プロローグ
初めて書く小説のため文章が稚拙です。ご容赦くさだい
俺が生まれたのは盗賊の家の末っ子だった。
兄が3人、姉はいたらしいが王城に潜入した挙句殺されたらしい。
その時はまだ前世を思い出していない時だったので軽く聞き流していたが今、完全に日本に住んでいた時の価値観が戻った俺にとっては5回聞き返して尚幻聴だと思う程のエピソードだ。
だがそんな話をされたのも3歳くらいの頃だ。
前世では物覚えがあまり良くなかった。
だてに学校で他のクラスの知らない奴に脳退化猿人と言われてはいない。
当然異世界の言語も全く覚えられない。
前世が幼子なら何も言語を知らないから焦ることもなく覚えられるだろう。
だが俺22なんだよ。言語が分からないって焦るんだよ。
母は流石盗賊、そんな俺を容赦なく追い出した。
それからは家族と触れる機会なくレストランなどでソーセージモドキとかパスタモドキとかを食べた。追い出されたのに贅沢な奴だなとか思わないでくれ
夜は冷える馬小屋で売られた馬の餌と糞に塗れて眠った。
唯一の癒しは街によく歩いてる猫みたいな6本足の謎生物。可愛すぎる。
2年ほどこの生活を続けてきたせいで馬の糞の匂いが睡眠欲を刺激するようになった。決してそういう趣味ではない。最悪だ。
俺が前世を思い出したのはいつものように馬の糞まみれで馬小屋で眠っていた時だ。
頭がこれまで感じたことがないほどに痛くなったが唸り声を出すとバレて追い出されるので声を上げるわけにもいかなく音を出さないように暴れていた。
その時だった。1人の人生が俺の中に入ってきた気がしたのだ。
すっかり頭の痛みも消えて座っていると後ろから声をかけられた。
「おい」
ハゲ頭の男がいる。
返答しようとしたがそういえばここ馬小屋だったんだ。
うん。逃げよう。
「すみません許してぇぇぇ」
2時間以上経ってやっとおじを撒けた。と思う。
途中、商店からリンゴモドキとナシモドキを盗ってきたがバレてないだろう。
だがすっかり遠くまで来てしまった。
これでは元の家に行くことも困難だ。
今は裏道に入って絶賛迷子中。
前から町で生き抜いている。
黒ずくめの男たちに捕まえられでもしない限り生きていけるはずだ。
だが腹が減ってきた。
とにかく今日は飯と寝床が欲しい。寝床は馬小屋…と言いたいところだが生憎ここは馬小屋が少ない地帯のようだ。
宿のようなところが多くある。
宿が多い所は冒険者が多いから盗みを働いたら危ないと幼い頃母が言っていた。
おそらくここは冒険者街だろう。
盗みを働かなかったら俺はどうやって飯を食えばいいのか。
そう思っていたが俺の悪知恵が働いた。
今はちょうど冬だ。
マッチ売りの少女みたいに食べ物と寝床をくれと道端で言えばいいのか。
それにしても強欲なマッチ売りの少女だ。
マッチ売りの少女はそういえばバッドエンドだった気がするな。
まあそんなことどうでもいい。
とにかく道端で寝床と食べ物をくれと言えばいいのか。
思い立ったが吉日、というのは少し違うと思うがとにかく実行に移ることにしよう。