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ある王国の物語

婚約破棄された余り者どうし結婚しましたが、想像以上に幸せです

作者: 空木

「悪いが、君との婚約は破棄させてくれ」


 夜会のホールの片隅で、美しい令嬢と並んで立っている婚約者からかけられた言葉を理解しきれずに固まった。寄り添うように立つ美男美女を呆然と眺めながら、真っ白になった頭で放たれた言葉を反芻する。


 やがて、婚約破棄という言葉を理解した瞬間、殴られたかのような衝撃が襲い掛かり、にぎやかな人々の声は耳に入らず、華やかなホールの光景は灰色に変わったように錯覚した。


 自分の意思とは関係なく、鼻の奥がつんとした。ここで泣くわけにはいかないというのに、目に涙が溜まっていくことが嫌でもわかる。視界は涙のせいでぐらぐらと歪んで、目の前の婚約者の顔すらよく見えなかった。


 泣くまいと藤色のふわりとしたドレスの生地を掴んで、どうにかこらえる。自分でも驚くほどに肩が震えていた。やっとのことで絞り出した言葉は想像よりも震えていて、今にも消え入りそうだった。


「そ……そんな……。レオンハルト様……私、な……何か、してしまったでしょうか」

「いいや、君は悪くない」


 レオンハルト様は即座に否定した。彼に密着して寄り添うマリアンネ様は、申し訳なさそうに眉を下げつつも、どこか見下したような目で私を見た。


「ごめんなさいね、エミーリア様。でも、レオも私のことが好きだって言ってくださったの」

「わかってくれ、エミーリア。マリーと私は愛し合っているんだ。君のことが嫌いなわけじゃない。もちろん、こちらの有責というかたちで婚約破棄にするつもりだ」


 愛称で呼ばれたマリアンネ様は勝ち誇ったように、私のことを見遣った。彼女に何か言い返したいのに、そこは私の場所だったのに、口を開いては、言葉にならずに口を閉じてを繰り返した。何度かそれを繰り返して、何も言えない自分にも、私が婚約破棄を受け入れると信じて疑わない二人にも失望した。


 この場に、これ以上とどまるべきでないことはわかっていた。文句の一つすらいえない私がここにとどまったとして、野次馬たちを楽しませてしまうだけで、より惨めな思いをするだけだと。幸いなことに、ここはホールの端で目立たない。今なら騒がれることなく夜会を抜け出せる。


 ぎゅっとこぶしを握るようにして、ドレスをつまむと、小さく消え入りそうな声を出した。


「……婚約破棄、承り……ます……」


 やっとのことでお辞儀をすると、逃げるように、その場から立ち去った。早くあの場から去りたかった。惨めだった。迫力のある美人のマリアンネ様。これといった特徴のない私。物語の王子様のような美形のレオンハルト様。傍から見てお似合いなのは、間違いなくマリアンネ様だ。


 ホールの端で目立たなかったとはいえ、先ほどの婚約破棄を目撃していた人々は数人いた。婚約破棄されたという話は、これから瞬く間に広がっていくだろう。しばらくは社交の場には出られないだろう。


 どうしてこんな日に限って踵の高いヒールなんて履いてきてしまったのだろう。じくじくと痛む踵に気が付かないふりをしながら、きらびやかなホールから一歩踏み出した。それと同時に静かな闇に包み込まれる。ひんやりとした空気が、涙で濡れた私の頬を撫でた。


 きっと、数刻後には、レオンハルト様とマリアンネ様は美男美女の恋人として周りに認められ、私は捨てられたパッとしない令嬢だと面白おかしく噂されるに違いない。悪いのは婚約者がいるにも関わらず、浮気をしていたレオンハルト様とマリアンネ様だというのに――。


「私、レオンハルト様を愛称で呼んだことも、呼ばれたこともなかったのに……」


 ぽつりとつぶやいた声は、闇の中に溶けていく。無意識につぶやいた言葉に、また涙が溢れそうになる。


「奇遇ですね。私も婚約者から愛称で呼ばれたことも、愛称で呼んだこともなかったんです」


 声をかけられたことに驚いて後ろを振り返れば、柔和な顔立ちの男性が立っていた。


 男性のきれいに手入れされている髪や、質のよさそうな服装から、彼もまた夜会に参加していた貴族だとわかる。慌ててカーテシーをしようとすると、止められた。


「私は、マルクス・バールケ。バールケ伯爵家の者です」

「フレーリヒ伯爵家の長女、エミーリアです」

「……エミーリア様のご婚約者はタールベルク侯爵家のご子息、レオンハルト様でしょうか」


 レオンハルト様の名前に、びくりと肩がはねる。それを見たマルクス様は、慌てたように口を開いた。


「すみません、配慮が足りませんでしたね……。実は、私の婚約者はマリアンネ様だったのですが、先ほど婚約破棄をされたばかりでして」

「え……」

「そのままレオンハルト様と連れ添うように歩いて行かれましたので……その、エミーリア様も同じ状況かと思いまして、お声がけいたしました。馬車が迎えに来るまでの間、お互いに話でもして気を紛らわせられたら、と思ったのですが……。すみません、ご迷惑でしたね」

「いえ、そんなことは……」


 今更、自分が泣いた後のひどい顔であることに気が付いて、慌てて扇で顔を隠した。ただでさえ、平凡な顔だというのに、泣き顔では散々な有様だろう。


「突然、婚約破棄なんて困りますよね」

「はい……」

「エミーリア様は、この後はどのようにお過ごしになるご予定で?」

「領地に戻ろうかと考えております。王都で噂が流れてしまっては、社交の場には、とても出られないでしょうし……。マルクス様はどうなさるのですか」


 私の問いかけに、彼は困ったように眉を下げた。


「私は早めに次の婚約者を見つける必要がありますね。伯爵家を継ぐためにも、一緒に支えてくださる方が必要ですから。ただ、社交の場に出たところで、捨てられた男というレッテルを貼られていて、なかなか難しいでしょうが……」


 思わず、私の眉も下がっていく。彼と同じで、私も次の相手は見つからないことは容易に想像できた。たとえ、一度領地に戻ったとしても、いつかは婚約者探しをしなくてはならない。


 彼と話しているうちに、だんだんと冷静になってくると、思ったよりも気温が低いことにふと気が付いた。思わず、腕をさすると、そのことに気が付いた彼が上着を差し出してくれた。驚いて見上げてみれば、にこりと微笑まれる。


「どうぞ、お使いになってください」

「しかし……」

「あ、もちろん、ご迷惑でしたら――」

「いいえ、そんなことは」


 ありがたく受け取って羽織ると同時に、フレーリヒ伯爵家の馬車がやってきたのが見えた。上着を返そうとすると、この後も冷えるだろうからと、半ば押し付けるようにして彼は去っていった。




 あれから数日、マルクス様にお借りした上着は、使用人にきれいに洗濯をしてもらい、お礼の手紙と、気持ち程度の焼き菓子を添えてバールケ伯爵家へと届けてもらった。すると、それをきっかけに、彼との文通が始まった。


 領地に引きこもって数か月は、かなり落ち込んでいる自覚があった。実際、自室に籠って過ごすことが多かったように思う。周りの使用人たちが気を使ってくれているのも気が付いていたし、お父様も無理に婚約を勧めてくることはなく、お母様は気を紛らわせるためなのか、頻繁にお茶をしてくれた。弟も、王都から頻繁に手紙を送ってくれていた。


 しかし、マルクス様との穏やかなやり取りを続けるうちに、だんだんと夜会の出来事を思い出す頻度が下がっていった。そして、最初は何となくで続けていた文通も、彼からの返信を楽しみにすることが増えてきたころ、お父様に呼び出された。


「エミーリア、婚約の話が来ている」


 その言葉で、落ち着いてきていた心がかき乱された。カタカタと震えだす手をどうにか抑えようと、ぎゅっと握りしめていると、お父様の口から思わぬ言葉が飛び出した。


「お相手はバールケ伯爵家のマルクス様だ。文通をしていて、エミーリアの穏やかな人柄に好感をもったとおっしゃっていた。どうだろうか」

「マルクス様……」


 お相手が見知らぬ男性ではなく、マルクス様だと分かった途端に、私の震えは収まっていた。お父様が心配そうにこちらをうかがっているのがわかる。


「お父様、そのお話お受けいたします」

「いいんだね?」


 念を押すように尋ねてきたお父様の目をまっすぐに見返した。


「確かに、私から見ても彼はとても誠実だと思う。仕事も真面目にしていると聞いたことがある。しかし、マルクス様とエミーリアが婚約を結べば、面白おかしく噂を立てる連中もいるだろう。そのことを覚悟の上なんだね?」


 お父様の言葉を聞いても、私の心は揺らがなかった。マルクス様に抱いている感情は恋愛感情かどうかはわからない。それでも、優しい彼の隣であれば、どんなことにも耐えられる気がした。ゆっくりと頷くと、お父様の表情がふっと緩んだ。


「そうか、それではバールケ伯爵家に返事をするよ」




 私たちが婚約を正式に結んだころ、レオンハルト様とマリアンネ様の結婚式が盛大に行われた。それはそれは多くの人々が招かれたらしい。私やマルクス様にも招待状は送られてきたが、さすがに参加は遠慮した。行ったところで馬鹿にされるだけなのが目に見えていたからだ。人々は美しい彼らの結婚を祝福する一方で、私たちの婚約を余り者同士の惨めな婚約と噂した。


 実際、マルクス様も私も見た目は平凡であったし、真面目に物事に取り組むものの、武芸に特別優れているわけでもなければ、何か革新的な政策を出すような人間でもない。家柄もそこそこで、特筆すべきことはこれといって無いのが私たちだ。


 それでも、私たちは幸せに日々を過ごした。婚約者として、街に遊びに行くこともあれば、私が作った失敗作のお菓子をまずいまずいと言いながら、二人で笑って食べることもあった。それぞれ取るに足らない出来事ばかりだが、私たちは同じ時を共にして、思い出を積み重ねていった。


 レオンハルト様とマリアンネ様の結婚式から一年ほど経ったころ、私たちは親戚と仲の良い友人たちを招いて、小さな結婚式を挙げた。自然が豊かな場所にある小さな教会で、私たちは永遠の愛を誓い合った。規模は小さかったが、隣には湖があり、小鳥のさえずりが聞こえる教会での穏やかな結婚式は、私たちによく合っていたと思う。噂に惑わされない数少ない友人たちは、私たちを祝福してくれた。


 バールケ伯爵家に嫁いで半年が経ったころ、軽い吐き気に襲われた。体調不良かと首を傾げていたのだが、間もなく子を授かっていることが判明した。いつものように朝早くから仕事をこなそうと、執務室に向かっていたマルクス様に声をかけると、変わらない穏やかな表情を向けてくれる。


「どうしたんだい?」

「あのですね、マルクス様……」


 なかなか言い出せない私の様子を見て、深刻な話なのではないかと早とちりした彼が慌てだした。それを見て、なぜか私も落ち着かない気分になり、彼の手をぎゅっと握って、半ば叫ぶかのように言った。


「そ、その! お腹に、あなたの子が!」


 しばらくしても何も反応がないことに不安になって、うっすらと目を開けてみれば、彼は目を見開いたまま固まっていた。


「あの……マルクス様……?」

「なんてこった……。最高の気分だ、エミーリア!」

「きゃっ!」


 興奮した彼が、私のことを抱き上げると、ぐるぐると回った。いきなりのことに驚いて情けない声を出してしまった。侍女が、お腹の子に障ります、と慌てて止めに入ったことで、やっと私を地面に降ろしてくれた。


 彼は、余程うれしかったのか、伯爵や夫人だけでなく、通りすがりの使用人にも伝えていたようで、数刻と経たないうちに、屋敷内はお祝いムードに包まれた。




 私が元気な男の子を産むと、マルクスはもちろん、伯爵や伯爵夫人も喜んでくれた。これでバールケ伯爵家は安泰だと。男の子はディートヘルムと名付けられ、すくすくと成長していった。彼が2歳になったころ、2人目がお腹にいることが分かった。それとほぼ同時に、弟の結婚の日取りも決まった。幸せなことがいくつも重なり、私たちは笑顔を絶やすことなく、日々を過ごしていった。


 このころになると、私たちを余り者同士の結婚と嫌みを言う人は、ほとんどいなくなっていた。それは、私たちの仲の良さが王都にも噂として伝わっていたこともあるだろうし、レオンハルト様とマリアンネ様の不仲が噂されたことも影響していたのだろう。二人の間には、いまだに子供がいなかったことも、噂の原因だろう。


 レオンハルト様と結婚したことで、タールベルク侯爵家に嫁入りしていたマリアンネ様だが、彼女は公爵家の次女だった。蝶よ花よと育てられ、末っ子だからと甘やかされ、美しい容姿にいつもちやほやされて生きてきた彼女は、かなり我儘な性格だったようだ。


 嫁入りするということは、ある程度相手の家のやり方に従う必要がある。私の場合は、バールケ伯爵夫人に教えを請いながら、少しずつ家に馴染んでいった。バールケ伯爵夫人がとても穏やかな人柄であったことから、特に嫁姑問題は勃発していないが、嫁いだ先の夫人が厳しい場合などは、多少の問題が起こることもある。そして、マリアンネ様はまさにその状況に陥ったらしい。


 我儘な嫁と厳しい姑。嫁姑問題は簡単に勃発した。


 最初の頃こそ、レオンハルト様がマリアンネ様を庇っていたようだが、一緒に住むことで今まで見えていなかった面が見えてくることはよくある。だんだんとマリアンネ様の我儘な言動に気が付き始めた彼は、やがて、マリアンネ様を庇うことが減っていった。そして、子供が生まれないことも、マリアンネ様の立場をさらに悪くする要因となったようだ。


 久しぶりにお茶会で顔を合わせたタールベルク侯爵夫人に、私が嫁だったらよかったのに、といった内容を遠回しに言われたが、今更である。そもそも、レオンハルト様が婚約破棄を私に突き付けてきたときに、タールベルク侯爵も、侯爵夫人も、彼のことを諫めすらしなかった。何とも虫の良い話だ。




 穏やかな昼下がり。私とマルクス様は、バールケ伯爵邸の小さく可愛らしい庭園でお茶を楽しんでいた。紅茶と共に出されたお菓子は、私が好きな焼き菓子だった。


「まぁ、マルス。私が好きなお菓子を覚えていてくださったの?」

「うん、エミリーの好きなものは何でも覚えているよ」


 私のことを愛称で呼び、微笑む彼の目じりには、出会ったときにはなかったしわがある。髪にも白髪が少し交ざり始めていた。私も同様に、最近は白髪がちらほらと見えてきた。時が流れるのは早いもので、私が結婚してから二十年が経っていた。


 子供たちが自立して、私たちはゆったりとした時間を過ごすことが増えていた。マルクス様は、表向きは現役のバールケ伯爵だが、最近は長男であるディートヘルムが一通りの仕事を覚え、さらに、とある子爵家のご令嬢と結婚したため、引退するのも時間の問題だろう。子爵令嬢は、大人しいものの、芯のしっかりとした素敵な女性で、マルクス様も私もほっとしていた。きっと彼女ならディートヘルムと支え合って、バールケ伯爵家を盛り立ててくれるだろう。


 長女のアンネマリーは、驚いたことに、とある公爵家へと嫁入りしていった。アンネマリーは、両親であるマルクス様と私の良いところだけを取っていったことで、奇跡的にかなりの美形に育っていた。それでも、私たちは、ほかの子供と分け隔てなく接してきたことで、傲慢な令嬢には育たなかった。嫁入り先の公爵家での評判も良いようで、私たちは安心していた。


 次女のユリアーナは、誰に似たのか、文官としてめきめきと頭角を現していた。最近は、斬新な政策を提案しては、次々と歴史に残るような改革を進めている。本当に、私たちの子とは思えないほどに優秀だった。


「ねぇ、エミリー。私たちが最近、王都でどう呼ばれているか知っているかい?」

「王都で? あら、何て呼ばれているのかしら」


 マルクス様が優しい口調で問いかけてくるが、私は特に思い当ることがない。少し考えてみようと首を傾げていると、くすくすと笑った彼が口を開いた。


「王国一のおしどり夫婦だって」

「王国一の? それは光栄だわ」


 お互いに目を合わせて、ふふっと笑う。歳をとったことで、さらに柔和になったように感じる彼の顔は、まさに人柄を表しているようで好ましい。


「もう私たちのことを余り者同士の結婚なんて、誰も言わないのね」

「そうだね。きっと、もうみんな、そんなことは忘れてしまったのだろうね」


 近くで鳥の鳴き声がする。庭園の木の実をつまみに来たのだろうか。


 ふと、レオンハルト様とマリアンネ様を思い出す。若いころの彼らは確かに絵画のように美しい男女だった。人々も彼らを美男美女のお似合い夫婦と祝福した。しかし、やがて人は老いるもの。いくら美しい人でも、老いには敵わない。最近は、彼らの美しさも陰りを見せ、以前のような社交界の中心人物ではなくなっていた。それどころか、彼らは今や人々にコソコソと噂をされてしまっている。


 私が次女のユリアーナを身ごもる少し前に、マリアンネ様が第一子を出産されたという話は聞いていた。やっとのことで産んだ子は、幸いなことに男の子であったものの、レオンハルト様にもマリアンネ様にも似ていなかったという。髪の色も瞳の色も二人とは異なり、マリアンネ様は不貞を疑われた。既に冷え切っていた二人の仲だが、そのことが決定的な溝となり、それ以来、彼らは別居状態だと聞く。


 真相はわからない。マリアンネ様が不貞を働いていた可能性もあるが、必ずしも髪の色や瞳の色は両親と同じであるとも限らないのだ。彼らの仲が修復不可能になってしまった原因は、きっとお互いに誠実さが足りなかったり、信じる心が足りていなかったのだろう。若さゆえの燃え上がるような恋に舞い上がって盛り上がり、後先を考えなかった結果なのだろうか。


 ふと目の前のマルクス様を見ると、目があった。素敵な笑顔で微笑まれて、思わず私も微笑み返す。私たちには恋愛感情はなかったかもしれない。燃え上がるような情熱は感じたことはない。それでも、私は彼を深く愛している。恋の先に愛があるというのはあり得るだろうが、きっと、恋と愛は似ているようで、異なるものなのだ。


「マルス」

「何だい?」

「私、マルスと毎日を一緒に過ごせて幸せです。こうやってお茶を共にする時間も、散歩をする時間も、マルスの隣で過ごせて幸せです」

「急にどうしたんだい?」


 少し照れているのか、彼は慌てているようだった。そんな彼に対して、さらに微笑みかける。


「愛しています、マルス」


 私の言葉に目を見開いた彼だったが、すぐに微笑みを浮かべると、私に言葉を返してくれた。


「私も愛しているよ、エミリー」

初めての婚約破棄もののため、拙い部分も多いかと思いますが、

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


また、系統は異なるのですが、連載で小説も書いております。

ご覧いただけましたら幸いです。



≪追記≫

誤字を見つけたため、一部修正いたしました。

申し訳ありません。


《9/10 追記》

誤字報告をして下さった方、ありがとうございます。

また、想像以上に多くの方々にお読みいただけて嬉しいです。

評価やいいねをして下さった方々も、ありがとうございます。励みになります。


《9/11 追記》

マルクスが愛称で呼ばれていない状態だったため、こちらを修正させていただきました。


《9/18 追記》

誤字報告をしてくださった方々、ありがとうございます。誤字が多く、お恥ずかしい限りです。

また、こちらの物語で、不義の子とされた子供についてのお話を書かせていただきました。

ご興味がありましたら、お読みいただけると幸いです。

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[良い点] 読みやすい文章。 [一言] 失礼な言い方ですが余り物には福が有る、ですね。 誠実な過程ありきですが。
[気になる点] マリアンネと色々あった果てに我が子にアンネマリーと名付けるとはなかなか豪胆
[良い点] ほんわかとして読後感がとても良いです。 [一言] あるあるな内容だったり予想つく展開ではありますが、読んで気持ち良いものなのでこれからの作品も期待してます。
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