部から報告を受けていた。


 「陛下、現在我が帝国軍はクロリア公爵隷下の第32軍が天の川銀河方面の征服を開始しております。また、大マゼラン、小マゼラン両方面においてはバルド殿下の第15軍が大マゼラン星雲のレザリア連邦を征服、小マゼランのサルーニア王国、ベル公国、スイ共和国以下12か国からなる小マゼランの連合軍を撃破し順調に版図を拡大しております」


 執務室の椅子に座り報告を受けている皇帝は、軍務卿による戦火報告や、自身の息子が指揮している軍団の功績を聞いても、表情を変えることはない、むしろ険しくなっていることに報告に来ていた幹部たちは気が付くことはない。


 皇帝はまだ報告に先があることを察し、軍務卿に続きを促す。


 「では、続いてこのエベロラ帝国が支配しているアンドロメダ銀河に関してですが、ウリト公の反乱は現在第14軍が制圧を進めており、報復としてウリト公の領地である惑星セスを軌道爆撃により焦土化しております。また、宰相閣下主導でレイベル銀河、オルト銀河、サルトラ銀河、オルデラ銀河戦線へ現在派遣している第4、第8、第9、第10軍への増援としてさらなる軍団の派遣を検討中であります。よってこのアンドロメダ銀河には陛下直属の近衛である第1、第2、第3軍の他、第5から第7軍、さらに反乱制圧中の第14軍が残ることになります」


 軍務卿はそこまで報告を終えると皇帝を一瞥し、一瞬見下すような表情を見せ、すぐに取り繕うような笑顔を浮かべると一歩後ろへ下がる。


 皇帝に促され、軍務卿と入れ替わるように前に出てきたのは内政を司る内務卿である。


 彼はいまだ下卑た笑みを浮かべる軍務卿とは異なり、険しい表情で皇帝へと報告を始める。


 「報告します。第14軍による惑星セスへの軌道爆撃により、セスに居住する帝国民8千万が死亡、または行方不明です。さらに帝国の鉱石及び食料の生産能力が0.00045%減少、住民への支援のため帝国内務省警務軍より救援隊を派遣中であります。また、軍務卿からの報告では漏れていますが、わが内務省が把握している軍の戦死傷者は1億2千万を超え、これは帝国宇宙軍のおよそ0.5割、1年間での戦死傷者の限度を超えております。また民政においては、重税により国民生活に影響が出始めており、対策を検討中であります」


 報告し終え、内務卿も一歩下がる、その際軍務卿と内務卿が視線を合わせ、にらみ合うという一幕もあったが、皇帝の咳払いでその場はおさまる。


 「では財務についてですね、帝国の財務状況は前年度に比べ48%増加、民政への支出を絞ることで来年はさらに増額の見込みです。さらに、帝室、皇帝府へも予算削減をもとめ協議中です。民政への寄付などという無駄な行為をするくらいなら国庫に入れてほしいですね、陛下、以上です」


 次に報告にあがったのは財務卿だったが、促されてもいないのに勝手に前へ出て報告を行うという行為にその場にいた皇帝の警護を行う近衛兵や事務作業を行う役人たちは顔を顰める。

 その財務卿は不健康そうな細身の男で、皇帝への敬意もなにも感じられない態度で報告を行い、皇帝と内務卿、そして警護の近衛兵らの表情がさらに険しくなる。


 部屋の隅で報告内容を記録している役人は胃が痛くなるのを感じながら仕事に集中することでその空気感に耐えている。


 財務卿が下がるその時、皇帝に対してあざけるように鼻で笑う態度をみて、皇帝の秘書官が激高した。


 「不敬な!なんだその態度は、陛下に対して何たる態度であるか!」


 そう声をあげ財務卿に掴みかからんとする勢いで前へ出た秘書官であったが、皇帝に止められる。


 「陛下!?なぜ止めるのです!?」


 秘書官が皇帝に疑問をぶつけるのと同時に、執務室に一人の人物が入ってくる。


 小太りのその男は皇帝の前まで来ると会釈し、口を開いた。


 「いやー陛下、遅れてしまい申し訳ありません。急用でしたもので、所で、私が目をかけている財務卿がナニカ?」


 表情は笑顔であるが、その目は濁りきっており、全く笑っていない。

 その顔を見た秘書官は恐ろしさで血の気が引くのを感じたが、傍らから聞こえた皇帝の声で我に返る。


 「いや、何でもないよ。所で宰相、珍しく報告があるとかでアポを取ってきたと思ったら遅れてくるなんてね、それだけ大切な急用だったのかな?」


 務めて冷静に、静かな口調での問いかけに宰相と呼ばれた男は表情も崩さず答える。


 「ええ、ネズミが這いまわってましたので、ちょっとお掃除をしてましたねぇ」


 その発言に皇帝の眉がピクリと動くのを男は見逃さない。


 「いや、最近ネズミが多くて困りますな、陛下もネズミが多いとかじられるかもしれませんよ?ネズミにかじられるか、ネズミを追いかけてきた猫に噛みつかれるかは分かりませんがね、それはそうと報告です。陛下の母君の御実家であるガリウス公爵領と妹君が嫁いだクロリア公爵領でちょっと反乱の兆候がありまして、陛下に説得してほしいのですが?ああ第32軍のクロリア公爵は陛下の姪にあたりますね、その公爵家当主が不在の間にこんな計画が出てくるなんて、クロリア公爵は領内の統制が取れていないのですかね?ああそれとそのクロリア公爵、有力勢力がいないと思われていた天の川銀河でどうやらかなりの規模の国家と鉢合わせしたみたいですよ?向こうで何もなければ良いですね」

 

 宰相はそれだけ告げると、他に用事があると言い残し、退室していった。


 報告に来た帝国幹部たちが退室した後、執務室に残った皇帝は、秘書たちにも一度退室するよう指示し、一人になったところで隠し扉から一人の男が現れ皇帝に跪く。


 「陛下、宰相の周囲を探っていた情報部の諜報網に深刻な被害が発生したようです。どうやら情報部に裏切者が出たようで、隠密卿から我々皇室調査部に接触があり発覚しました。隠密卿の周囲も念のため探りましたが、隠密卿自身は白ですね・・・陛下への忠誠も確認できました」


 男からの報告に皇帝は自分の家臣の内の一人は確実に自分の味方という確証が得られたことで少しだけ安心したように息を吐くと、その男に指示を出す。

 

 「宰相はどうやら我々の動きを察したらしい、ガリウス公爵家とクロリア公爵家には祭りはまた後日と伝えてくれ、それと、レオナちゃ・・ゴホン、クロリア公爵の第32軍が遭遇した国家について情報を集めてくれ」


 「は!」


 男は返事をすると即座に姿を消す。


 誰もいなくなった執務室に一人残った皇帝は窓から帝都を見下ろし、つぶやく


 「・・・帝国の民、帝国皇帝と帝国という国家はその民のためにあれ・・・か・・・今の帝国は・・・」

実は先日大雨降った時に停電した影響で、バックアップ中に電源堕ちたせいでバックアップもろとも書き溜めした分のデータ消滅してしまってました。なので復元できたところだけとりあえず投稿しました。

もし文章が変なところとかあったら教えてください。

次回は来月になるかなと、復元したら即投稿という感じにしようと思ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 かたなさん、こんにちは。 「地球連邦戦記 第2章 冒頭~エベロラ帝国という国家にて~」拝読致しました。  順調に版図を広げるエベロラ帝国。  最初は軍事報告。  息子のバルド殿下も頑張っているよう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ