7話 初仕事
「・・・うっ!?ここ数日は大丈夫だったのにまた!・・・時間がない。早くこの苦しみが終わって」
とある部屋で1人になっている彼女は、長年の苦しみから解放される事なく今も苦しんでいる。彼女を助けられる可能性を持つのは、果たしているのだろうか。
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「正治君にお願いしたい仕事は、夜の学校調査だ」
「夜の学校調査?」
いきなり弟に関係している仕事が来るのかと思っていたが、少し驚きはしたが夜の学校とゆうワードに疑問を抱いた。
「そう。最近夜の学校をパトロールしている人から相次いで、何かしらの異常が発生しているんだ」
「異常ですか?」
詳しく聞いて行くと、時期としては弟ケンが人間を辞めヴァンパイアになった頃から起こっている。どんな異常かと言うと、学校七不思議みたいな現象が立て続けに起こっているらしい。例えば音楽室から変な音が聞こえたが、実際に行くと何もなかったとか。学級教室に行くと、はっきりと顔が見えない女子生徒が居るなどの現象が今回の異常として上がっている。
「正治君はホラーとか苦手?」
「ホラーは大丈夫ですよ。ただ驚かされるのは苦手ですね」
「なら、この高校の異常を調査してもらえないからな?調査には正治君だけでなく、八仙乱のメンバーから誰かしらは出すつもりだし夜パトロールしている人達も参加させるつもりだからね。何かあったら、何かしらの合図の取る方を誰かに教えておくからその人から教わってくれるかな?」
「分かりました。やります」
「ありがとう。夜の学校調査兼パトロールは20時からだから、19時50分ぐらいに職員室に向かってね。その時間は校舎の電気はつけられないから、スマホのライトなどを照らして来て欲しい」
「分かりました」
悠真さんからの話は終わった。しかし、夜の学校か。少し怖いが、この高校の異常を見逃していては攫われた弟に会う顔がないし、辿りつく事も出来ない。
俺は改めて攫われた弟に会うために頑張る事を決意した。
夜
同じ部屋の光秀には、この時間帯に外に出る事に対して俺は正直に話して夜の学校の職員室に向かって行った。
もう季節が冬に近くなっており、あたりはもう真っ暗で少し肌寒い。スマホのライトを付けて、職員室に向かい中に入るとそこに待っていたのは西原先生と女性が1人居た。
「水野君時間通りだね。待ってたよ」
「ほう?これが例の子の兄か」
俺の事をじっくり見て来るこの女性が誰なのだろうか。日が出ている時の職員室には居なかった人だ。もしかしたら、この人が悠真さんが言っていた八仙乱の1人かもしれない。
「四宮さんその辺で見るのを辞めたげてください。水野君が困ってます」
「あぁすまんすまん。改めて、私は八仙乱の1人四宮胡春だ。普段は研究室に籠もって、他種族について研究をしている」
予想通り、四宮さんは八仙乱の1人だった。今日初登校でも、先生達は微かに怯えているが四宮さんの顔を見なかったのは研究室に籠もっていたのか。
「水野正治です。悠真さんから聞いていると思いますがよろしくお願いします」
「よろしく。そうだった、悠真から頼まれたのを渡そう」
四宮さんは白衣のポッケから、防犯ブザーみたいな物と懐中電灯を出し俺に前に出す。
「これが悠真から頼まれていた物だ。この防犯ブザー又の名は『サイレント』だが今回の異常が起きている原因を見つけたら鳴らすんだ。この音は私と先生にしか聴こえないようになっているから原因が人であってもバレる心配はない。懐中電灯はスマホのライトより性能がいいからこっちを使ってくれ」
「分かりました」
説明を受けつつ、サイレントと懐中電灯を受け取る。
「よしそれじゃあ夜の学校パトロールを始めようか。水野に言ってほしい場所は音楽室、理科室、家庭科室をみて来てくれ」
「分かりました」
「先生は体育館とクラス教室を」
「分かりました」
「そしては私は、ある装置を使って学校全体を観ている。何かあったらサイレントを鳴らせ、その装置で感知したらすぐに向かう」
「分かりました」
「それじゃあ行って来い」
夜の学校パトロールが始まった。俺が行くところは全て移動教室で使われる部屋だった。懐中電灯をつけて、周りを観ながら職員室から比較的近い理科室に向かっている。
「理科室は確かこの辺りだよな」
「・・・・ふっ・・・ふふっ・・・」
「うん?」
俺の後ろから、何かが近付くのと同時に声が聴こえたので後ろを向いてみるがそこには何もいなかった。
「今なんか不気味な笑いみたいのが聴こえたな」
今起こった事を疑問に思いながなら、一つ目のは目的地理科室に入る。中に入った所で特にすることはない。懐中電灯で周りを見て何の異常も無ければ、理科室は終わりだ。
次に向かう近い教室は、家庭科室だ。家庭科室の場所を思い出したながら、俺は夜の学校を歩き始めた。