9話 事件の真相
久しぶりです。前回投稿が遅くなると言いましたが、これからは不定期で投稿する事になりました。理由としては、この作品の執筆に時間が作りにくい事ですね。皆様どうかご理解のほどよろしくお願いします。
疲れ果てて眠ってしまった山口さんを抱えて保健室のベットに寝かした上げた後は、西原先生と話すことになってしまった。
「結果としては良かったんだけど、無理はしないでくださいね」
「気をつけます」
あの時、先生の言葉に逆らって山口さんを止めたに行った事で怒っている訳ではないが注意されてしまった。
「う、うーん•••ここは」
「山口さん目が覚めたね。良かった」
「私が誰だか分かりますか?」
「西原先生、私の担任です」
「記憶は問題無さそうですね」
その後も、先生は山口さんの状態を確認するため健康などの質問をして確実に問題が無いことが分かった。
「山口さん何故あのような事になったのか。説明を聞いても、よろしいでしょうか?」
「・・・・・はい。事の発端は、進級してしばらく経った後でした」
山口さんは、当時の事を思い出しながらゆっくり話し始めた。
※※※
私山口愛奈には、みんなも知らない一面があった。実は二重人格でもう1人の自分が居たことだ。
今から3年前に原因は分からずとも、自分の中にもう1人が自然と居ると感じがあった。そしてある時から、入れ替わる感覚に陥りもう1人の自分が表に出る時が多くなった。
最初は、びっくりしていたけどもそれも自然と慣れていきもう1人に自分に代わった時は好きにさせていた。と言っても、私ともう1人の自分とは話したことはない。なんとなくの感覚と元に戻った時に記憶の一部が戻ってくるだけだった。私は話をしてみたいと思い、いつ替わってもいいように服の中にペンと紙を入れて言いたい事があったら書いてとメモ書きを仕込んでいた。けど、それで返事が返って来た事はなかった。
高校に入ってから、もう1人の自分が頻繁に出るようになった。その事がきっかけなのか、体調をよく崩すようになった。代わる時に自然と代われたのに、今では苦痛を起こして代わっている。体調を崩すのはそれのせいだと思った。
何ヶ月前から記憶の一部を見た時に、夜の学校を歩き教室に座っているだけの記憶があった。この時私はもう1人の自分の事を理解した。もう1人の自分は、友達と普通に話したり授業をしたいのだと思った。
代わるタイミングはいつも夕方だった。だから、もう1人の自分は他人と会話した事はなく他人と遊んだない。その欲が日に日に大きなっていき、私の体調がさらに悪くなっていた。
私は制御をしようとなんとか頑張ったが制御出来ず今日の事が起こったしまった。
「ごめんな・・・さ・・・い」
※※※
水野正治視点
山口さんの話を聞いて、先生と同じ反応で絶句してしまった。俺も先生の予想を遥かに上回った話を聞いてしまったからだ。
「もう1人自分とは会話は出来るのか?」
保健室の扉から声が聞こえて来た、振り返るとそこには四宮さんが居た。
「いえ、あんな事を起こってしまいましたが未だに彼女とは会話は出来ないです」
「そうか。水野これを渡すから噛み砕いで飲み込め」
そう言って、俺に向けて四宮さんが先程の戦いで使っていた瓶を渡して来た。
「これはなんですか?」
「これは私が開発した、身体能力を一時的に引き上げる薬だ。他種族の奴に使ったらその能力がパワーアップする」
四宮さんの言われた通りに、瓶の中にある丸いものを口の中に入れて噛み砕き飲み込む。
「飲み込みました」
飲み込んだが体の変化は特には感じなかった。
「初めて使うからなすぐに現れるわけではない。少し時間を置こう」
「わかりました」
しばらく待っていると先の戦いの時に感じた感覚と同じ感覚になっている気がした。
「四宮さん、変化が起きた時思います」
「そうか。どれどれ、水野私の手のひらに向かって殴ってみろ」
「えっ?」
「説明は後だ。良いからやれ」
四宮さんはやれと言っているが、俺は戸惑い先生に視線を向けるがやってみてとゆうアイコンタクトが送られて来てしまった。
「行きます!」
「来い!」
パシッ!!
威力はごくごく普通のパンチだったが、ちょっとだけスピードが早くなった気がした。
「やはりこんなもんか」
「四宮さん。説明を聞いても?」
「いや何、水野がこの薬を飲んで効果が知りたかっただけだ。その瓶の残りはやるよ。八仙乱がいない時でピンチだったら使って場をどうにかしろ」
と言って、四宮さんはまだまだ薬が入ってる小瓶を渡された。俺的には身を守る薬が手に入ったと思っておけばいいかな?
「それで山口の件だが、今の所どうする事もできん。だから、対策が取れるまで水野の近くに居ろ」
「えっ!?」
「何を驚いている?あの山口を止められたのは水野お前なんだ。次起こったとしても、どうにか出来るのは水野だけだ」
四宮さんは俺に拒否権を与えるつもりはないみたいだ。さっきは止めることが出来たが、次に同じことが出来るかって言われたら不安が残る。
「先生達にも話を通しておくので、水野君だけが背負う事ではないですよ」
先生は、俺の表情を読んだのか。俺の不安を取り払ってくれた。
「話は決まったな。私はこの後悠真に先程の戦いを報告して、山口の件をどうにかするために研究室に籠る。何かあったら悠真に聞け、対応はしてくれるはずだ」
「分かりました」
「今日はもう遅い。この場は解散だ」
四宮さんはスタスタと、保健室を出てどこかに去ってしまった。
「では、私は山口さんの件を教師に連絡しに行きます。流石に寮までは1人で返すわけには行かないのでしばらく待っていてください」
「分かりました」
西野先生も保健室を出て職員室に向かっていた。今保健室に居るのは俺とベットの上に居る山口さんだけになってしまった。
正直気まずい。高校生の男女を夜の学校で一緒の教室に居るのは、流石にまずい。
「2人きりになりましたね」
「そうですね」
「先程は止めてくださりありがとうございました」
「いえいえ、気にしないで下さい。それより体の方は大丈夫なんですか?」
「ええ。これと言った怪我はないですね。水野さんが止めてもらう前は苦痛があったんですけど、自然と無くなって今はだいぶ楽になりました」
「それは良かったです」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
やばい。会話が終わってしまった。何を話せば良いのだろうか。過去話をしたら、山口さんは苦しんでしまうかもしれない。
「水野さん」
「はい。どうしました?」
「あの時どうして助けてくれたのですか?」
「・・・山口さんには俺がこの学校に来た理由を話しても良いかもしれないですね。俺がこの学校に来たのは・・・・・・」
俺は、山口さんにこの学校に来る前の事を話した。山口さんは大層驚いていたが受け入れてくれた。
「それで助けた理由ですよね。あの時弟を助けられなかった俺は、このまま同じ結果をまたやってしまうと思ったから体が動いて助けたんだと思います」
「そうなんですね。では、今回はしっかり助けられましたね。大丈夫ですよ。弟さんは水野さんが助けに来るのを待っているはずです」
俺は山口さんに勇気をもらった。と言うよりかは自信が着いたと言った方が良いかもしれない。それだけ、山口さんに言われた言葉が嬉しく心に響き余裕が生まれた気がした。