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弟が人間を辞めました  作者: 氷雨 蒼
1章 弟が人間辞めた
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5話 転校先の学校

悠真さんが言っていた転校の件が今日だったので、一緒に『仙乱高等学校』に向かっていた。


転校の件は両親の方にも話が付いていて手続きは悠真さんが代理人とゆう事で話が通り、通っていた高校には先生に挨拶を済ませて友達には何も言わずに通っていた高校を後にした。


「良かったのかい?友達に別れの言葉は無くて?」

「大丈夫です。友達とゆうよりかは、少し違う関係だったので俺が居なくなっても先生に事情を聞けば理解すると思います」


元通っていた高校での人との関係性は、多くはないむしろ学年で数名しかいない。たまたまクラスが同じで、話す人が居なかったから話をしていたとゆうだけであり連絡先の交換もしていなかった。なので、友達かと言われたらクラスメイトですって言い切る事が出来る関係だった人達が多い。ケンの方は、友人関係が広いので連絡が絶えず永遠と来そうだが先生の口から電波が受信しにくい場所に居ると言ってもらおうとお願いもしている。ケンが帰ってきたら、自分から連絡をして行くだろう。


「そろそろ見えてくるよ」

「・・・・・アレが『仙乱高校』」

「そう。そして、君と健辞君が通う学校だ」


車から見る高校は、通っていた高校より大きく敷地もかなりある。校門前に着き、車から出ると改めてそのデカさを目の当たりにする。そして、校門前で一人の女性が立っている。


「八田理事長お待ちしておりました」

「七枝待ってたのか。正治君こちら僕の秘書の七枝芽衣(さえぐさめい)さんだ」

「よろしくお願いします。水野正治君」

「こちらこそよろしくお願いします」


俺と七枝さんは手を合わせ挨拶の意を含めた握手をした。


「さて、挨拶も済んだから次は職員室に向かいながら校内を案内しよう」

「いえ、八田理事長はここで一度理事長室に戻ってもらいます」

「え?それじゃあ正治君の案内どうするの?」

「それなら彼女にやってもらいます」


七枝さんが手を校内に指すと誰かが外に出て来る。長い髪にセーラー服を着た女子高校生がこちらに向かい八田さんに頭を下げる。


「八田理事長お久しぶりです」

「久しぶりだね。確かに君が案内なら大丈夫か。正治君、彼女は当代の生徒会長の山口愛奈さんだ。正治君とは同世代になるかな」

「よろしくお願いしますね。水野さん」

「こちらこそよろしくお願いします」


お互いに挨拶が終わり俺は山口さんについていく形で、校内を案内してもらう。


外見を見た際にも言ったが、この高校はとにかくデカい。俺が通っていた学校の倍の敷地面積はある。理由を聞けば、ケンのように人間ではない他種族になってしまった人達がもし暴走してもいいように大きく設計されているらしい。そのためこの高校は街の少し遠い所に存在し、他種族の存在を世間から隠蔽するために一部の生徒には寮で生活をしてもらっているらしい。


「ここからは教室です」

「何クラスまであるんですか?」

「今年は確か1年が5クラス、2年が4クラス、3年が4クラスね」

「敷地が広いのでもっとあるのかと思ったけど、意外と普通だった」

「ふふ、意外だったかしら?この高校は、他種族になってしまった人だけではなく一般公開もされる高校でもあるから普通の人も多いわよ」

「そうなんですね」


他種族の存在を隠すために、少し離れた所にこの高校は存在しているのに何故一般公開も出来るのだろうか。と疑問を持つとそれを見越して答えてくれた。


「矛盾しているわよね」

「そうですね」

「でも、コスプレ(・・・・)とゆう事にすれば一般の人にはバレることもないわ。普段は遠くにあるから学校の中は知られる事はない。だけど、一般公開をするのは学校行事の時だけよ」

「そうか!他種族になってしまった人でも学校行事に参加出来て、本当のことがバレなくていい」

「そうゆう事ね。と、そろそろ案内は終わるけど気になったところはあった?」

「特には、普通の人も他種族になってしまった人も集中して授業を受けていることに少し意外でした」


山口さんと話しつつ、教室を軽く覗いたが授業中に雰囲気はとても良かった。みんな真面目にノートを取ったり話をしっかり聴いていた。


「ここの生徒は外部に情報を探さない事を条件に通っているてのもあるけど、1番はみんな仲良く楽しく過ごしたいのよ。それをするには、勉強が大切だと言う事を知ってるのよ」

「もし仮にバラしたら、どうなるんですか?」

「情報の元から繋がった人まで全員には、消えてもらうだったかな?」

「怖っ」

「冗談よ。でもそれに近しい事はするわよ」


俺は絶対外で話さないようにしようと改めて決意した。それと同時に、女子は怒らせないといいとゆう事を身を持って体験した。


「職員室と八田理事長が居る理事長室は、この道の先よ」

「ありがとうございます」

「ええ、こちらこそありがとう。次会う事が出来たら今度は友達としてよろしくね」

「はい」


山口さんとは、ここで別れて悠真さんが居る理事長室に向かい。トントンと理事長室の扉を叩く。


「どうぞ」

「失礼します」

「正治君!どうだった?学校見学は?」

「とても良い雰囲気の学校ですね」


悠真さんは、作業していた手を一度止め近くに居た秘書の七枝さんもこっちを見る。


「それは何より八仙乱が今まで頑張って来た事が報われたね。それで、登校と今後の仕事の件なんだけど」

「はい」

「まずは登校からだね。両親から寮生活をするよう言われてるから、部屋は後で案内しよう。ルームメイトもいるから、部屋についてはその人から聴くといいよ。クラスは2学年の3組だね。さっき案内してもらった、生徒会長の山口と同じクラスだよ」

「分かりました」


しばらく悠真さんと七枝さんは初めてな事だらけなのを知っているので、悠真さんが話しつつ補足説明をつけてくれた。


登校に関しては、ルームメイトの人と一緒に登校するよう言われた。ルームメイトの人も同じクラスメイトになる人らしい。


教科書は前の高校と同じものを使っているそうなので、変える心配はないらしい。


制服に関しては、以前在校していた生徒の制服がまだあるそうで縫い合わせをすれば大丈夫だそうだ。それらの関係で制服が出来るのが1週間程度掛かるそうだ。それまでは、前の高校の制服を着るとのことだ。


「話は以上だね。さっそく、君の部屋に案内したい所だけどまずは2年3組の担任を務める西原先生に挨拶をしよう」


悠真さんは立ち上がり、俺が転校するクラスの担任をする西原先生に挨拶をしに行くことになった。

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